ラファエロの生涯をたどる、ローマおすすめのスポット4選

ラファエロの生涯をたどる、ローマおすすめのスポット4選

更新日:2018/07/25 11:36

藍色 しっぽのプロフィール写真 藍色 しっぽ
イタリア・ルネサンスの代表的な芸術家といえば、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロの名前を挙げることができるでしょう。中でもラファエロは愛くるしい顔立ちの天使や優しい表情の聖母像で人気を集め、16世紀から現在に至るまで変わらず人気を集めています。そんなラファエロの生涯を伺うことのできるローマのスポット四ヶ所をご紹介します。

「預言者イザヤ」が見られる!サンタゴスティーノ教会

「預言者イザヤ」が見られる!サンタゴスティーノ教会

写真:藍色 しっぽ

地図を見る

ラファエロは1508年ローマ法王ユリウス二世の招きをうけてから、1520年に亡くなるまでの10年あまりをローマで過ごしたとされています。ナヴォナ広場の近くにあるサンタゴスティーノ教会には、1512年に制作されたラファエロの「預言者イザヤ」があります。

入り口付近の柱に描かれたこの作品は預言者イザヤの姿を雄々しく描いたものであり、当時のライバルのひとりであったミケランジェロの影響が色濃いですが、両脇のかわいらしい天使や繊細な色調など、ところどころにラファエロらしさも残ります。

サンタゴスティーノ教会は幾何学的なファサードと簡素な白い外観を特徴とした、初期ルネサンスの教会建築の代表例ともいえる教会です。内部にはラファエロの他、ヤコポ・サンソヴィーノやカラヴァッジョの作品が所蔵されています。

「巫女」を所蔵!サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会

「巫女」を所蔵!サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会

写真:藍色 しっぽ

地図を見る

同時期の1514年、ラファエロはサンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会にて、キージ家のアーチ部分の装飾を手掛けました。こちらの教会の右側、キージ家の礼拝堂のアーチ部分には、1514年のラファエロの作品「巫女」が描かれています。

やわらかい色彩に優雅な巫女や天使の姿など、円熟期のラファエロ作品の特徴がつまった作品です。さらにその上には、ラファエロの下絵をもとにした預言者のフレスコ画があります。

サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会は、1482年に建立された小さな教会です。開いている時間は週三日ほどと少ないですが、ラファエロファンならぜひ訪れておきたい場所です。

美しいモザイク画に礼拝堂…サンタ・マリア・デル・ポポロ教会

美しいモザイク画に礼拝堂…サンタ・マリア・デル・ポポロ教会

写真:藍色 しっぽ

地図を見る

ローマ滞在中、ラファエロは絵画作品のみならず建築も手掛けています。サンタ・マリア・デル・ポポロ教会の入口左側にあるキージ礼拝堂はラファエロの設計によるもので、彼の死から100年経ってベルニーニが完成させました。

ラファエロはキージ礼拝堂の天井のモザイクの下絵も描いており、礼拝堂の中から天井を見上げると、美しいモザイク画を堪能することができます。

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会は、1000年の歴史を持つ聖母マリアに捧げられた教会です。建物内にはラファエロの上記礼拝堂のほかピントゥリッキオやカラヴァッジョの作品などもあり、毎日大勢の人が訪れています。

世界最大の石造り建築!ラファエロが眠るパンテオン

世界最大の石造り建築!ラファエロが眠るパンテオン

写真:藍色 しっぽ

地図を見る

ラファエロは1520年4月、37歳の若さでこの世を去りました。死の直前には自身をここパンテオンに埋葬するよう遺言を残し、彫刻家ロレンツォ・ロッティに墓に配置するための聖母子の彫像を依頼しています。

左から三つ目の小さな祭壇がラファエロの墓であり、大理石の石棺には「ラファエロここに眠る・・・」から始まるピエトロ・ベンボ枢機卿の二行の哀悼詩が刻まれています。その上部には、石棺を守るようにロレンツォ・ロッティの聖母子像が置かれています。

パンテオンは世界最大級の石造り建築であり、現存するローマ建築の最高傑作とも言われています。ラファエロの墓の向かい側にはイタリアの国王であったV.エマヌエーレ二世の墓が安置されているほか、毎年8月6日、9日には「原爆忌」が行われ、日本のための祈りがささげられています。

ローマに残る、世紀の画家ラファエロの生きた証

日本では美術館に来日した際にしか鑑賞することのできないラファエロの作品ですが、ローマでは教会などで目にする機会も多く、地元の人々にとってはなじみのある画家です。惜しくも人気絶頂期に亡くなってしまいましたが、ラファエロの均整の取れた古典的表現や正確な空間構成は、現在に至るまで多くの画家の模範とされてきました。

ヴァチカン宮殿や美術館での鑑賞は入場料がかかることが多いですが、今回ご紹介したスポットは基本的にはどちらも無料で入ることができます。ラファエロが好きな方も最近になって興味を持ち始めたという方も、一度ぜひお越しを。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -