大覚寺は、弘法大師空海を宗祖とする真言宗大覚寺派の本山。京都嵯峨野の北端に位置する広大な敷地を持つお寺です。平安のはじめ、嵯峨天皇(桓武天皇の第二皇子)の離宮として建立されて以来約1200年の歴史があるお寺です。
数多くの国宝・重要文化財を所有し、回廊を巡りながら、狩野派の襖絵・障壁画などを見ることができ、冬は雪景色、春は梅・桜、夏は新緑、秋は紅葉と四季を通じて、のんびりと嵯峨野の雰囲気に浸ることのできるお寺です。
秋には境内の木々も紅葉して、錦秋の古都の雰囲気を存分に味わうことができます。
大覚寺の境内の東側に、嵯峨天皇が離宮嵯峨院の造営にあたって、唐の洞庭湖をモデルに造られたと伝えられている、周囲約1Kmの日本最古の林泉(林や泉水などのある庭園)大沢の池があります。
大沢の池は約30分程度で一周できます、池の周辺の山の高さ、木々の配置など、池を取り巻く景色が素晴らしく、特に朱色の心経宝塔(しんぎょうほうとう)を対岸から眺める風景を求めて、四季を通じて多くの観光客が訪れています。
秋を彩る大覚寺の風物詩として、毎年11月に「嵯峨菊展」が行われています。
菊は中国原産で、日本には平安時代初期に伝わり、一部の階級層の間で観賞用の花とともに薬用として用いられていましたが、江戸時代に品種改良が盛んに行われて、多くの品種が誕生しています。「嵯峨菊」が庶民に親しまれ始めたのは江戸時代からです。
嵯峨天皇のころから大覚寺境内の大沢池の菊ケ島に自生していた「野菊」を元に、江戸時代に、古典菊の「嵯峨菊」として改良され、育成されました。嵯峨菊の花の背丈はみな同じ2mくらいの高さで揃えられていて、お寺の縁側から見るのにちょうどよい高さになっています。白、黄、朱、などの原色で可憐に咲き誇っています。
寺内の東端に位置する五大堂の縁台からは広い大沢の池が見渡せます、この広い縁台にも嵯峨菊が飾られていて、池の周囲の紅葉と嵯峨菊の色合いが秋の深まりを感じさせてくれます。
広い寺内の回廊沿いに嵯峨菊がずらっと飾られていて、御影堂の前の石舞台にも嵯峨菊が並んでいるときがあります。
「嵯峨菊」の生け方は一鉢に三本を仕立て、花は先端が三輪、中程に五輪、下手に七輪と、七、五、三に揃えます。葉は下部を黄色、中程には緑、上の方は淡緑というように仕立て、春夏秋冬をあらわすことになっています。
普段見かける菊とは違い、花弁が筆先のようになる、この少し小ぶりの花の姿に、「心安らぐ」感じを受けること間違いありません。
大覚寺は、JR嵯峨野線(山陰線)嵯峨嵐山駅から、ほぼ北の方向に約1.3kmほどのところにあり、徒歩で約20分程の距離です。嵐山渡月橋から、バスでも来ることができますが、約2Kmの距離なので、のんびり歩いても30分ほどで訪れることができます。紅葉の季節には、少し寄り道をすると、「常寂光寺」、「落柿舎」、「二尊院」、「嵯峨釈迦堂(清凉寺)」、「宝筐院」、「厭離庵」など嵯峨野屈指の紅葉の名所にも立ち寄ることができます。
錦秋の一日、嵯峨野をのんびり散策しながら、古都の雰囲気を存分に味わって、大覚寺の「嵯峨菊展」で、締めくくってみませんか?
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(2024/4/25更新)
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