青森県には「戸」が地名となっている場所があります。中でも八戸市は有名ですが、他にも数字との組み合わせで三戸、五戸、六戸があり、そして今回の七戸（しちのへ）には城があったのです。
昭和１６年に国の史跡として指定されていますが、その歴史はどれだけ遡れるのか分かっていない部分が多いと言われます。
それでも、八戸根城の城主であった南部師行の弟である南部政長が建武２年（１３３５年）に七戸領としてこの辺りを与えられたと伝えられていたことから、時代は南北朝時代ではないかと考えられてきました。
ところが平成３年の現地調査により、南部政光による築城と考えられるようになります。南部政光は文永２年（１２６５年）に没していることから、歴史は更に遡ることとなったのです。南北朝時代よりも遡る鎌倉期から明治６年（１８７３年）に廃城となるまで、長い間続いたことになります。
なお、さらなる説には建久２年（１１９１年）、他には正治元年（１１９９年）に南部光行の四男、七戸太郎三郎朝清が七戸領主となったとも。
七戸城跡には他の地域でよく見られるような再建された天守閣はありません。しかしながら広い敷地内では見どころが多くあります。復元された門もあり、ここから入ると見事な紅葉を楽しむことが出来ますので、色々と散策してみましょう。
七戸城跡は柏葉公園として、誰でも自由に利用することが出来ます。公園に行くには東門から向かって左側。伝説の残る姫塚方向に進みましょう。姫塚はその昔、城主の姫が下級武士と恋仲となりましたが、殿さまに知られ武士は殺されました。悲しんだ姫は武士の後を追ったというのです。
坂を上って行くと、そこは子供の遊具もある柏葉公園となります。また、本丸跡に建っているのが七戸神明宮となりますが、この辺りでも秋の色づきを楽しむことが出来ますので、のんびり散策してみましょう。なお、七戸神明宮の近くに七戸城跡の碑が立っています。
＜基本情報＞
住所：青森県上北郡七戸町七戸
電話番号：0176-62-9702
アクセス：JR七戸十和田駅から車で約10分
JR七戸十和田駅[南口]から徒歩約43分
桜の沿道を進んだ突き当たりに曹洞宗の祥雲山瑞龍寺があります。創建は永禄元年（１５５８年）と伝えられる歴史あるお寺です。瑞龍寺の山門とイチョウの組み合わせはとても美しく、絶好の撮影スポット。うまくいけば山門の後ろのイチョウが、まるで御光のように見えることでしょう。
せっかくですので瑞龍寺の境内に入ってみましょう。流れる川の向こうに見えるお堂。秋の色と合わせて、日本の美しさを感じてみて下さい。
撮影は自由ですが、場所はお寺ですので節度ある行動を心がけましょう。
＜基本情報＞
住所：青森県上北郡七戸町後川原
電話番号：0176-62-2040
アクセス：JR七戸十和田駅から車で約10分
JR七戸十和田駅[南口]から徒歩約49分
大銀南木は「おおいちょうのき」と読まれています。１９５６年に青森県指定天然記念物に指定されたこの木には、一つの伝承が残されています。臨済宗の僧侶「法身性西」（１１８９年～１２７３年）の手植えというもので、宗に渡って修行をした名僧と伝えられています。
銀杏はもともと中国大陸から持ち込まれたものですが、あちらで巨木を見ることは極めて困難な状況です。
イチョウの高さは約２６ｍ、幹回りは約１２ｍあり、その堂々とした姿は感動さえ覚えるのではないでしょうか。七戸町の木にも指定されている大イチョウ。上も下も黄金色となるこの場所で、深まる秋を楽しんで下さい。
＜基本情報＞
住所：青森県上北郡七戸町字銀南木
電話番号：0176-62-2137（青森県七戸町商工観光課）
アクセス：JR七戸十和田駅から車で約15分
今回ご紹介した他にも見どころはたくさん。１３９６年建立の小田子不動堂、有形文化財である旧七戸郵便局（昭和３年竣工）など。秋の一日を青森県七戸町で美しい自然とともに観光してみてはいかがでしょうか。
また、青森県は八甲田を中心とした日本有数の紅葉の名所地。見どころを選んでいますので、ぜひ、下記の関連MEMOをご覧ください。
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(2024/4/20更新)
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