平成の大修復も完了!圧倒的スケール・京都「東本願寺」明治から平成の建築をたどる

平成の大修復も完了!圧倒的スケール・京都「東本願寺」明治から平成の建築をたどる

更新日:2016/11/28 09:25

古都の U助のプロフィール写真 古都の U助 ブロガー
平成28年春、東本願寺では修復が終った阿弥陀堂へ御本尊・阿弥陀如来立像をお戻しする「御本尊還座式」が執り行われました。素屋根と呼ばれる覆いが取れ、美しくそしてあまりにもスケールの大きな姿を現した東本願寺の見所を、美しい秋の門前の紅葉や、平成になってから新しく建てられた建築なども合わせてぜひご覧いただきたいポイントをご紹介します。

阿弥陀堂(左)と御影堂(右)

阿弥陀堂(左)と御影堂(右)

写真:古都の U助

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東本願寺は真宗大谷派の本山の通称で、正式名称は「真宗本廟」といいます。慶長7年(1602年)後陽成天皇の勅許を背景に徳川家康より現在地を寄進され、豊臣秀吉によって寄進され整備された本願寺(西本願寺)に対し、通称東本願寺と呼ばれるようになりました。

東本願寺の中心建築、御影堂は江戸時代は四度もの火災に遭い、そのたびに再建されています。現在の建築は明治28年に完成したもので、その規模は床面積としては奈良の東大寺をもしのぐ規模。平成16年3月から平成21年12月にかけて修復が行われました。

また御本尊・阿弥陀如来立像を安置する阿弥陀堂も修復工事が行われ、平成27年12月に無事完了。2016年3月31日には御本尊を修復を終えた阿弥陀堂へお戻しする「御本尊還座式」も執り行われました。

参拝接待所

参拝接待所

写真:古都の U助

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東本願寺の北部には昭和9年武田伍一博士の建築監修のもと、参拝者の休憩や礼金・志納・寄付等の受付窓口として建築された参拝接待所があります。

この参拝所からは高廊下と呼ばれる二階建ての連絡回廊があり、参拝者は参拝接待所で履物を脱いで高廊下を経由し、御影堂、阿弥陀堂へと向かうことも。

また東本願寺の境内ではこの参拝接待所の前などから、京都駅ビルや京都タワーを眺める事も可能です。巨大なお寺の境内と建築の前ではすぐ駅前であるにもかかわらず、京都駅が小さく見えるほどです。

参拝接待所地下部分

参拝接待所地下部分

写真:古都の U助

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東本願寺の参拝接待所は平成10年の蓮如上人五百回御遠忌の記念事業として、高松伸氏監修のもと改修、拡充がおこなわれました。

新しく整備された部分はわずかな導入部を除きその全容は地下空間に広がっています。見所としては東本願寺の歴史や修復の歩みなど様々な企画展示がされるギャラリーや、御遠忌や大きな法要に際し、舞楽台などで使用される高さ約4メートルもある美しい火焔太鼓、鼉太鼓(だだいこ)などがあります。

また、この地下空間の中には美しい円形の視聴覚ホールなどがあり、真宗の教えについての映像が流れ、誰でも無料で見学鑑賞することができます。この視聴覚ホールの天井部分には「日輪」、「月輪」と命名された地上からの採光面があり、地下を明るく照らしています。

四季折々に美しい

四季折々に美しい

写真:古都の U助

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京都駅北部、烏丸通に面する東本願寺の門前は、秋は桜や銀杏の紅葉も楽しめます。寺院では防災の観点から水分を多く含む銀杏の木が植えられることが多く、東本願寺でも阿弥陀堂門前や御影堂門の前で美しい銀杏並木が楽しめます。

東本願寺前には蓮の形を模した美しい噴水もあり、こちらも参拝接待所と同じく武田伍一博士によるものです。この噴水の周辺は、春の桜もあまりにも美しい場所として穴場となっています。

しんらん交流館

しんらん交流館

写真:古都の U助

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東本願寺から花屋町通りをはさみ北側には平成27年完成した「しんらん交流館」があります。こちらの館内の南側には東本願寺の白く美しいなまこ壁が見え、また中央の展示ギャラリーのスペースをはさみ、反対側の窓からは中庭の風景も楽しめます。

しんらん交流館では毎月の法話や公開講演会など様々なイベントが行われます。また、館内1階では写真展などの企画展示が行われるギャラリーや、仏教書だけでなく国内外の名作絵本が置かれている絵本コーナーも。
さらに京都ホテルオークラが手掛ける食事や喫茶メニューが楽しめるレストラン「オリゾンテ」も入店。気軽に休憩することができます。

その他に

京都駅からも近く秋は紅葉、冬の雪化粧、春は桜などが美しい東本願寺。修復が終わりあまりにもスケールの大きいお堂をぜひご覧下さい!

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/21−2016/10/11 訪問

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