酪農の里で美味しいチーズ探し!千葉県いすみ市のチーズ工房を巡る

酪農の里で美味しいチーズ探し!千葉県いすみ市のチーズ工房を巡る

更新日:2016/10/19 10:04

野口 まさゆきのプロフィール写真 野口 まさゆき 里山フォトグラファー
千葉県は日本の酪農発祥の地で、生乳生産は全国第三位の酪農王国です。いすみ市にはチーズ工房が5軒もあり、小さな町にこれだけ集中しているのは全国的にも珍しいんですよ!本場のスイスやフランスの伝統的技術を取り入れ、テレビや雑誌でも注目度が高いんです。ワインやお酒のおつまみに、ピザやトーストの上に、お料理の素材にと親しまれているチーズ。
房総の里山の空気を吸いながら、お好みのチーズ探しに出かけましょう!

丘の上の緑に囲まれたチーズ工房「高秀牧場」

丘の上の緑に囲まれたチーズ工房「高秀牧場」

写真:野口 まさゆき

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いすみ市の北西部、いすみ鉄道の国吉駅から車で約10分。県道151号を北上し右折して丘を登ると「畜産団地」の看板があり、五つの牧場が広がっています。桜並木の間の道を過ぎると「高秀牧場」が見えてきます。

この牧場では「循環型酪農」を実践し、牛の排泄物から堆肥を作り、その堆肥を使って生産した飼料をまた牛に与える、というスタイルです。安全で栄養分の豊富な飼料づくりを心掛け、エサの自給率100%を目指しています。

放牧されていた牛が牛舎に集まってきました。どの牛も皆、元気です!

チーズだけじゃない!ミルクやジェラートもあります。

チーズだけじゃない!ミルクやジェラートもあります。

写真:野口 まさゆき

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牧場の入り口には黒い建物のチーズ工房と、明るいクリーム色のミルク工房が並んでいます。チーズ工房では、フランスのオーベルニュ地方で修行してきた職人さんがチーズ作りに励んでいます。原料となる牛乳の味と鮮度はチーズの出来に大きく影響するため、チーズを仕込むその日の朝に搾った新鮮な牛乳を使用。

お買い物は明るい雰囲気のミルク工房の中で。各種チーズだけでなく、出来立てのミルクやジェラートも販売しています。そしてピザやコーヒーで食事もでき、牛舎が望めるテラス席がおススメです。きれいなトイレも完備していて、ゆっくりと寛げますよ!

チーズの種類はクリーミーなソフトタイプの「いすみの白い月」、セミハードのウォッシュタイプ「まきばの太陽」、そして「モッツアレラ」など5種類。店員さんの説明をじっくり聞いてお好みのチーズを選んでください。

東京からの移住家族が経営する「チーズ工房IKAGAWA」

東京からの移住家族が経営する「チーズ工房IKAGAWA」

写真:野口 まさゆき

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いすみ市の南西部、国吉駅から車で約5分の距離にあるのが「チーズ工房IKAGAWA」。南総広域農道を南下して道路沿いに工房の看板があり、そこを右折すると小さな駐車スペースがあります。坂道を上っていくとヤギの親子が出迎えてくれますよ。

いすみの里山にあこがれて移住してきたというご夫婦が2007年に工房をオープン。今は娘婿さんが後を継いで工房を背負っています。牧場は少し離れた場所にありますが、ジャージー牛2頭を無農薬・無化学肥料で育てた牧草を食べさせて育成しています。そんな元気で健康な牛からとれたミルクだからこそ、美味しいチーズができるんですね!

スイスの伝統技術を活かした「ムチュリ」がおススメ!

スイスの伝統技術を活かした「ムチュリ」がおススメ!

写真:野口 まさゆき

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こちらもチーズは5種類。本場スイスで勉強した技術を活かしながら、アルプスの谷の小さな村に伝わる製法で作る、そして日本で唯一という濃厚な味と香りの手作りチーズが「ムチュリ」です。カットしてのおつまみに、スライスしてトーストに、シチューやカレーにも最適です。

その他にも、ナチュラルな味のモッツアレラやクリームチーズ、焼いて食べるのが定番というカチョカバロなどなど。どれがよいか目移りしてしまいます。

テレビや雑誌で大人気!「フロマージュKOMAGATA」

テレビや雑誌で大人気!「フロマージュKOMAGATA」

写真:野口 まさゆき

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「フロマージュKOMAGATA」はいすみ市の東部、いすみ鉄道の西大原駅から徒歩圏内の田園風景の中にあります。5軒の中では一番の老舗で、遠くからもお客さんが来るというこの工房。元大手乳業会社の技術者だったオーナーが、日本の酪農家の発展のためにと2001年に工房を始めました。

日本の風土や牛乳に合ったチーズを作り続け、航空会社の国際線ファーストクラスの機内食で採用され、東京の50軒以上のレストランにもチーズを提供しています。オーナーさんの話を聞いているだけで、チーズ作りのことが少しづつ分かってくるようでとても勉強になります!

工房にあるチーズのお値段はどれもリーズナブル。ワインはもちろん日本酒にも合うという「ジャポニカ酒びたし」や「房総半島ブルーチーズ」がおススメです。

工房の裏の高台からは田園風景と遠くの太平洋が一望。いすみ鉄道の列車が走る風景を撮影に来るカメラマンも少なくありません。写真を撮るときはマナーに注意してくださいね。

東京から2時間のいすみ市で、心身ともにリフレッシュ!

ご紹介した工房の他にも「よじょえもんのチーズ工房」と「手作りチーズの醍醐屋」があります。それぞれが一生懸命に研究して独自の手作りのチーズを提供しています。いろいろな工房のお話を聞き、いろんなチーズを食べ比べてみることで、チーズ作りの奥深さが分かってきますよ。

東京からでも京葉道、千葉東金道路、圏央道を利用して車で約2時間。あるいはアウトドア派の人には、人気のローカル線いすみ鉄道とレンタサイクルを利用して工房を訪れるのも良いでしょう。「NPO法人いすみライフスタイル研究所」さんが便利なマップを作成しています。ネットからダウンロードして参考にしてください。

いすみ市にはチーズ工房以外にも、パン工房や自然食のカフェレストランが多くあります。里山の豊かな自然や風景を味わいながら、心身ともに健康的な一日を過ごしてみませんか!?

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/10/14 訪問

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