妙心寺(みょうしんじ)は、京都市右京区花園にある臨済宗妙心寺派大本山の寺院で、山号を正法山と称します。本尊は釈迦如来、開基(創立者)は花園天皇で、日本にある臨済宗寺院約6000のお寺のうち、約3500のお寺を妙心寺派で占めています。
境内は、南から三門、仏殿、法堂と重文の伽藍が一直線に、その周囲に46ものの塔頭が並び、大灯国師墨跡(国宝)をはじめ、仏像、絵画、障壁画、庭園など多くの文化財を所蔵し、梵鐘(国宝)は最古の銘を持ちます。
JR嵯峨野線(山陰線)で京都駅から約12分の4駅目の花園駅下車、駅前の丸太町通りを北東方向に進み、最初の信号を北に上がり、約10分ほどで妙心寺の南総門に着きます。広い境内は、直線距離で南北に約600m、東西に約400mほどあります。その中に、伽藍と多数の塔頭が建ち並んでいます。
大法院は、南総門から入ると、三門前を通り、退蔵院入り口前の道路を北に約300mほど進んで、大庫裡横を、100mほど西に向かった境内西端に位置します。北総門から入っても同じ程度の距離に位置します。
真田信之の死から4年後の寛文2年(1662年)に孫娘の長姫(おさひめ)が、彼の遺命により京都に菩提寺を建立します。それがこの大法院です。寺名は真田信之の法名「大法院殿徹岩一明大居士」に因んでいます。方丈の襖絵には、「叭叭鳥図」(ははちょうず)が描かれていて、「長空鳥任飛」すなわち、自らの心境に思うがまま自由自在の有様、を表現したものと伝えられています。
また、真田家が信州松代藩で幕末まで生き延びた歴史が、この大法院に刻まれています。
大法院は、毎年春と秋にだけ特別公開されます。「露地」とは茶室に付随するお庭のことで、大法院には客殿を囲むように配された「露地庭園」があり、清浄世界を表した幽玄の趣をかもしだす演出となっています。
大法院の風景は、見る者に何か禅の心、わびさびの世界を感じさせてくれます。
且座喫茶とは、禅の言葉で「まあ、座ってお茶でも一服召し上がれ」という意味。大法院の特別公開の期間拝観には、お抹茶とお菓子がついてきます。 客殿でいただくお抹茶とお菓子でほっと一息つき、真田家の歴史を振り返りながら、錦秋の露地庭園の紅葉を眺めれば、きっと心穏やかになることでしょう。
大法院の墓地には、幕末に吉田松陰や西郷隆盛など多くの志士に影響を与えた佐久間象山のお墓、真田家一門のお墓があります。大法院に佐久間象山の墓があるのは、彼が信州松代藩士だったからです。
その墓所への通路は、客殿前に作られていて、その通路の紅葉も見事です。
妙心寺内の多数ある寺院の中で、常に公開されているのは「桂春院」「退蔵院」「大心院」などがあります。ただ、いつもは公開されていない非公開寺院の「東林院」、「玉鳳院」、「隣華院」、「大法院」など、春秋の特別展や京の冬の旅などの特別公開公開されることがあります。
また、石庭で有名な龍安寺は、境外塔頭として、山内塔頭と同様の扱いを受けています。龍安寺は、妙心寺の北総門から外に出て、嵐電龍安寺駅、龍安寺商店街を通り、徒歩約10分ほどで行くことができます。
錦秋の古都の一日を、この妙心寺界隈で過ごしてみませんか?
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