写真:高野 祥
地図を見る正暦寺があるのは奈良市なのですが、奈良公園や東大寺などがある観光の中心部ではなく、奈良市の中でも南側、天理市寄りの山あいに位置し、境内は高低差のある地形となっています。敷地はさほど広くありませんが、本堂までの道沿いに流れる菩提仙川のせせらぎに癒されたり、森林浴を楽しんだりできます。
また、正暦寺は清酒発祥の地とも言われています。境内に流れている清流・菩提仙川の水で仕込まれたであろう酒母造りは室町時代からの歴史があり、近代醸造法の基礎となる酒造技術が確立されました。
大正時代には姿を消したとされていますが、「奈良県菩提酛による清酒製造研究会」に属する蔵元や正暦寺関係者の皆さんが復活させ、現在は毎年1月に仕込みを行った酒母を奈良県内の蔵元数軒がそれぞれ持ち帰り、醸造して瓶詰めされたものを福寿院にて販売されています。紅葉シーズンにあわせて清酒の試飲もされているので、お酒好きな人、特に日本酒好きな人は必見!
写真:高野 祥
地図を見る上り坂になっている境内の道を奥まで進んで行くと、81段もある長い石段が見えてきます。これは、観世音菩薩の誓願の数にちなんだ33段と、阿弥陀如来の誓願の数にちなんだ48段を合わせた数となっており、登りきることで観世音菩薩と阿弥陀如来のご加護を受けられるとされています。
その石段を登りきると正面に見えてくる本堂は、毎年11月初旬〜12月初旬まで、国指定重要文化財である「本尊薬師如来倚像」が特別公開されています。毎年日程は前後しますが、2016年は11月3日(木)〜12月4日(日)まで。紅葉と合わせて拝観してみても良いでしょう。
写真:高野 祥
地図を見る正暦寺は紅葉の名所でもあります。お寺を取り囲む山内には3000本を超える楓が立ち並んでおり、11月上旬〜12月上旬になると紅葉の見頃を迎えます。景色は、一面真っ赤に色づく絶景!といった感じではないのですが、緑の木々や銀杏の黄色などが相まって錦の色に見えることから、古来から"錦の里"とも呼ばれており、派手さは少ないながらも、秋の色付きを楽しめるでしょう。
紅葉シーズンに限り、奈良交通の臨時バスがJR奈良駅・近鉄奈良駅から運行されています。MEMO欄にリンクを記載していますので、バスでのアクセスをお考えの方は要チェック!車で行く場合は、麓から正暦寺までの山道は比較的細めなので注意が必要です。紅葉シーズン中の週末は混雑が予想され、警備のスタッフさんが交通整理をし、登りと下りの車を交互に行き来させることもあり、駐車場へ着くまでの待ち時間が少し長くなることもあるので、少し早めに行動する事を心がけると良いでしょう。また、普段は駐車料金無料ですが、紅葉シーズンは500円必要となります。
写真:高野 祥
地図を見る本堂へと続く道を進んで行くと右手に見えてくる福寿院は、上壇の間を持つ数寄屋風客殿建築となっており、国の重要文化財に指定されているのが特徴。県指定重要文化財の孔雀明王像、京狩野3代目・狩野永納筆の襖絵・欄間の絵や護摩堂などを拝観することができます。
紅葉の時期に一番みどころとなるのが借景庭園!庭自体は小ぶりですが、正暦寺西側の山に色付く木々の借景を楽しむ事ができます。この景色を目当てに来られる方々が多いので、早い時間帯に行くと、縁側でまったりしながら紅葉を観賞できるのでオススメ。正暦寺の境内に入るのは無料ですが、福寿院客殿は拝観料として大人500円・子供200円が必要です。
清酒発祥の地と言われている、歴史ある正暦寺は紅葉時期に訪れるのがオススメ。その期間中、正暦寺参籠所では完全予約制となりますが精進料理の提供もされています。正暦寺自体が山の中に位置しており、周辺にあまり飲食店がないので、お昼時に合わせて行くのも良いでしょう。
紅葉シーズン以外は、どちらかというと静かなスポットですが、日本酒のルーツに想いを馳せながら拝観してみてはいかがでしょうか。
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(2024/4/26更新)
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