写真:島塚 渓
地図を見る圓流院は大山寺の支院のひとつとして、江戸時代の初期に建立されました。ここが妖怪のお寺に変わったのは創建から200年以上経った平成21年(2009年)のこと。老朽化がはげしく一時は解体も検討されていた圓流院ですが、再建するにあたって院内に天井画を描くという計画が持ちあがります。これは江戸時代に院主をつとめた荅然(とうぜん・とうねん※)というお坊さんが、絵師として様々な作品を残していたことに由来します。
その荅然が記した「大山雑記」という書物のなかには、「しろきつね」や「天狗」といった変わった生き物が登場します。そんな大山が持つ不思議なパワーを表現するために描かれることとなったのが妖怪たち。「ゲゲゲの鬼太郎」などで知られている水木しげるが鳥取出身だったという縁もあり、この妖怪画を担当することになりました。その結果、完成した妖怪画の数は全部で108枚!境内に入って頭上を見ると圧巻の景色が広がっていますよ。
※「荅」は、正しくは口へんに荅です。
写真:島塚 渓
地図を見るこの天井画は拝観方法も変わっていて、もっとも見やすい体勢は仰向けになること。つまり圓流院では、境内で寝転ぶことが許されているんです!本堂に用意されている座布団を枕に、ごろんと寝転んで天井画を観察してみてください。目の前いっぱいに広がる妖怪たちの迫力に圧倒されるはずです!
そして天井画を堪能したあとは、お気に入りの妖怪を探しみるのも面白いかもしれません。みなさんも圓流院ならではのユニークな拝観方法で楽しんでみてくださいね。
写真:島塚 渓
地図を見る108枚の妖怪画のなかで、1枚だけ圓流院のために書き下ろされた作品があります。それが霊峰大山のシンボルともいわれる「からす天狗」をモチーフにした妖怪。大山では山を守る神さまとして古くから「からす天狗」が信仰されていました。圓流院を再建するにあたって、水木しげるさんは自ら絵筆をとってこのお寺のシンボルとなるよう「からす天狗」を描いたということです。
境内にはそのときの原画も飾られており、「からす天狗」の足元には水木しげる先生の直筆のサインが入っています。その勇壮な見た目から子どもたち人気“No1”の妖怪がこの「からす天狗」なんです。
写真:島塚 渓
地図を見る大山は地蔵信仰の盛んな場所です。辺りを歩いていると、いたるところで個性的なお地蔵様に出会うことができます。圓流院のご本尊も地蔵菩薩となっており、そのやさしい表情は見る人の心を安らげてくれます。圓流院のお地蔵様が一般的なものと違っているところは、非常にカラフルないでたちをしている点。金色をベースに赤や青などで染色されたきらびやかな姿をしています。
地蔵菩薩は1度地獄に落ちた人でも救いの手を差し伸べてくれる有り難い存在で、その見た目から今でも多くの人に愛されています。圓流院は妖怪天井だけではなく、ご本尊も注目ですよ!
大山は古くから信仰の篤い地域。今回紹介した圓流院をはじめ、大山には様々な神社仏閣が残されています。特に圓流院の本山となっている大山寺は約1300年の歴史を持つパワースポットです。下記の関連メモに詳しい情報を載せているので、ぜひご覧ください。
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(2024/3/28更新)
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