唯一完成した名城!「リンダーホーフ城」はドイツ・バイエルン王の残した宝物

唯一完成した名城!「リンダーホーフ城」はドイツ・バイエルン王の残した宝物

更新日:2016/10/11 16:59

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
ドイツの名城で有名なものにノイシュヴァンシュタイン城が挙げられますが、その城と共に、バイエルン王ルートヴィヒ2世が建設した3つの城のうち、唯一完成した城が「リンダーホーフ城」です。

美しい壁絵で知られるオーバーアマガウの町からバスで約30分。バイエルン州の山並みをバックに、広大な庭園の中にお城が建っています。館内の豪華な装飾や調度品と共に、像や施設が点在する庭園、幻想的な洞窟が見どころです。

ルートヴィッヒ2世が残した名城の一つ「リンダーホーフ城」

ルートヴィッヒ2世が残した名城の一つ「リンダーホーフ城」

写真:Hiroko Oji

地図を見る

ドイツの名城で知られるノイシュヴァンシュタイン城と、プリーン湖に浮かぶヘレンキームゼー城と共に、バイエルン王ルートヴィヒ2世が建設した3つの城に挙げられるのが、「リンダーホーフ城」です。3つのお城の中では唯一完成したお城で、周囲をバイエルン州の山並みで囲まれ、色とりどりの花や緑が溢れる広大な庭園の中に城館が建っています。

美しい壁絵で知られるオーバーアマガウからやってきたバスが到着するバス停そばに、民家風のチケット売り場があります。ここでチケットを購入したら、しばし庭園の中を進んでいきましょう。5分も歩けば城館の姿が現れます。

城館前には、中央に金色に輝くフローラ(ローマ神話に登場する花と豊穣と春の女神)と天使の像が置かれた噴水池があります。像の間から30メートルの高さまで水を噴き上げるのも見所です。この噴水池からヴィーナスの神殿までの間には、テラス状に設営された「ひな壇式庭園」がまた素晴らしい! イタリア風庭園から始まり、上に行くにしたがってフランス風庭園、英国式庭園と三種類の趣向を凝らした美しい庭園へと変化していき、一番上にはヴィーナスの神殿が設置されています。この神殿前に立つと、庭園から城館、その背後のカスケードや音楽のあずまや、さらには背後に控える山まで見渡すことができます。

絢爛豪華な館内はガイドツアーで見学

絢爛豪華な館内はガイドツアーで見学

写真:Hiroko Oji

地図を見る

城館内はガイドツアーのみでの見学なので、チケットに表示された時間までは、外観や、前の池の中に浮かぶように設置された黄金の像などを見ながら待機することになります。

フランスのルイ14世を崇拝していたルードヴィヒ2世によって、ヴェルサイユ宮殿内の大トリアノン宮殿を手本にして建てられたという城館。その正面は、装飾の素晴らしい柱が支えるファサードがとても美しく、バイエルン王国の栄光を讃える装飾が施され、上部には像がいくつも立ち並びます。

玄関ホールに入ると、中央に据えられたルイ14世の騎馬像が出迎えてくれます。天井には、ルイ14世の頭部と白い二人の天使像が金色の矢で囲まれる装飾がみられます。そこから奥の館内は、撮影禁止。それはそれは豪華な装飾と調度品が並び、目を瞠るばかりです。

壁や装飾用の羽目板が黄色に彩られ、彫刻や漆喰細工、刺繍を施した装飾物が銀色に縁取られている部屋、ゴブラン織りのように見える壁の絵画で牧歌的な田園風景をつくり、実物大の磁器の孔雀やピアノが置かれた部屋、玉座のような書斎机があり、背後にはバイエルンの紋章と天蓋のある壮麗な部屋の数々。その他にも、108本のロウソクが立つ中央の大きなシャンデリアに、大理石の彫刻や化粧漆喰、何枚もの大きな鏡でうめられる壁面・・・などなど、どの部屋も絢爛豪華な贅を尽くしたものばかりです。

手入れの行き届いた、色とりどりの花が溢れる庭園とカスケード

手入れの行き届いた、色とりどりの花が溢れる庭園とカスケード

写真:Hiroko Oji

地図を見る

お城の周囲を取り囲むのは、色とりどりのお花が咲く手入れの行き届いた庭園で、所々に彫像が立ち並びます。ルイ14世、ルイ15世、マリー・アントワネットなどの像や、金ぴかの天使像で、ルートヴィヒ2世はこれらの像に挨拶をしたり話しかけたりしたといわれています。

城館の裏側には、緑の芝生と生け垣で囲まれたカスケードである人工滝が設営されています。両側にはたくさんの像が並び、30段の大理石でできた階段を水が流れ落ちてきて、最後はネプチューンの噴水で終わり、前を色鮮やかなお花が飾っています

幻想的な「ヴィーナスの洞窟」

幻想的な「ヴィーナスの洞窟」

写真:Hiroko Oji

地図を見る

城館を出て、カスケードの奥、緑のトンネルになった通路を進んでいくと「ヴィーナスの洞窟」があります。

ワーグナーのオペラ「タンホイザー」に出てくるヘーゼルベルクのヴィーナスの洞窟と、イタリア南部のカプリ島にある「青の洞窟」がモデルとなった人工の鍾乳洞で、ルードヴィヒ2世が、幻想に浸っていたといわれる所です。金色の貝の舟に従僕とともに乗り、本物の白鳥を連れて湖を遊覧していたのです。洞内の照明は、10分ごとに赤や緑など色が切り替わり、しばらくすると人工的に作った滝が流れてきます。波が立つ音を聞いていると、まるで夢の中!幻想的ムード満点の演出を楽しめます。

万華鏡のような装飾が美しい建物「ムーア風キオスク」

万華鏡のような装飾が美しい建物「ムーア風キオスク」

写真:Hiroko Oji

地図を見る

広大な庭園の中には、見晴らしのよい高台にある音楽のあずまや(野外音楽堂)、モロッコ風の家、王の別邸(狩猟用の旧山荘)、聖アンナ礼拝堂など、見所となる施設が点在しています。そのうちの一つに「ムーア風キオスク(園亭)」があります。

金色の大小の丸いドームが乗っかり、外観の装飾が美しい建物ですが、この内部もとても魅力的!まるで万華鏡の中に紛れ込んでしまったかのような、鮮やかな色合いのステンドグラスや金色を多用した壁面装飾、ボヘミアングラスを使ったオリエント風の孔雀の玉座がある中央の噴水風モニュメントに出会えます。

近郊のエッタール修道院の見学も併せて!

リンダーホーフ城の見学は、城館内の見学のみならず、その広大な庭園内を隅々まで歩き回ると結構時間がかかり、長閑な風景の中で充実した時間が過ごせます。しかしさらに、バスで帰る途中に立ち寄るエッタールで下車して、バス停前にある修道院の見学も併せると、満足度100パーセントとなるはずです。

近郊のオーバーアマガウやムルナウなどの町で宿泊していれば、日帰りで充実した滞在ができると思いますので、たっぷり楽しんでくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/07/29 訪問

- PR -

旅行プランをさがそう!

このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -