山形の至宝「最上川」を感じて〜最上川美術館・真下慶治記念館

山形の至宝「最上川」を感じて〜最上川美術館・真下慶治記念館

更新日:2016/11/12 14:25

mikami kaoriのプロフィール写真 mikami kaori アナログ&スケッチイラストレーター、ほっこり旅ブロガー
川の起点から河口まで、山形県内だけを雄大に流れる一県一河川の大河「最上川」。その流れは堂々としており、山形の風景を代表するまさに「山形の至宝」ともいうべきもの。この最上川を見つめ、描き続けた山形出身の洋画家が「真下慶治(ましもけいじ)」画伯です。
真下画伯の描く「最上川」を絵画で鑑賞し、また直接眺めることのできる「最上川美術館・真下慶治記念館」で、存分に「最上川」を感じてみませんか?

最上川の流れに抱かれた「最上川美術館・真下慶治記念館」

最上川の流れに抱かれた「最上川美術館・真下慶治記念館」

提供元:真下慶治記念館

http://www.massimo-k.org/p_murayama/index.html地図を見る

山形県村山市にある「最上川美術館・真下慶治記念館」は、最上川の流れのなかでも三難所(碁点・三ヶ瀬・隼の瀬)といわれる流れのちょうど真ん中あたり、ゆったりと流れる大蛇行部(大淀)を眼下に見下ろす高台に位置しています。日本の古き佳きふるさとのイメージを彷彿とさせる、どこか懐かしい風景の中に溶け込むように建つこの美術館は、平成16年11月に「真下慶治記念美術館」として開館。平成28年1月、「最上川美術館・真下慶治記念館」と名称を変更しました。

こちらの美術館の魅力のひとつ、それは、立地。雄大な最上川の絵画を鑑賞できる美術館が、実際の最上川そのものを堪能できる高台に建っているなんて、絵画好き自然好きならば、心惹かれずにはいられません。
また、旧尋常小学校跡地を利用して建てられているため、とても立派な桜の木が美術館の木造建築を覆っている優し気な風景を残すこととなりました。この美術館を訪れた人は、何とも言えない、懐かしさと温かさを感じることでしょう。

真下慶治の描く最上川に包まれる静寂の空間

真下慶治の描く最上川に包まれる静寂の空間

写真:mikami kaori

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真下画伯は、生涯を通して最上川に寄り添い見つめ続け、1993年、79歳で亡くなるまでの間、60年の歳月をかけて最上川を描き続けた、山形県出身の洋画家です。絵を描く際は「現場主義」を貫き、最上川流域に制作拠点となるアトリエを設け、実際に数多くの製作地に趣き絵を制作し続けました。

「最上川美術館・真下慶治記念館」の常設展示室には、真下画伯の描いた最上川と山形の風景があふれています。それはとても写実的で静的で、そして「山形の静けさと美しさ」を感じずにはいられない空間。自然光を取り入れた展示方法が、温かな居心地良さと安らぎを与えてくれます。

日展や一水会で活躍しつつ、山形大学で美術を教えるなどし、山形の文化発展にも大きく貢献した山形が誇る洋画家の素晴らしい作品は、静かに温かく、観るものの訪れを待っているのです。

雄大なる山形の至宝「最上川」の絵画に、あなだだけの感動を

雄大なる山形の至宝「最上川」の絵画に、あなだだけの感動を

写真:mikami kaori

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こちらの絵画は、「大淀の眺め(第5回日展 1973 80号)」。村山市大淀にて写生された、真下画伯の代表的な1作です。(※通常館内は撮影不可。)
 
真下画伯の描く「最上川」の風景は、冬景色が多く、また曇天を好んで描いたのだと、画伯の奥様で、美術館館長さんの真下清美さんは教えてくれます。晴天だと川に景色が映りこんでしまいますが、曇天だと川そのものの素晴らしさを象徴的に描き出すことができ、画伯はとくに、川が黒く印象的に見える、冬景色に魅力を強く感じていたのだそう。

最上川は、山形県全域を潤す「母なる川」と称されることが多く、真下画伯自身も最上川を「母なる川」と呼んでいました。真下画伯の描く最上川や冬景色に何を感じるかは人それぞれ。懐かしさや優しさ温かさなどを感じる方もいれば、切なさや強さ、暗さなどを感じる方もいるでしょう。絵画を観る側の「母」や「川」、「冬」、「山形」などに対するイメージと重なりあい、幾通りもの感動を得ることができそうですね。ぜひ、あなただけの感動を得てくださいね。

美術館のテラスから眼下に見下ろす最上川絶景

美術館のテラスから眼下に見下ろす最上川絶景

写真:mikami kaori

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こちらの美術館の魅力はまだあります。この美術館は、山形県出身の著名な設計士宮眞介氏により設計されたとても美しい建物で、最上川の絶景「大淀(最上川の大蛇行部)」を眼下に見下ろす素晴らしいテラスがあるのです。

美術館は木造で、地域循環型エネルギーのペレットボイラーを使用した環境にやさしい施設。また、最上川を見下ろす広々とした野性味あふれるテラスは、現在は産出されない地元の楯山石を使用し、地元産の杉を外壁に活用するなどし、建物自体が自然そのもののような温かさや安らぎを感じさせてくます。

真下画伯の描いた最上川を、山形の自然でできたテラスから直接眼下に見下ろす幸せ。その芸術と自然の素晴らしいコラボレーションをぜひ体感してください。

雄大な自然と絵画が織り成す感動

雄大な自然と絵画が織り成す感動

提供元:真下清美

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「最上川美術館・真下慶治記念館」のテラスから見下ろすことのできる「大淀(最上川の大蛇行部)」は、美術館から約400メートルのごく至近にビューポイントがあります。

美術館のテラスから眼下に見下ろした最上川を、川辺の水面視線で眺めなおす至福。そして心と眼に焼き付いた真下画伯の最上川と山形の風景が、雄大な現実として自分の身に迫りくる感動。美術館の中で得た感動が、もう一度大きく揺さぶられ、雄大な自然が与えてくれるより一層深い感銘が心を覆いつくすことでしょう。

ぜひ、この素晴らしい自然と真下画伯の遺してくれた芸術の織り成す感動を山形で体験してください。

「雄大なる最上川」と「真下慶治の絵画」に何を感じるかはあなた次第

山形が誇る大河「雄大なる最上川」の絵画を、静寂に包まれた「最上川美術館・真下慶治記念館」で鑑賞しつつ、何を感じ取るかはあなた次第。そして、美術館のテラスから、あるいは美術館からすぐのビューポイント「大淀」から最上川を眺め、絵画と現実の両方で最上川を存分に堪能してくださいね。

山形県村山市にある「最上川美術館・真下慶治記念館」は、絵画が好きな方、川や山の自然好きな方にぜひ訪れていただきたいスポットです。アクセスは、タクシーかレンタカー利用がおススメ。JR奥羽本線村山駅(山形新幹線の停車駅でもあります)から車で10分。仙台方面からは国道48号、13号経由で車で1時間ほど。開館時間、休館日等の情報やアクセスの詳細等については、下記MEMOから公式サイトをご参考にしてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/17−2016/10/24 訪問

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