栃木県で最大の巨木・逆杉〜塩原温泉郷に立つ御神木

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栃木県で最大の巨木・逆杉〜塩原温泉郷に立つ御神木

栃木県で最大の巨木・逆杉〜塩原温泉郷に立つ御神木

更新日:2016/10/06 17:02

大木 幹郎のプロフィール写真 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

逆杉は栃木県で最大にして国指定天然記念物の巨木です。逆杉が立つ場所は、県内を代表する温泉地のひとつ、塩原温泉郷。この温泉地は、数多くの名瀑が流れ、紅葉の名所でもある塩原渓谷に抱かれた、美しい景観の山里にあります。水と緑と大地のエネルギーに満ち溢れ、千年以上の歴史を持つ温泉郷から、この地が特別な場所であることを体現した立姿、大迫力の巨木をご紹介します。

塩原温泉郷に立つ御神木・逆杉

写真:大木 幹郎

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栃木県で最大の巨木、逆杉(さかさすぎ)は、県内を代表する温泉地の塩原温泉郷にあります。温泉郷の古社、塩原八幡宮の御神木であり、根元が繋がった2本の大杉。1本で幹周り約11mもの巨体は大迫力の、威厳と神秘に満ちた立姿です。

塩原温泉郷は、栃木県の北西部に位置する那須塩原市の温泉地。箒川が削った塩原渓谷に沿って続く、11もの温泉地の総称で、1000年以上の歴史を持つといわれます。1つの地域に異なる泉質と効能の温泉が湧く、全国的にも珍しい地域で、ロケーションや効能で温泉を選ぶも良し、複数の温泉をハシゴするも良しです。

塩原温泉郷の魅力は、塩原渓谷の美しい景観にもあります。塩原渓谷は、紅葉の名所でもあり、渓流には大小多数の滝が流れ込み、遊歩道や、吊橋から、これら美しい景観を楽しむことができます(もみじ谷大吊橋、回顧の滝、竜化の滝、など)。

逆杉の立つ塩原八幡宮へのアクセスは、東北自動車道の西那須野塩原ICから約30分。会津鬼怒川線の上三依塩原温泉口駅から、路線バスの利用で約20分(最寄バス停・木の葉化石園入口)。

塩原温泉郷の詳細は、文末の関連MEMOのリンクをご参照ください。

塩原温泉郷の古社・塩原八幡宮

写真:大木 幹郎

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塩原八幡宮は、塩原温泉郷の温泉地の1つ、中塩原温泉の地域に鎮座しています。境内は大木に覆われ、山からの湧水が流れる、静謐な雰囲気。参道は、石鳥居から先、若水橋へと続き、本殿の前へ至ります。若水橋から左手には、湧水を溜めた美しい池、右手には、本殿の正面に立つ御神木の逆杉。

源氏一族に縁のある塩原八幡宮の由緒について少しお話を。
主祭神は、誉田別命(ホンダワケノミコト)。武神として、武家からの信仰の篤い神様で、源氏の守護神とされてきました。社伝によれば、創建は、平安時代の初期である大同2年(807)。康平元年(1058)になると、鎮守府将軍である源頼義と嫡子の義家(通称・八幡太郎)が、東征(前九年の役)の途中、戦勝祈願に立ち寄り、戦後に再興したといわれます。ちなみに、義家から5代目の河内源氏の棟梁が、鎌倉幕府を開いた源頼朝です。

本殿の向って左側に立つ摂社は有綱神社。ここに祀られているのは源有綱で、源義経の腹心であった武将です。中塩原の伝承によると、有綱は、義経が頼朝と対立した後、討伐軍に追われて、郎党と共にこの地に落ち延びましたが、やがて発見され自害し果てたといいます。

塩原八幡宮の近くには、源有綱が潜んでいたと伝えられる鍾乳洞の源三窟があり、内部は見学可能。源三窟の詳細は、文末の関連MEMOのリンクをご参照ください。

逆杉は栃木県で最大の巨木

写真:大木 幹郎

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逆杉は東西に並んだ2本の大杉で、東側が雌杉、西側が雄杉と呼ばれています。推定樹齢は1500年の古木にして、大きさは以下の通りの大迫力の巨木。古木のため、幹の先端や大枝の一部は欠損していますが、全体の威容は損なわれておらず、今なお樹勢は旺盛。それに立姿は、太く高く真っ直ぐな幹の端正なもの。

■雄杉:幹周約11m /樹高約32m(写真右)
■雌杉:幹周約7.5m/樹高約30m

雄杉が栃木県で最大の巨木となっていますが、雌杉も劣らぬ大きさ。これほどの巨木が2本並び立つ姿は圧巻です。

逆杉の伝承

写真:大木 幹郎

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逆杉の伝承について3つほどお話を。
最初に、逆杉という名前について。これは、地面に向って垂れた太い枝が多い姿に由来したといわれます。現在は、樹勢回復の措置で、雄杉の大枝の多くは切除されましたが、雌杉には、名前の由来となったような大枝が見られます。

次に縁結びのご利益。2本が並び立つ姿から、相生杉、夫婦杉とも呼ばれ、縁結びや夫婦円満のご利益があるといわれています。

3つめの伝承です。平安時代の末期、八幡太郎こと源義家が東征(前9年の役)の際、逆杉の神気に触発され、塩原八幡宮に戦勝を祈願したといわれます。推定樹齢は1500年なので、当時から既に大木であったのかもしれません。

逆杉は相生の巨木

写真:大木 幹郎

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写真の逆杉は、手前が雄杉、奥が雌杉で、社殿の建つ西側からの眺め。雄杉は大枝の多くが失われ、幹には樹勢回復の措置である大きな跡があります。この外観から、全盛期よりも、樹勢はかなり衰退しているはず。しかし、先端の梢は青々と繁り、治療の箇所以外の根元と幹は、血が通っているように逞しく、栃木県で最大の巨木は健在です。

雄杉が、今なお立派な姿で立ち続けているのは、自身の生命力と、根元に清水の流れる境内の恵まれた環境、そして治療の成果でしょう。他には、隣に立つ雌杉から、養分の補給があるのかもしれません。

同種類の木は、連理や癒着など、根や幹が合体することがあり、中には1本の木のようになることも。逆杉を見ると、雄杉と雌杉の根元は、連理している様子。1つに繋がった根からは、養分も共有されることでしょう。逆杉は、夫婦がお互いを助け合って生きている様を体現した巨木。そう見れば、縁結びのご利益も霊験あらたか。

塩原温泉郷で温泉と美しい自然に神秘の巨木を満喫

以上、栃木県で最大の巨木である逆杉のご紹介でした。根元が繋がって並び立つ2本の相生の大杉。一回り大きい雄杉が、幹周り約11mとして、県内最大の巨木となっていますが、隣の雌杉も雄杉に劣らぬ大きさ。2本を東西に並ぶように眺めれば、更に威容の増す大迫力の立姿です。県内を代表する温泉郷という大地のエネルギーに溢れた立地。そして、源氏の初期棟梁が神気を感じ再興したという由緒ある神社。逆杉は、この地が特別であることを体現しているかのような、神秘的な巨木です。

11もの温泉地がある塩原温泉郷へ湯治に訪れられる方。紅葉の名所であり名瀑も多い、美しい景観の塩原渓谷へ散策やハイキングに訪れられる方も。逆杉のある塩原八幡宮への参詣をお勧めいたします。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/15 訪問

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