教会に入って左側、手前の柱の中にある“ショパンの心臓”。再度書きますが、遺体はフランス、パリにあります。心臓があるのはポーランド、ワルシャワ。
ヨーロッパでは(聖職者や貴族など)一部の身分の高い人や著名人の遺体と心臓を別葬することがあったそうで、それを考えると決して不思議なことでもありません。ただ彼の場合、「密かに」というところが他と大きく違うところ。
祖国をこよなく愛しながらも、ロシアなど列強の支配下にあった祖国への帰国は叶わず。せめて心臓だけは祖国に埋葬してほしいというのが、ショパンの生前からの願いでした。彼の最期を看取った姉は、決死の覚悟で“ショパンの心臓”をドレスの下に隠して国境を越えたとか。
ショパンはその才能だけでなく、祖国愛の象徴としてポーランド人の誇りとなっています。柱に記されているマタイ伝のフレーズからもそのことが伝わってきます。
1679〜1696年にかけて建設された聖十字架教会。大戦のときに大破したため、今の教会は再建されたものです。“ショパンの心臓”も大戦中に一時ナチスによって持ち出されたことがありますが、再建後、無事に元の場所に戻されました。
白を基調とした、厳かで美しい教会。入口を入ってすぐ後ろ、上の方にあるパイプオルガンも豪華です。
真っ白な壁と金色の祭壇のコントラストがとてもきれいです。小さな祭壇も左右に複数ありますが、やはり正面の主祭壇は別格。シャンデリアも豪華です。
ワルシャワの中心地にある「聖十字架教会」、正面入り口には十字架を背負ったキリスト像があります。遠くからは2つの尖塔、近くまできたら十字架を背負ったキリスト像を目印にするといいでしょう。
教会の近くには、ショパンがポーランドで最後に住んでいた家もあります。
2010年、ショパン生誕200年を記念して、ワルシャワのショパンにゆかりのある地に「ショパンのベンチ」なるものが設置されました。全部で15か所あり、もちろん聖十字架教会前にも!知らなければそのまま通り過ぎてしまいそうなベンチ。場所によって流れる曲も違うんですよ。ちなみにみつけたら再生ボタンを押してください。
“ショパンの心臓”があるポーランド、ワルシャワならではの粋なベンチ。座るのはちょっと気が引けそうですが、しっかり座っている方もいらっしゃいます。ショパンの名曲を聴きながらちょっとベンチで休憩なんて、ポーランドならではの贅沢ですよね(笑)。
“ショパンの心臓”が安置されていることで有名な「聖十字架教会」は、音楽ファン、ショパンファンに人気の教会です。ただ、その心臓がどういう経緯でここに別葬されることになったかを考えると、ファンならずとも心に響くものがあります。
“ショパンの心臓”がある「聖十字架教会」からスタート、ショパンゆかりの地めぐりはいかがですか?ワルシャワ市内には、夏の間、毎日曜日に開かれるショパン・コンサートが有名なワジェンキ公園もあります。ワルシャワから西に約60kmほどのところには「ショパンの生家」(ショパン博物館)もあるので、時間があれば是非そちらへも足を運んでください。
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(2024/4/25更新)
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