写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見るブルガリアでは、近年、考古学の発掘調査が進み、黄金文明を築いたトラキア人たちの遺跡が至る所で発見されています。その発掘品の中でも、特に貴重なものを展示しているのが、ソフィアにある国立考古学研究所付属博物館と国立歴史博物館です。
中心部にある国立考古学研究所付属博物館は、1494年に建立されたモスクを博物館として利用しているため、モスク特有の円形の丸屋根を目印としていくといいでしょう。向かいには大統領官邸があり、1時間に1回、衛兵交代式も行われているので博物館の見学と一緒に観光するのもおススメです。
※衛兵交代式は朝10時から1時間ごと
写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見る国立考古学研究所付属博物館は2階からなり、1階部分はローマ時代の遺跡などが展示してあります。注目すべきは2階にある宝物館。ブルガリア全土から見つかった世界最古ともいわれている金細工の多くは、この博物館で見ることができます。また、トラキア人の遺産が多く発見されるカザンラクの遺跡で発見された、黄金の出土品も多く展示してあります。
中でも見逃せないのが20世紀最大の発見と言われている「トラキア王の黄金のマスク」。エジプトのツタンカーメン王のマスク以来の発見と騒がれた約700gもある黄金のマスクは、世界中で見つかったマスクの中で一番重いと言われています。
ひげや目、鼻のほか細かいシワまで緻密に作られたマスクは、当時の王の顔をリアルに感じられるはず。何千年も前に作られたとは思えないほどのきらびやかなマスクは必見です!
写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見る黄金のマスク以外にも2階の宝物館には、トラキア人たちが作ったさまざまな金細工が展示されています。古代ギリシャの詩人も「トラキア王は兜や鎧、馬車までも金銀で装飾され、輝くばかり」とうたうほど、黄金文明を築いた民族でした。
一目で王冠や腕輪などとわかるものから写真のようにちょっと変わった金細工も。この写真の金細工はコップです。ワイン好きのトラキア人たちは日常的にワインを飲んでいましたが、ワインのみで飲むだけでなく、ミルクやはちみつを混ぜて飲むこともありました。この容器は、それぞれにワイン、ミルク、はちみつを同時に入れて混ぜ合わせ、真ん中のパイプで飲むための器なんです。
写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見るソフィア市内から気軽にいける「ヴィトシャ山」の麓にあるのが国立歴史博物館です。近くには世界遺産に登録されたボヤナ教会もあるのでぜひ一緒に訪れてほしい博物館。
紀元前から現在までのブルガリアの歴史を知ることができるほか、2万点を超える展示品はブルガリア最大!さらに、トラキア人たちが愛した金細工も多く見ることができます。
写真はブルガリア南部のパナギュリシュテという街で見つかった、パナギュリシュテ遺宝。真ん中の丸いものはフィアレで、祭祀などでで使われた奉納品です。両端にあるのはリュトンで、羊や鹿などの頭部をかたどった酒杯。この酒杯も飲み方が独特で上から飲むのではなく、動物の口の部分にあけた穴から飲みます。よく見ると小さい穴が開いているので、気を付けてみてみてください。
写真:浮き草 ゆきんこ
地図を見る世界最古の金細工が数多く見つかっているブルガリアでは、次代を超えて埋葬者とともに見つかった金もあります。トラキア人に限らず、古代人は故人が愛したものなどをきらびやかに着飾って埋葬しました。さらに、胸や首、腕など、体の中で重要と思われていた箇所を金で隠すように埋葬したのです。
黄金の腕輪や金のネックレス、金の杖など、骨の周りにはいくつもの金細工が見つかり、博物館では発見当時そのままの状態で展示されています。
古代のきらびやかな装飾品や精巧な加工技術というとエジプトを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、ブルガリア全土で見つかったトラキア人たちの金細工のほうがはるかに古いのです。
そんな貴重な金細工をレプリカでもなく本物で、かつかなり近くで見ることができるのはソフィアにある博物館だけ。特に今回紹介した黄金のマスクは必見です!
実際に出土された墳墓にいってもレプリカなどで本物の金細工を見ることができません。国立歴史博物館と国立考古学研究所付属博物館で本物を見てから、墳墓に行くことをおススメします。
- PR -
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/4/26更新)
- 広告 -