洞爺湖町「西山火口散策路」火山エネルギーの凄さを体感!

洞爺湖町「西山火口散策路」火山エネルギーの凄さを体感!

更新日:2017/02/14 12:51

北海道洞爺湖町の西山火口散策路は、2000年の有珠山噴火で被害を受けた建物や道路をそのまま残し、災害の様子を体感できる散策路です。水没してしまった国道や噴火の被害を受けた幼稚園、階段のようにずれてしまった道路や折れた電柱など、生々しい当時の様子を見学しながら歩くことができます。隆起した丘を歩けば洞爺湖とは反対側の内浦湾の風景を眺めることができ、自然の怖さと美しさの両方を肌で感じることができます。

北口ゲートから散策開始!元消防署の火山関連資料も要チェック!

北口ゲートから散策開始!元消防署の火山関連資料も要チェック!
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北海道洞爺湖町は複数回の火山被害を経験し、火山とともに歩んできた町です。火山との共存は決して簡単なものではありませんが、美しい洞爺湖や洞爺湖温泉など火山エネルギーがもたらす魅力も多く、観光資源としても活用されています。

今回ご紹介する「西山火口散策路」は、2000年に噴火した有珠山によってもたらされた被害を間近で見学することができるコースで、生々しい当時の様子や火山エネルギーの凄まじさを肌で体感することができます。

北口ゲートから散策開始!元消防署の火山関連資料も要チェック!
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「西山火口散策路」の北口ゲートを入るとすぐ、噴火の影響でできた西山火口沼を見学することができます。沼の中には傾いた電柱や水没した道路標識がそのまま残されており、この沼が最初からここにあったものではないということを実感させられます。

北口ゲートから散策開始!元消防署の火山関連資料も要チェック!
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西山火口沼の近くにある元の消防署は床が4%傾いた状態で保存されており、無料で見学することが可能です。中には火山関連の資料が展示されており、岩石やパネル展示・映像展示などを通して火山について学ぶことができる資料館になっています。

大地の隆起によって断層のようになった国道230号線

大地の隆起によって断層のようになった国道230号線
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2000年の有珠山噴火では国道230号線を遮るように噴火した形跡が残されています。アスファルトが割れて捲れ上がり階段状になった国道を見れば、噴火の威力の凄まじさに息を飲むことでしょう。この場所は現在は急な登り坂ですが、元々は下り坂だったというから驚きです。噴火の影響で70メートルも隆起した地面は、当時の火山エネルギーの大きさを今に伝える貴重な資料です。

大地の隆起によって断層のようになった国道230号線
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要所にはパネル展示も用意されていますので、目の前の被害がどのようにして引き起こされたものなのかを詳しく知ることもできます。また、散策路は枕木が敷かれているので安全に歩くことができ、火山の歴史や自然の雄大さを感じることができるフットパスコースとしても人気があります。

今も噴気が上がる地熱地帯を進もう!

今も噴気が上がる地熱地帯を進もう!
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「西山火口散策路」は火口や散策路近くの場所から未だに90℃の噴気が上がっています。この西山火口散策路は地熱地帯を歩くように作られているので、写真のように蒸気が地面から噴き出している様子も観察することができるのです。

このような環境のため、ロープや枕木の外に出ることは大変危険です。ルールを守って見学するようにしましょう。

南ゲート付近には被災した工場や幼稚園

南ゲート付近には被災した工場や幼稚園
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「西山火口散策路」は北口ゲートから南口ゲートに向かう一方通行の散策路で、周遊路ではありません。見学しながら歩くと片道40分程度必要ですので、時間に余裕をもって散策するか、見学したいスポットを絞って訪問することが大切です。

北口ゲート近くは消防署や被災した道路、南口ゲート付近には被災した工場や幼稚園などがあります。2000年に噴火してから時間が経過しているため、被災した建造物等は植物などの影響によって徐々に朽ちていっている様も見ることができます。一度訪問したことがある人でも、時の流れを感じてまた違った印象を受けるかもしれませんね。

南ゲート付近には被災した工場や幼稚園
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「西山火口散策路」の南口ゲートには被災した幼稚園と幼稚園バスがそのままの状態で残されています。2000年の有珠山噴火は3月31日の日中。噴火前に近隣住民の避難が完了したため人的被害は受けませんでしたが、新入生を歓迎する準備が進められていた幼稚園は、この噴火の影響で大きな被害を受けることとなります。

被災した幼稚園バスや爆撃でも受けたかのように割れてしまった幼稚園の窓ガラス、そして本来であればまだまだ使用で来たはずの遊具が並ぶグラウンドなどを見ると、自然のパワーの大きさに衝撃を受けることでしょう。

南ゲート付近には被災した工場や幼稚園
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被災した幼稚園のグラウンドの一角には、「植生回復観察エリア」という区画が設けられています。これは噴火の後に植物がどのように再び根を張り成長していくかを観察するためのものです。散策路付近の他の場所は見学しやすいように草刈りなどの整備が実施されていますが、この場所はそのようなことはせずに自然体のまま保存されています。鬱蒼と茂る雑草を見れば、植物の生命力の強さを垣間見ることができますよ。

展望台から自然がつくり出した美しい景色を眺めよう!

展望台から自然がつくり出した美しい景色を眺めよう!
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「西山火口散策路」の魅力は火山エネルギーの凄まじさを体感できるということだけではありません。散策路から見る美しい景色もまた、この散策路を歩く楽しみの一つです。

丘のような場所を歩くこの散策路には展望台が用意されており、第二展望台からは遠くに噴火湾と呼ばれる内浦湾を望むことができます。噴火の影響でできたこの場所は周りに大きな樹木もありません。何にも遮られることのない開放的な風景を存分に楽しみましょう!

※「西山火口散策路」の利用は4月〜11月末までとなり、冬期は閉鎖されるため訪問時はご注意下さい。

有珠山噴火の様子や自然の美しさを感じる「西山火口散策路」

洞爺湖温泉街から車で5分程度の場所にある「西山火口散策路」は、2000年に起こった有珠山噴火の様子を今に伝える遺構が残された散策路です。被災した工場や国道230号線、幼稚園などを見れば、当時の噴火の凄まじさをまざまざと感じさせられます。

また、この散策路は噴火の影響を知ることができるだけでなく、展望台からの美しい風景も魅力の一つです。丘のような場所を歩く散策路からは遠く内浦湾を望むこともでき、自然のエネルギーの怖さや雄大さを同時に感じることでしょう。今なお噴気が上がる地面からは地球の躍動を感じ、人の手によって作られた観光名所とは一味違った感動を味わうことができます。

大自然に囲まれた美しい風景が魅力の北海道ですが、洞爺湖町の「西山火口散策路」は自然の美しさだけでなく厳しさも伝えてくれる観光スポット。北海道洞爺湖町へ自然のエネルギーを体感する旅に訪れてみてはいかがでしょうか。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/25 訪問

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