川沿いの木組みの素敵な町・ドイツ「ゼーリゲンシュタット」

川沿いの木組みの素敵な町・ドイツ「ゼーリゲンシュタット」

更新日:2016/10/19 14:48

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
ドイツには、木組みの家が建ち並ぶことで有名な町がたくさんありますが、マイン川に面した「ゼーリゲンシュタット」の町もそのうちの一つです。フランクフルトの南東方面約15キロメートルに位置し、マルクト広場を中心に、歴史的建造物や木組み建築が建ち並ぶ情緒たっぷりの石畳の路地が、縦横に延びています。カロリング朝時代にはすでに重要な都市となり、ドイツ木組みの家街道の9つのルートのうちの1つが通っています。

木組みのお家建ち並ぶマルクト広場

木組みのお家建ち並ぶマルクト広場

写真:Hiroko Oji

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ドイツ・フランクフルトの南東方面約15キロメートルに位置するゼーリゲンシュタット(Seligenstadt)へは、列車で行くことができます。白い円筒型の水道塔がそばにある鉄道駅から、まっすぐに延びるバンホフ通りを進み、5分ほどで六角形の石造りの塔に出ます。ここからが、旧市街の始まり。軒を並べる木組みの家と凝ったデザインの看板がぶら下がる通りをさらに進むと、町の中心地であるマルクト広場に到着します。9つもある木組み街道の一つのルート(ライン・マイン・オーデンヴァルト・ルート)上にあり、まさに木組みの宝庫です。

ゼーリゲンシュタットには、17世紀から18世紀にかけて建設された歴史的に重要な建造物や木組み建築が数多く残されており、中には保護文化財に指定されているものもあります。石畳で覆われた広場に面する建物は、3〜4階建ての、どっしりしていながらも可愛らしいお家ばかり。地上階にはレストランやベーカリーなどのショップが入り、人々の行き交う賑やかな広場です。12月には、中央にクリスマスツリーがたち、クリスマスマーケットの山小屋風の屋台が軒を並べ、さらに賑やかさがアップします

マルクト広場に面した装飾豊かな「アインハルトハウス」

マルクト広場に面した装飾豊かな「アインハルトハウス」

写真:Hiroko Oji

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マルクト広場に面した木組みのお家の中でも、特に目立つのは装飾豊かな出窓を持つ「アインハルトハウス」。1596年建造の、美しい組み合わせの木枠デザインと、落ち着いた色合いの木彫り彫刻がある梁や柱が目を惹きます。

他にも、広場に面した建物の一つ、1823年に建造された市庁舎は、木組み建築の内部にアーケードを持つ、当時としては他に類を見ない古典主義建築です。1539年製の 双頭の竜をモチーフとした紋章石と方形の塔は、解体された旧教区教会の付属でした。また、現在レストランが入っている旧鍛冶屋(マルクト13番地)や、7番地および10番地、乳鉢を持つ薬剤師の看板をぶら下げた古い薬局などなど、魅力ある木組みのお家が広場を一層華やかにしています。

石畳の両側に軒を並べる木組みたち

石畳の両側に軒を並べる木組みたち

写真:Hiroko Oji

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マルクト広場を中心に縦横に延びる石畳の両側にも、年代を感じさせる木組みが建ち並びます。中には、年を重ねた結果、波打つように歪んだ木枠の建物も健在しており、中では日常生活が営まれている様子が伝わってきます。

特にグローセ・マインガッセは、ゼーリゲンシュタットで最も重要な建造物である、聖マルケリヌスと聖ペテロの聖遺物を有するアインハルト・バシリカ聖堂が建つ前の通り。聖堂の隣には広大な敷地の修道院が並んでいます。三十年戦争が争われた地であり、人口が大幅に減少したため、修道院長が故郷のワロン地方から人々を呼び寄せ、ここに住まわせたという特殊な歴史的背景を持っているのです。

歴史的建造物の一つ「ロマニシェス・ハウス」

歴史的建造物の一つ「ロマニシェス・ハウス」

写真:Hiroko Oji

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マルクト広場から少し奥まったところに、「ロマニシェス・ハウス」があります。地階に大きなアーケード、上階に中間柱とアーチがある二重アーケードが設けられ、地味ながらも石造りのどっしりとした造り。木造の階段を使って上階へ上れるようになっています。1187年に代官所となり、翌年にはフリードリヒ・バルバロッサが主宰する諸侯会議の議場となった建物です。1984年に改修工事が行われ、今日でも文化行事の開催に利用されています。ハウスの前は石畳の中庭になっており、隅に苔の生えた石を組み合わせた泉や、年月の風化で摩耗した記念碑が設置されています。

川を隔てたらバイエルン州

川を隔てたらバイエルン州

写真:Hiroko Oji

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町の北東を流れるマイン川は、ヘッセン州とバイエルン州を分ける境界線でもあり、川を渡ればバイエルン州です。アインハルト・バシリカ聖堂の前の通りグローセ・マインガッセを川の方へ下って行くと、船着き場に出ることができます。ここから出るフェリーが、川を渡る人や車の生活の足となって、常に行き来しています

木組みばかりじゃない!足元のプレートも忘れずに

味のある建物が多いゼーリゲンシュタットの町。石畳の両側に建ち並ぶ木組みにばかり目を奪われがちですが、この町では、足元にもキラッと光るものがあるのです。それは、銀色に光る人物の名前や年月の彫り込まれたプレート。路地の所々で光っているので、プレートを探しながら歩くのも面白いかもしれません。

また、12世紀に建設され、15世紀には防衛施設として増強された4つの楼門と 6基の塔櫓があった町ですが、現存しているのは楼門の中ではシュタインハイマー門だけ、塔櫓は水道塔や火薬塔などの3基のみです。これらもランドマークとして町歩きを楽しんでくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/12/14 訪問

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