島根・津和野の宝石箱!覚皇山・永明寺「寺宝館」ルソンの壺や森鴎外ゆかりの品も

島根・津和野の宝石箱!覚皇山・永明寺「寺宝館」ルソンの壺や森鴎外ゆかりの品も

更新日:2016/11/09 09:50

本格的な池泉鑑賞式庭園や総茅葺きの本堂を有する島根県・津和野町の覚皇山・永明寺。約600年もの歴史を持つ曹洞宗の寺院で、数多くの寺宝が所蔵されています。「寺宝館」では、恵心僧都源信の“大日如来厨子入坐像”や秋月の“文殊普賢画像”を始め、ルソンの壺や津和野出身の文豪・森鴎外、劇作家・中村吉蔵ゆかりの品などが展示。曹洞宗の開祖・道元の筆跡なども鑑賞できる覚皇山・永明寺の「寺宝館」を御紹介致します。

覚皇山・永明寺の総茅葺きの本堂と金木犀に本格的な池泉鑑賞式庭園

覚皇山・永明寺の総茅葺きの本堂と金木犀に本格的な池泉鑑賞式庭園
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覚皇山(かくおうざん)・永明寺(ようめいじ)は、1420年(応永27年)に津和野城主・吉見頼弘(よしみ よりひろ、生年不詳〜1446年)が、月因性初(げついん しょうしょ、生年不詳〜1433年)禅師に願い出て開山。

現在の本堂は1749年(享保14年)の火災の後に再建されたもので、総茅葺きとなっています。前庭には、金木犀が植えられ、背後の山並みと共に美しい景観が望めます。

また本堂、書院にある池を中心とし室内から堪能できる池泉鑑賞式の庭園も有名です。四季折々の色彩を味わえる本格的な庭園も、じっくりと御覧下さい。

覚皇山・永明寺と「寺宝館」へのアクセス

覚皇山・永明寺と「寺宝館」へのアクセス
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山口線・津和野駅から南西に位置する深い木々に囲まれた坂道にあるのが覚皇山・永明寺。徒歩で約10分とアクセスしやすい立地となっています。

歴代の津和野城主の菩提寺として、島根県西部を称する“石見国(いわみのくに)”、“石州(せきしゅう)”の地において70以上もの末寺を抱え、曹洞宗の石州本山とも呼ばれました。

約600年の歴史を持つ永明寺には、本堂の奥に「寺宝館」も併設されています。歴代の永明寺の住職や津和野城主ゆかりの品々を始め、仏像や仏画、織物に壺と様々な展示がなされています。

森鴎外、中村吉蔵のゆかりの品々や十六羅漢画像など。

森鴎外、中村吉蔵のゆかりの品々や十六羅漢画像など。
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永明寺の墓所には、津和野出身の文豪・森鴎外(もり おうがい、1862年〜1922年)や劇作家・中村吉蔵(なかむら きちぞう、1877年〜1941年)の墓もあります。そのため二人にゆかりのある展示品も「寺宝館」に並べてあります。

数多く所蔵していた寺宝の公開の場をと、1982年(昭和57年)に開館されたのが「寺宝館」。天台宗の学僧、恵心僧都(えしんそうず)・源信(げんしん、942年〜1017年)の「大日如来厨子入坐像」や兆殿司(ちょうでんす)とも呼ばれた学僧・明兆(みんちょう、1352年〜1341年)の「涅槃像」を始め、月因性初禅師の袈裟と数珠など見応えある品々が展示されています。

雪舟に学んだ秋月等観の「文殊普賢画像」や「ルソンの壺」

雪舟に学んだ秋月等観の「文殊普賢画像」や「ルソンの壺」
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室町時代の画僧・秋月等観(しゅうげつ とうかん、生没年不詳)の「文殊普賢画像」も展示されています。秋月等観は、日本水墨画に大成者と称される雪舟等楊(せっしゅう とうよう、1420年〜1560年)に弟子入りしたと伝わっています。

しかも、師に劣らず見事な作品を残し、秋月の署名や印の無いものは、雪舟の作品と見間違う程と言われています。

また右下に置かれているのが「ルソンの壺」。ルソンはフィリピン諸島にある島の名前です。1592年に亀井茲矩(かめい これのり、1557年〜1612年)が、南洋貿易に従事していた時に手に入れたもの。「永明寺」では茶壺として使用していました。

占城の織物や歴代の津和野城主や永明寺の住職の系図

占城の織物や歴代の津和野城主や永明寺の住職の系図
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ベトナム南部に2世紀末から17世紀末まであった国、占城(せんじょう、チャンパ)から船で運ばれてきた織物も飾られています。日本に入ってきた3点の内の1つです。

また歴代の津和野城主や永明寺の住職の名前が系図となって掲げられているので、その長大な歴史を垣間見ることも出来ます。

その他にも、亀井家の3代目の藩主で、“文化大名”とも称される亀井茲親(かめい これちか、1669年〜1731年)の筆による「寿老神画」などもあります。それぞれに解説も添えられていますので、そちらを参考に楽しんでみて下さい。

島根県鹿足郡津和野町にある覚皇山・永明寺の「寺宝館」のまとめ

「寺宝館」では、各種の貴重な仏画や仏像を始め、津和野城主にゆかりのある焼き物なども味わえます。また永明寺の本堂や書院、大講堂などにある襖絵や書なども見応えがあるので、四季折々の景観を楽しめる庭園と共に楽しんでみて下さい。

その他、永明寺の周辺には、津和野の歴史を辿ることが出来る「郷土館」や「森鴎外記念館」などもありますので、そちらも併せて訪ねてみてはいかがでしょうか。下部関連MEMOには、詳しい紹介記事へのリンクもありますので、宜しければ御確認下さい。

以上、島根県・津和野町の覚皇山・永明寺にある「寺宝館」の御紹介でした。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/26 訪問

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