新潟県の中でも有数の豪雪地帯である十日町市竹所集落には魅力的な再生古民家が何軒も建ち並んでいます。手掛けたのはドイツ人の建築デザイナー、カール・ベンクスさん。もともとベンクスさんは自然豊かな環境を求めてスイスか南仏で暮らすことを夢見ていました。しかし縁あって訪れた竹所に、これこそが理想の場所だ!と惚れ込んで、今から20年以上前にこの地にやってきた方です。
イエローハウスは、そんなベンクスさんが手掛けた再生古民家のひとつ。オーナーは友人を招いてゆっくり過ごせる場所がほしいと、別荘としてこの家を買い取りました。
イエローハウスのオーナーは、当初から田舎に家を構えるなら地元の人たちと関わっていきたいと考えていたため、カリグラフィーと押し花教室を開催することで地域の人たちを交流を深めていきました。
ちょうどその頃、市外や県外から竹所を訪れる人が増えていました。来訪者のお目当てはカール・ベンクスさんの手掛けた古民家。ステキな再生古民家で暮らしたいという移住者が増えたことで、集落はメディアにも取り上げられ、注目を集めるようになっていたのです。しかし再生古民家はあくまで個人宅、やってきた人たちは家の外観だけを見て帰っていきます。せっかく来てくれた人たちに家の中を見てもらったり、おもてなしするためにはどうしたらいいのか?そこでオーナーは、緑美しい季節の間だけオープンガーデンを始めました。
こうして徐々にイエローハウスを訪ねてくる人が増え、それならばと区長さんをはじめとする地元の人たちも協力してくれることになり、2015年にカフェをオープンさせました。
カフェのテーマは「おとぎの国」。もとは一般住宅として建てられているため、誰かの家を訪ねてきたかのようにくつろげる雰囲気でありながら、まるで海外のおとぎ話に登場する可愛らしい家に招かれたような感覚を味わえます。
カフェのメニューに使われている食材は、地元産、国産にこだわっています。たとえばケーキはその時々で提供されるものが変わりますが、県産の雪下にんじんを使ったキャロットケーキや、米粉使用のシフォンケーキなどを提供しています。もちろん唯一の食事メニューであるカレーに使われている野菜も地元十日町のものを使用しています。
なおカレーとデザートは数量限定で、日によっては1時間ほどで完売ということもありますので、どうしても食べたい!という人は開店後すぐにカフェに行かれることをオススメします。
邸内は2階の一部にも席が、さらにその上には屋根裏部屋もあり、自由に見学できるようになっています。曲がった木材をそのまま使ったり、梁をむき出しにして構造を見せたり、古民家ならではの見どころがたっぷりとあります。
席もテラス、ダイニングテーブル、ソファといろいろなタイプが用意されているので、何度も訪ねてその時々の気分で、邸内のステキなビューポイントを楽しみながらゆっくり過ごしてみるのも良いかもしれませんね。
新潟県十日町市のカフェ「イエローハウス」は、北越急行ほくほく線まつだい駅から車で約20分のところにあります。カフェのある竹所集落は冬になると積雪4mという豪雪地帯なので、営業は5月から11月初旬まで(2016年は11月6日まで)となります。なお営業日は土曜日・日曜日のみで祝日はお休みですのでご注意ください。
竹所集落にはカール・ベンクスさんが手掛けた再生古民家が他にもいくつか建っています。さらに同市まつだい商店街にあるカールベンクスハウスは、古い旅館をリノベーションした建物で1階がカフェ&レストラン『澁い』となっているので、こちらもぜひチェックしてみてください!
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