写真:SHIZUKO
地図を見る立山室堂山荘は、日本最古の山小屋の称号を持っています。現在の山荘は1986年に新築されたもので、山小屋とは思えない、とても快適な宿泊所です。
現在の建屋の横にある立山室堂は、1985年まで現役の山小屋として利用されていた建物。そのために、必要な改修が多々あったものの、1986年には富山県の指定有形文化財になりました。1992年から解体修理が行われ、1995年には国の重要文化財に指定されました。
指定されるに至る過程には、建物はもちろんのこと、日本古来の山岳宗教・立山崇拝に対しても保護意識が働いているものと思われます。解体修理の調査で、12世紀・鎌倉時代にはすでに宗教的な登山が行われていた痕跡が見られるということです。古来より日本人が山に神を見て、自然界にあるものを崇め、大切にしてきた精神性に感動しますね。
写真:SHIZUKO
地図を見る山荘からやや急な道を10分ほど下って行くと玉殿の岩屋があります。ここは、かつて修験者が行を行ってきた立山修験道の聖地。山荘が建てられる以前は、登拝者の宿泊所としても利用されたという場所。洞窟の中に多くの仏様が祀られていて、洞窟に足を踏み入れるには、ちょっとドキドキ。
ここは、立山を開山した佐伯有頼=慈興上人が、麓で放った矢で手負いになった熊に導かれて到着した洞窟。洞窟の奥から矢を射られた阿弥陀如来が現れ、立山開山を指示されたという伝説の場所です。それだけに、すごいパワーを感じます。写真を撮るのも、少しはばかられる感じ。でも、きれいな心で立ち寄ってみて下さい。
洞窟を覆う岩は、板状節理と呼ばれる板状の岩が何層にも複雑に重なったもの。この岩を間近に見るだけでも、充分な価値があります。
写真:SHIZUKO
地図を見る室堂山荘は、山小屋ゆえ、登山者のための相部屋が用意されていますが、観光客も多い場所なので個室も充実しています。特に立山側にある個室からの眺めは最高。
大浴場の広い窓からも、立山の雄大な姿を見ることが出来ます。こんな贅沢、なかなかありません。風呂に入る! この当たり前のことが山ではとっても貴重なこと。稜線の山小屋では、雪解け水や雨水が唯一の水源という場所も多く、歯磨きの水すら禁止! ということは多々あります。顔を洗うなんてご法度な場合も多いのです。まれにお風呂に入ることが出来ても、環境保護のため石鹸やシャンプーの使用禁止も当たり前。でも、立山室堂山荘では、そんな制限はなく、気持のいい入浴を楽しめます。
写真:SHIZUKO
地図を見るさて、宿泊状況がとてもいいとなれば、食事にも期待が高まります。答えは○。大日岳に沈みゆく夕陽を眺めながら夕食がいただける広々とした食堂。そのシチュエーションですでに満足感が。夕食は、ステーキやスープなんてものはありませんが、揚げたての豚カツに魚の煮つけ、蕎麦やもずくなど。その日によってメニューは変わりますが、温かな食事のグレードはかなりのもの。朝食も品数豊富。お弁当もバランスよく、食べやすいものです。登山者にとって山小屋での食事はかなり重要です。もちろん観光の人にとっても大事なもの。そのどちらもが満足できるのはいいですよね。
写真:SHIZUKO
地図を見る山荘の前にはベンチがあります。昼間は、多くの登山者が、ここで休憩したり昼食を取ったりと賑やかな場所。夕食後は、宿泊者だけの専用スペース。晴れていたら防寒対策をして、ベンチに寝転んで星空観賞を堪能しましょう。月のない夜なら、きっと見たこともないような満天の星に圧倒されることでしょう。
でも、夜更かしはほどほどに。消灯時間は21時ですから、早めにベッドへ。
翌朝は早く起きて外へ出来ましょう。夜明け前から刻々と変化する空は最高です。せっかくの山の中での朝ですから、少し頑張って起きて、朝日を受けて輝きだす山々の姿にも出会ってください。
非日常の山岳風景の中に、いとも簡単に存在できる立山の室堂。体力がない、山に登る自信はない、かつては登っていたけど今は無理、という方もここなら大丈夫。3000メートル級の山々に囲まれた室堂平で、ゆっくりと過ごす贅沢。登るだけが山の楽しみではなく、眺めて過ごすのも山の楽しみ方です。刻々と姿を変える山々。充分にご堪能ください。
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/3/28更新)
- 広告 -