写真:野水 綾乃
地図を見る「つづり」があるのは、益子の中心部から少し外れた場所。益子焼を有名にした陶芸家・濱田庄司の自邸と工房を公開した美術館「益子参考館」の近くの路地を入ったところにあります。大きなクヌギやコナラの木に守られるように、2棟の平屋の古民家が建っています。右の建物が玄米菜食がいただける「食堂」、左の建物が器、布物、雑貨が並ぶ「商店」です。
つづりを営むのは7人の女性。それぞれ陶器や服、布小物などの作り手でありながら、小さなお子さんのいるお母さんでもあります。「子育てが一段落したときに自分たちの居場所となれるような空間が作れたら…」と7人が抱いていた思いと、ここで営業していた天然酵母パン&カフェが移転するタイミングが重なり、2015年秋にオープンさせました。自然豊かな益子での暮らしを気負わずに楽しんでいる日常が、お店の優しい空気感にも表れているようです。
写真:野水 綾乃
地図を見るまずは「つづり食堂」へお邪魔してみましょう。古民家の引き戸を開け、靴を脱いで上がる店内は、ナチュラルな木の床が心地よい空間です。外の景色を眺められる窓際の席や、奥には秘密の隠れ家のようなテーブル席もあったりして、どこに座っても居心地がよく、帰りたくなくなってしまいます。4テーブルのみなので、予約をしたほうがベターです。
写真:野水 綾乃
地図を見るつづり食堂のメニューは、動物性食品や乳製品、砂糖や化学調味料を一切使わない玄米菜食。玄米と野菜は地域で採れる無農薬のもの、そして古くから伝統的な製法で作られる天然調味料を使って調理します。
ランチは、もっちもちの玄米ごはんが美味しい「玄米プレート」と、自家製酵母のベーカリー「日々舎」の全粒粉ベーグルを添えた「パンプレート」が選べます。おかずはどちらのプレートも共通で、内容は週替わり。今週はどんなごはん?と週が明けるのを待ちわびてるファンも多いです。
たとえば、車麩をフライにしたり、大豆たんぱくを唐揚げにして鶏肉のような味わいに仕立てたり、ひよこ豆や金時豆をコロッケにしたり。肉や魚を使わない玄米菜食だと、精進料理のように味気ないイメージを持つ人もいるかと思いますが、つづりのごはんは滋味深い美味しさで、心とおなかが本当に満たされます。
写真:野水 綾乃
地図を見るつづいて「つづり商店」をご紹介しましょう。温もりを感じさせつつも洗練された益子焼の器、リネンやガーゼ素材の服、草木染めのストールやあずま袋、細かな刺繍やイラストがかわいい小物など、つづりのメンバーである6人の女性たちが手作りした作品が並びます。メンバーが交替で店番をしていますので、直接、ものづくりの過程などを伺いながら手に取れるのもうれしいもの。
奥の広い縁側スペースには、赤ちゃんのおむつ替えに便利なベッドや、絵本や積み木などのおもちゃが置かれています。つづりは商店も食堂もお子様連れ大歓迎。休日などはメンバーのお子さんが遊んでいることもあったりして、大人も子どももみんなが居心地よく過ごせるスペースになっています。
つづりでは不定期でワークショップやイベントも開催しています。自分の足に合ったサンダル作り、壊れてしまった陶器をよみがえらせる金継ぎ教室、子どもも楽しめる藍の葉の叩き染めなど、ものづくりの楽しさに触れられるものばかり。作家さん自ら教えてくれるのも貴重な時間です。世界でたったひとつの自分だけの作品ができあがったときは感動もひとしおですね。
最後に、つづりのショップカードにはこんな言葉が書かれています。
「穏やかに暮らしゆく。ていねいなもの、ことをひとつひとつ積み重ね、綴っていく」。
地元で暮らすメンバーたちが日々大切にしていること、子どもたちのために願うこと。いろいろな思いが「つづり」という店名に込められています。ぜひそれをお店に訪れて感じてみてください。
益子では、春のゴールデンウィークと、秋の11月3日前後には、恒例の「益子陶器市」が開催されます。つづりの訪問と合わせて、お気に入りのうつわ探しを楽しんでみてはいかが。
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(2024/3/19更新)
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