写真:泉 よしか
地図を見るみなさん、「桜えび」は日本の駿河湾と台湾でしか水揚げされていないってご存知でしたか?
桜えびは富士川、大井川、安倍川などの淡水が流れ込む河口付近の深海に群れで生息し、暗夜に水深20〜30mまで浮上してくる体長40mm前後の小型のエビです。実はこの桜えびが知られるようになったのは、明治27年のある偶然の出来事によるものなんです。
もともと鯵(アジ)を捕るために夜曳網漁を行っていた望月平七と渡辺忠兵衛という二人の漁師が、うっかりカンタ(浮き樽)を忘れたため、仕方なくカンタ無しで網を掛けたところ、なんと鯵ではなく大量の桜えびが捕れました。こうして意外なきっかけで始まった桜えび漁は、今では由比・蒲原、大井川といった駿河湾の限られた漁港で大切に水揚げされています。
桜えびの旬は春と秋の2回。冬は深海に潜るため休漁、夏は産卵期に当たるため資源保護のために禁漁期間となっています。ですから、本当に美味しい生の桜えびを味わおうと思ったら、絶対に春または秋の桜えび漁シーズンにあわせて由比を訪れることを強くお勧めしますね。
写真:泉 よしか
地図を見る桜えびを食べるなら、ぜひ静岡市の由比漁港近くにある「食事処 開花亭」に行ってみてください。桜えびを使ったいろいろなメニューがありますが、中でも「桜えびづくし御膳」(税込2,700円)がスゴイ!
生桜えび、ゆで桜えび、つくだ煮のそれぞれの味わいが楽しめる桜えび三点盛、かき揚げ、桜えび鍋の「沖あがり」といった、貴重な桜えびをたっぷり使った贅沢な品ばかり。
生桜えびは信じられないほど甘くて、トロ〜リとろけます。ゆで桜えびやつくだ煮は味がギュッと凝縮!一方、かき揚げはサックサクで香ばしさと甘みのバランスが絶妙です。一般的なかき揚げは野菜などが入りますが、開花亭の桜えびかき揚げはまさに桜えびづくし。
写真:泉 よしか
地図を見る生桜えび、かき揚げだけでなく、もう一つの名物料理もご紹介しましょう!こちらは「沖あがり」、地元の漁師たちに食べられてきた、いわゆる「漁師メシ」です。
桜えび漁は夕方から夜中にかけて行われますが、沖あがりは漁を終えて港に戻って来た時に、冷え切った体を温める為に食べられるようになったすき焼き風の鍋料理です。
ネギや豆腐と一緒に煮込んだ桜えびが絶品。しみじみとした優しい甘みが感じられます。昔は卵を使わずに食べられていましたが、卵を入れるとまた違った美味しさがあるので、ぜひ両方の味を食べ比べてみてくださいね。
開花亭の営業時間はランチタイムの11時15分〜14時30分までと、夜の17時〜19時の一日二回。お昼の混む時間帯はお店が開いてすぐの11時過ぎと後半の13時半頃だそうです。意外と12時頃は狙い目だとか。
食事は団体を除き予約を受け付けていないので、もしゆっくり桜えびづくしの食事がしたいという場合は、いっそ泊まってしまってはいかがでしょう!
実は「食事処 開花亭」の隣には「割烹旅館 西山」があり、西山に泊まった場合の夕食会場は、なんと開花亭なんですよ。
8,800円の梅プランで西山に宿泊すれば、まさに先ほどご紹介した桜えびづくし御膳が夕食として楽しめちゃいます。さらにグレードアップさせた竹プラン、松プランならば桜えびづくしに加えて駿河湾の海の幸満載!由比港に近いこの宿ならではの食事の豪華さが堪能できること間違いなし!
開花亭の桜えび料理は一年中食べられますが、水揚げしたての新鮮な桜えびを食べたかったらぜひ春と秋の旬の時期に訪れてみてください。
春の桜えびの特徴は、大きく育って食べごたえがあることです。干したりゆでたりする調理にも向いています。一方秋の桜えびはというと、夏に生まれたばかりで、(現地の言葉では「みるい」と表現するのですが)まだ殻も柔らかいので、トロットロの舌触りが楽しめるでしょう。これぞ生桜えびの醍醐味です。
例年、春の漁期は3月下旬〜6月初旬、秋の漁期は10月下旬〜12月下旬です。
なお、2016年の秋の桜えび漁は10月24日(月)に解禁となりますよ。
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(2024/3/29更新)
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