写真:Mija Atsushi
地図を見る国内にいながらにして、まるで西洋の沿岸の街に来てしまったかのような優雅な景観を堪能できる「富山富岩運河環水公園」。富山駅から北に5分ほど歩いた場所にある“めぐる水”をイメージした公園です。
富山湾まで5.1kmに渡って流れる富岩運河の船溜まりを整備した公園で『カナルパーク』とも呼ばれ、オアシスのような空間が広がる憩いの場として親しまれています。日本の歴史公園100選に選定されているほか、第29回都市公園コンクール最高賞、国土交通大臣賞を受賞しており、それも納得の素晴らしい公園です。
写真:Mija Atsushi
地図を見る公園のほぼ中央部には、この富岩運河環水公園のシンボルとも言うべき天門橋があります。二つの展望台にはエレベーターも完備されており、最上部からは公園を一望できるだけでなく、雄大な立山連峰も見渡す事が可能。
また、この二つの展望塔間には、「運命の赤い糸」にちなんだ「赤い糸電話」が設置されています。糸の長さは58mもありますが、本気で愛の告白をするならそんなものは短いというもの??
さらに、夜間になるとこの天門橋はライトアップがされ、より幻想的な光景が広がる事となります。
写真:Mija Atsushi
地図を見るそして、この公園は“世界で最も美しいスターバックスがある”という事でも知られています。ガラス張りの開放的な店構え、天門橋の二つの塔、水景…。これらの要素が絶妙にマッチしており、日本離れしたような非常に洗練された光景が眼前に広がります。
ただ見惚れてしまうしかありません。何も知らない人に写真を見せて「これ日本のスタバだよ」と言ったら驚かれる事必至。
とは言え、やはりそんな口コミもあってか、店内は常に大勢の客で賑わっていますので、席の確保もまた難しいところがあるのが難点。しかし、運河の周囲を散策しながらコーヒーを楽しむのも悪くはないでしょう。
写真:Mija Atsushi
地図を見るこのように圧倒的な美しさを誇る環水公園ですが、この公園が誕生するまでには、実に多くの苦難を乗り越えてきた歴史があります。簡単にではありますが、要点をまとめると……。
1.富山市には神通川という一級河川が流れていますが、元々この神通川は、富山城のすぐ北側から現在の富山駅の東側を回り込むように流れており(現在の松川が旧神通川となっている)、たびたび氾濫して甚大な被害をもたらした。
2.仮の水路を作り、洪水の力でその水路の土砂を削って新しい河道を造るという馳越(はせこし)工法により、現在の直線的な神通川の河道が形成。
3.しかし、旧河道が富山市街地を分断する形で残ってしまったため、富岩運河を新設し、その際に掘った土砂を利用して旧神通川の跡地を埋め立てて、新市街地を整備。
4.やがて運河としての役割を終えた後も、「とやま都市MIRAI地区」として富山駅北側が再整備され、富岩運河も都市の貴重な水辺空間として、現在の形になる。
と、このようにして富山富岩運河環水公園は誕生したのです。優雅なこの光景も、元々は災害多発の過酷な地形から発展を繰り返して形成されていったもの。そうした背景もあってこそ、この環水公園は“単純に美しい”を超えて、よりしみじみとした印象を残してくれる力があるのでしょう。
写真:Mija Atsushi
地図を見る富山の魅力は当然ながらこの公園だけではありません。
この公園を目的に富山まで移動するのも気が引けるとお思い方もいらっしゃるかと思いますが、富山には他にも立山連峰と富山湾を一望できる絶景ポイントの氷見市、立山黒部アルペンルート、黒部峡谷・宇奈月温泉と観光名所も多く存在しています。
また富山名物『白エビ』を始めとした海の幸が嬉しい“ご飯の美味しい県”としても知られています。それらと一緒に楽しんでみると、より一層思い出深いものとなる事でしょう。
北陸新幹線も開通した今、富山は日帰りでの移動も可能となるほど近い所となりました。前述した通り、富山には他にも魅力的な観光地が多数あり、また金沢もそう遠くない位置にありますので、これらとあわせて訪れてみるのも十分可能です。
そうした北陸観光の旅程に組み込んでみる価値は十分にあります。富山駅からそれほど離れた場所にない事も魅力の一つと言えるでしょう。
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(2024/4/20更新)
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