富山ブラックとは名前の通り真っ黒なラーメンです。白い丼の中に黄色の太麺、そして真っ黒なスープが特徴。真っ黒料理と言えばイカスミパスタが有名ですが、北陸で黒と言えば富山ブラックなのです。
北陸新幹線が開通したおかげで、富山は首都圏からも気軽に出掛けられるようになりました。新幹線でそのまま金沢まで乗車する観光客が多いなか、富山が誇る究極のB級グルメ富山ブラックを味わうために、断然富山駅下車をお勧めします。
富山ブラックは富山市内だけでも数十店舗営業していますが、目指すなら1947年創業の元祖「西町大喜 西町本店」。終戦後おにぎりを持った肉体労働者のために、塩分補給として醤油を濃くしたことがきっかけで生まれて早70年。頑固な味が受け継がれ、“富山ブラックは「西町大喜 西町本店」”と言われるようになりました。
「西町大喜 西町本店」は富山駅から歩いて15分程度の繁華街にあります。向かいには富山市ガラス美術館や図書館が入る近代的なビル。そして百貨店も隣接しています。そんな中心部に時代に取り残されたような古い建物が「西町大喜 西町本店」。緑色化した銅板が何とも時代を感じ、まさに見た目も貫禄いっぱいの超老舗です。元祖富山ブラックというのぼり旗の横には「美味」「求真」。緘黙な親父が頑固に味を追求している姿が想像しつつ、早速入ってみましょう!
「西町大喜 西町本店」の店内はうなぎの寝床のような縦長でカウンターのみ。席数僅かに20程度で、店構え同様木造家屋の昭和レトロなたたずまいです。暖簾をくぐるのに少々勇気は必要でも店内はこざっぱりしているので、女性同士でも安心です。
壁面にはレトロなポスターと商売繁盛の神棚と大黒さん。そして長く続くカウンター席には芸能人の色紙、色紙、色紙!ローカルなリポーターやアナウンサーの他に「ルー大柴」「かまやつひろし」「柴田りえ」「スキマスイッチ」「大泉洋」といった有名人もずらり。「葉加瀬太郎」の色紙には”一年に一度の楽しみ!”、「久本雅美」は小さく”おいしい”というメッセージも。
注文はすごく簡単!味噌、醤油、塩といった選択は無く、小と並のみ。ラーメン屋のメニューはシンプルこそ美味しいという鉄の掟があるので、期待が高まります!
店の店員は下駄を履いていて、ラーメンを運んで来る時のカラン、コロン!と鳴り響く店内はまさに昭和感覚です。
登場したラーメンは期待を裏切らない黒!メンマもチャーシューも真っ黒。濃厚な醤油スープに太めのストレート麺、そして塩辛く煮込んだチャーシューやメンマがのっています。
一口目の正直な感想は「しょっぱ!」。あまりに塩辛くて二口目が進まないほど。ラーメンをすするだけでも塩辛いので、チャーシューやメンマに箸を進めようにも、これまた勘弁して欲しいほどのしょっぱさで喉がヒリヒリ……何処にも逃げ場がありません。「ライスを持参して一緒に食べるのが通」と言われているのが納得です。このスープや麺をすすりながらご飯をいただけば和ぎます。
西町大喜をはじめとした濃厚醤油の黒いスープのラーメンは富山ブラックと呼ばれ、全国に知られる富山のご当地ラーメンになりました。このブラックがクセになるには通い詰めて慣れるしかありませんが、神髄を知るにはまずこの一杯です。
昭和22年に始まった富山ブラック。元祖「西町大喜 西町本店」はじいちゃんから父ちゃんへ、そして孫へと三世代受け継がれ、流行に左右されない頑固さが今でも守られています。富山市の中心部にあるので、近代的な建物とのギャップを見るだけでも一見の価値があります。
富山県民のソウルフード、富山ブラックは普段のラーメンジャンルとは全く別次元の味。インパクトが強烈ですが、一度挑戦してみることをお勧めします!
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