和敬清心をテーマにシンプルな美しさ感じる「目黒雅叙園」

和敬清心をテーマにシンプルな美しさ感じる「目黒雅叙園」

更新日:2016/11/02 14:21

瀧澤 信秋のプロフィール写真 瀧澤 信秋 ホテル評論家、旅行作家
絢爛たる美が結集した「目黒雅叙園」は創業88年。現実から遊離した世界は、充実したバンケット施設と共に婚礼やホテルとしても知られています。もちろんホテルステイのクオリティも高く、快適な客室は全室80平方m以上のスイート仕様でラグジュアリー感も抜群。秀逸なコンセプトでリニューアルもすすめられており、快適性も抜群な注目のホテルです。目黒駅至近の立地にして別世界を体感できる芸術空間もあわせて紹介します。

芸術品のようなホテル

芸術品のようなホテル

写真:瀧澤 信秋

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目黒雅叙園は、当時一流の芸術家、職人ら数百名が参加して作り上げた、現代において作ることは不可能であろうホテルです。

黒漆に蝶貝をはめ込んだ螺鈿(らでん)、鮮やかな日本画、浮き彫り彫刻などが建物を埋め尽くし、部屋ごとに趣のことなる多彩な美。その根底に流れるのは、江戸時代より受け継がれてきた日本の伝統的な美意識。あらゆり趣向をひとつの建物に共存させ、さらなる美しさを創りだしています。

東京都指定有形文化財「百段階段」

東京都指定有形文化財「百段階段」

写真:瀧澤 信秋

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目黒雅叙園のサンクチュアリともいえるスポットが「百段階段」。昭和10年に建てられた木造建築で、東京都指定有形文化財に指定されています。7部屋を99段の長い階段廊下が繋いでいます。

あれ、100段ではないの? という声が聞こえてきそうですが、中国で“百”は完全(登り詰めたところ)を意味し“九十九”は永遠に続いていく意味があることから99段で作られたといわれています。階段には厚さ約5cmのケヤキ板が使用されています。

百段階段は、かつての目黒雅叙園3号館にあたります。昭和の竜宮城ともいわれ、当時、食事を楽しみ、宴も行われた7部屋。晴れやかで特別な日、多くの人々が行き交った様子を想像してしまいます。

漆塗りのエレベーター

漆塗りのエレベーター

提供元:目黒雅叙園

http://www.megurogajoen.co.jp/

目黒雅叙園の客室は、全47部屋すべて80平米以上のスイートルーム仕様。客室は、改装間もない洋室をはじめ、和室や琉球畳を使用した和洋室もあります。和室、和洋室の畳スペースは寛ぎ度も高いので、子供連れやグループ向きでしょう。

どことなく日本旅館のエッセンスもある特別感は、客室へ向かうエレベーターに乗った瞬間からはじまります。なんと「漆塗りのエレベーター」。日本画家 吉田登穀氏の孔雀の原画がもとになった螺鈿細工は圧巻です。

フロアリノベーション

フロアリノベーション

写真:瀧澤 信秋

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目黒雅叙園では、新たなコンセプトに基づき客室のフロアリノベーションがすすめられました。従来の6階客室に加え、2016年9月には7階24室がリニューアルオープンしました。また、2017年3月には8階のリノベーションも予定されています。

目黒雅叙園の新客室コンセプトは「和敬清心」。茶道の精神を表現した「和敬静寂」が由来とのこと。シンプルな中にある自然な姿は、茶道に代表される「侘び寂び」の精神ともいえます。都市生活者にとって忘れがちなシンプルさ。客室を茶室に、廊下とEVホールを茶庭と見立てたデザインは、日本人が表現する和の世界観なのです。

客室内は、リビングルームとベッドルームに分かれています。リビングルームでは、窓幅いっぱいにゆったりとしたソファを配置。リビング中央には長さ約2メートルのテーブルセットがレイアウトされています。また、今治タオルをはじめ、厳選した上質素材のリネンが採用されており、肌への気遣いまでも一級なのです。

質の高さを満喫できるホテルご自慢の朝食

質の高さを満喫できるホテルご自慢の朝食

提供元:目黒雅叙園

http://www.megurogajoen.co.jp/

“野菜から始まる朝食&フードシナジー”をテーマにした、西欧料理レストラン「クラブラウンジ」で味わうホテルご自慢の朝食。シェフが目の前で調理する卵料理をはじめ、東京近郊にある契約農家から取り寄せる産地直送の新鮮野菜を使ったスムージーやサラダも人気です。

豊富なメニューをブッフェスタイルで堪能できるのは何より嬉しいもの。クオリティ高き朝食で朝からパワーチャージ必至です。

おわりに

目黒雅叙園がテーマに掲げる「和敬清心」。和は「和合、互いに楽しもうという心」、敬は「他を敬愛する心」、清は「清潔、清廉、まわりも自らも清らかであること」、そして心は「ホスピタリティ(おもてなしの心)の誓い」を意味します。日常生活で忘れがちな自然とシンプルさに溢れる目黒雅叙園でのステイは、きっと非日常体験になることでしょう。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/05−2016/09/06 訪問

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