白き廃墟の洞窟都市 世界遺産イタリア「マテーラ」の歴史を歩く旅

白き廃墟の洞窟都市 世界遺産イタリア「マテーラ」の歴史を歩く旅

更新日:2016/10/17 18:52

藤 華酉のプロフィール写真 藤 華酉
渓谷にしがみつくように形成された岩窟都市「マテーラ」は、イタリアの世界遺産にも選ばれている観光地です。半ば廃墟となった洞窟も多く、昼でも町が死に絶えているような独特の雰囲気は、他では味わえないもの。廃墟の岩窟都市、そして見た目とは裏腹の快適で美味しい洞窟ホテル&洞窟レストランを満喫出来る、歴史の旅はいかがでしょうか。

マテーラの洞窟とは?

マテーラの洞窟とは?

写真:藤 華酉

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マテーラは南イタリア、バジリカータ州(イタリアの踵の部分)にあります。渓谷には洞窟が多く、また掘りやすい材質の岩である事から、先史時代から人間が住んでいたとの記録も発掘されています。

洞窟住居のサッシ(Sassi)が密集するマテーラの旧市街は、廃墟のような独特の雰囲気。実際、長らく住人が追放されていた時代があった為、現代でも持ち主不明・廃墟となっている住居が少なくありません。しかし、1993年にマテーラのサッシが世界遺産に登録されて町は生まれ変わり、現在は観光地としての人気を集めています。

マテーラの旧市街を歩く

マテーラの旧市街を歩く

写真:藤 華酉

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マテーラ旧市街は徒歩で充分観光が可能な場所です。迷路のような旧市街は昼間でも狭い路地に人気がまばらで、白昼夢のような雰囲気が楽しめます。見所は、町のどこからでも見上げる事の出来る「大聖堂(ドゥオーモ)」や、眺望の素晴らしい「Sant’Agostino教会」。眺めが素晴らしいなかりではなく、内部も繊細な石の彫刻や細工を存分に味わう事が出来ます。

歴史に興味のある方には、最新式の映像でマテーラの歴史を体感できる博物館、「Casa Noha」や、マテーラで発掘された史跡を展示する「ドメニコ・リドーラ」博物館も見応えがあります。小さな教会や博物館は旧市街中に点在しており、歩いているだけでも楽しい町だと言えます。

歴史に彩られた荒野へ

歴史に彩られた荒野へ

写真:藤 華酉

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マテーラの東部に広がる渓谷と荒野も見所の宝庫です。写真に写る洞窟の殆どは、内部に壁画や彫刻が施された岩窟教会。現存する150を超える岩窟教会は、中世初期から後期に造られ、一見の価値がある壁画で溢れています。また、「villaggio saraceno」と呼ばれる洞窟郡を訪れれば、今も古代の人々の暮らしを色濃く読み取る事が出来ます。

とは言え、これらの荒野は自動車では到底訪れる事が出来ない場所。マテーラはハイキングやトレッキングを愛する人にも最適の観光地です。

泊まって楽しむSassi!

泊まって楽しむSassi!

写真:藤 華酉

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洞窟住居の多くは、ホテルやレストランとして生まれ変わっています。「洞窟」と言う名前のイメージとは裏腹に、その中身はモダンで快適です。意外にも?夏涼しく、冬暖かい洞窟は、古くから人類が暮らしていたと言うのも納得の環境。

旧市街と新市街の境目にあるホテル「La Cisterna Holiday Home」は、閉鎖された教会の地下という雰囲気のある立地です。今はオシャレに改装された部屋も、かつては900年以上前から教会の僧侶が暮らしていたとの事。壁画が描かれていたと思しいくぼみや、発掘されたオーナメントなど、歴史好きな方にはワクワクしてしまう仕掛けが一杯です。

マテーラの行き方

マテーラの行き方

写真:藤 華酉

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マテーラへは、ローマから直通バスで約6時間、ナポリからは3時間程度です。バーリからは私鉄を使い、列車でのアクセスも可能です。アクセスに恵まれていない南イタリアの中では比較的簡単に訪れる事が出来る観光地だと言えます。ただし、バス停、列車駅共に旧市街からはやや距離がありますので、予めホテルに依頼するなどして移動手段を確保しておいた方が無難です。

マテーラは、橙色の街頭に彩られた夜景も美しい町。ワインの名産地で、自慢の郷土料理は水牛から作られた絶品のモッツァレラチーズやオリーブが豊富に使われており、外れなしです。だと言うのに殆どのレストランは8時〜9時頃からの開店ですから、ゆっくり宿泊して、夜景と料理を楽しんでも損はありません。

おわりに

世界遺産の町、マテーラは、独特の魅力あふれる洞窟住居や教会、自然に恵まれた見所たっぷりの観光地です。洞窟住居を改良したホテルに泊まり、南イタリアの美味を味わえば、五感で満足する事間違い無し。昔ながらの景観が色濃く残る旧市街をゆっくりと歩いて、歴史を満喫する旅はいかがでしょう。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/18−2016/09/20 訪問

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