写真:木村 優光
地図を見る山門から入山し、まず最初に目に入るものとしては立派な佇まいの本堂!どっしりとした重みのある本堂には、まず最初に驚かされることでしょう。開山は南禅寺と同じく大明国師で、開創も同じく無関普門禅師です。
本堂内部には中央に本尊、そしてその左側には阿難(あなん)、右側には迦葉(かしょう)が安置されています。これらを取り囲む仏殿と明正天皇寄進の鐘楼は、京都市の指定文化財となっています。本堂内部ですが、通常は非公開ですが、晩秋の紅葉時期には特別公開されます。
現在は本堂と禅堂を兼ねていて、普段はここで坐禅研修をしているそうです。それもそのはず、この光雲寺は南禅寺の禅センターの役割も担っており、禅を教えてもらうには最高の寺院さんです。第2と第4日曜日に定例坐禅会が行われています。
写真:木村 優光
地図を見る本堂にしばし見とれたあとは、視線を左に向けてみましょう。すると、こちらも枯山水が広がる綺麗な庭園です。ごくスタンダードな枯山水庭園なのですが、美味しいところに緑が植えられていたりと、かゆいところに手が届くといった表現が相応しい、非常に手入れの行き届いた庭園です。
そして奥の方には真っ赤な紅葉も植えられていて、紅と緑、そして手前の枯山水の白砂のカラーバランスが非常に美しいです。紅葉の木が少ないとは言え、晩秋の時期にはかなりの穴場紅葉スポットのうちの一つとしておすすめできる寺院です。
なお背景にそびえる鐘楼ですが、なんと明正天皇寄進のもので、京都市の指定文化財になっています。明正天皇の在位中の元号といえば「寛永」!つまり、江戸幕府が始まって、徳川三代将軍である徳川家光の頃といえばわかりやすい方も多いでしょうか。したがって文化財としても非常に価値のあるものですが、歴史面でも非常に濃いものであることがわかります。
写真:木村 優光
地図を見るお次は本堂から書院を抜けて庭園側に出向いてみましょう。本道にて下足を脱ぎ、木製の由緒ある廊下をゆっくりと進むと、綺麗な鯉がたくさん泳ぐ立派な池泉廻遊式庭園が現れます。その様子を目にすれば、あまりの素晴らしさにしばし立ち尽くしてしまうでしょう。
非常に綺麗に手入れされた庭園で、紅葉は少ないにも関わらず、飛び石、池、青々とした色彩が非常に美しいです。青空が広がっていると、さらに色彩が豊かに!この庭園を書院の縁側から座って見ることができるため、気持ち良い晩秋の日差しを浴びていると、ついつい時間を気にせずに座っていたくなるでしょう。
なお、この庭園は、昭和初期の造園家小川治兵衛氏が造ったもので、境内の東側を流れる疏水の水を引いた池泉廻遊式の名園となりました。後に京都市の名勝庭園にも指定されるほど、立派な庭園であることが非常によくわかります。そして庭園北東側に碼碯(めのう)の手洗鉢があることでも有名ですので、一見の価値ありです!
京都の紅葉といえば、真っ赤な紅葉の木などが辺り一面に広がる庭園などを連想しますが、光雲寺は「辺り一面」ではなく、要所に最小限に収められた紅葉の木が非常に魅力的です。これは、単に庭園のある場所に1本紅葉の木を植えるのではなく、配置計算や、庭師さんの想いが非常に込められているため、ついつい見とれてしまうのでしょうね。
ガイドブックに常に掲載される、常連の紅葉の名所寺院も素晴らしいですが、「光雲寺」のような計算された庭園は、見る者を魅了してしまうほど!一見の価値がある寺院とはこのことです。
なお、「光雲寺」は晩秋の時期のみの期間限定拝観寺院です。拝観可能の時期と拝観料は、「光雲寺」の公式サイトを参照しましょう。
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(2024/3/28更新)
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