“郵便局の木“も!茅葺の古刹・東京五日市「広徳寺」は大銀杏の黄葉が見事

“郵便局の木“も!茅葺の古刹・東京五日市「広徳寺」は大銀杏の黄葉が見事

更新日:2018/10/19 11:24

松縄 正彦のプロフィール写真 松縄 正彦 ビジネスコンサルタント、眼・視覚・色ブロガー、歴史旅ブロガー
室町時代に創建された五日市の古刹「広徳寺」。境内の主要な建物がすべて“茅葺”という、東京では珍しいお寺ですが、ここの“大銀杏の黄葉”が見事です。ここには都下最大の郵便局の木“タラヨウ”もあります。静かな境内で山門などの建物を鑑賞しながら、自然を楽しんでください。日頃の疲れがどこかに行ってしまいます。

東京で古刹体験〜“茅葺”屋根の貴重な建物〜

東京で古刹体験〜“茅葺”屋根の貴重な建物〜

写真:松縄 正彦

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広徳寺は、東京の奥座敷、五日市にあります。室町時代、1373年に鎌倉の建長寺の70世を講じて開山し、その後、北条氏康や江戸幕府から保護されて来た歴史ある臨済宗建長寺派のお寺です。
境内には総門・山門・本堂(写真)が東西の中心軸上に配置されていますが、そのすべてが“茅葺”という東京では非常に珍しい建物群です。

古刹というと奈良・京都で楽しむものというイメージが一般的ですが、東京でもここ五日市で見じかに楽しむ事ができるのです。

禅宗様の山門

禅宗様の山門

写真:松縄 正彦

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また写真の山門を見て下さい。茅葺の二階建てで、下層よりも上層が大きいという珍しい構造をしています。階上には回廊があり、中央には4扉が、左右には花灯窓が1つずつあるという典型的な“禅宗様”の山門です。太い柱や礎石の自然石など、見ているだけで重厚さが伝わって来ます。

この山門は、総門の通路越しにながめるのがベストポジションです。ここから見ているだけで境内の静かな雰囲気・自然との“調和”が伝わって来、懐かしいほっとした気分になれるはずです。

黄葉が見事な大銀杏

黄葉が見事な大銀杏

写真:松縄 正彦

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山門の後ろに大きな銀杏が2本茂っています。写真のように、秋にはこの銀杏の黄葉が見事です。写真は山門の右手側から撮影したものですが、この銀杏は非常に“背が高い”のが特徴で、秋には迫力ある素晴らしい眺めが楽しめます。
また春や夏に訪れても、下から木を見上げていると何か神々しい“気“が降りて来る感じがします。神社の鎮守の森の感覚といえば良いでしょうか?ぜひ木の下から上を見上げ、この感覚も楽しんでください。

この銀杏、樹齢は300年から400年といわれます。静かな雰囲気で黄葉や木の周りの空気を楽しんでいると、日常の諸々を忘れてしまうはずです。

郵便局の木〜都下最大のタラヨウ〜

郵便局の木〜都下最大のタラヨウ〜

写真:松縄 正彦

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ところで“郵便局の木”というのをご存じでしょうか?“タラヨウ”という木で、葉に文字が書けるのが特徴です。現在でもこの葉に文字を書き、ハガキの代わりに出せるといわれます。文字通り、“葉”“書き”です。
東京都下で最も大きなタラヨウの木がここ広徳寺にあります。本堂の裏手に回って下さい。樹高19.1mで幹周り2.5mという大きな木で、都の天然記念物になっています。写真のように木の葉の裏を確認すると、所々に文字が書かれていますが、天然記念物ですので書き込みはしないでくださいね。

ところでタラヨウは漢字で“多羅葉”と書きます。この名は、文字が書ける事が、“多羅樹”の葉に似ている事に由来しています。多羅は貝多羅(バイタラ)ともいわれ、実は紙が発明される前には、紙の代わりに使用され、古代インドの仏典もこの葉に書かれていました。また戦国時代には、この葉に文字を書いて情報のやりとりをしたともいわれます。MEMO欄の記事(神(紙)頼みも!東京王子「紙の博物館」は歴史ミステリーも楽しめる知的スポット)をご参照下さい。

あきる野の自然を感じながら楽しむ古刹

秋の一日、東京の古刹で、懐かしい茅葺屋根をながめ、ゆったりとした気分で黄葉を楽しむのは如何でしょうか?また、ご紹介できませんでしたが、広徳寺にはタラヨウの他に都の天然記念物があります。常緑の高木“カヤ”です。樹高24mを超す大樹で、多摩地域では最大の木です。

ここは静な山裾に位置しており、五日市散策コースにもなっています(MEMO欄参照)。秋のひと時、静かに自然を楽しみリラックスしてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/23 訪問

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