必訪!南禅寺の裏手に佇む紅葉の穴場!京都「最勝院高徳庵」

必訪!南禅寺の裏手に佇む紅葉の穴場!京都「最勝院高徳庵」

更新日:2017/10/21 10:45

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
「最勝院」と名のつく寺院は日本全国に複数存在しますが、どれも塔頭と呼ばれる小院規模がほとんどです。今回紹介する「最勝院高徳庵」も南禅寺の最奥にひっそりとたたずむ歴史ある塔頭です。本堂前の庭園は非常に綺麗に手入れされていますが、特に晩秋の時期は境内の紅葉が非常に美しく、見ごたえ十分!南禅寺まで訪問する人は多いですが、さらに足を伸ばして、穴場化した「最勝院高徳庵」に訪問してみましょう!

山門をくぐる前から鮮やかな紅葉に期待を込めて!

山門をくぐる前から鮮やかな紅葉に期待を込めて!

写真:木村 優光

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南禅寺の境内から水路閣をくぐり、さらに北へ足を進めると、突如現れる「最勝院高徳庵」!寺院名称が書かれた石塔が非常に神秘的ですが、それ以上に門前周辺の紅葉が綺麗で見とれてしまいます。特に晴天の日は紅葉の上面が日光に照らされるため、下から見るとなんとも神秘的な空間に!

山門をくぐる前から鮮やかな紅葉に期待を込めて!

写真:木村 優光

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この「最勝院高徳庵」は、いつ誰が創建した寺院なのか、定かになっておらず、以前は南禅寺の寺務所周辺にあったもので、1915年に現在の場所に移動されました。ちなみに「最勝院高徳庵」の背後はもともと神仙佳境と呼ばれ、霊地として知れ渡っていたとされています。

なお、境内は鎌倉時代に天台密教の駒道智大僧正が、この地に隠棲したことに始まるといわれており、古くから勝運の神として知られていました。駒道智大僧正は、法力により白馬にまたがり、生身を天空に隠したという言い伝えもあるほど!その後、道智は駒大僧正、奥の院にある滝は駒ヶ滝と呼ばれるようになりました。

縁結びの松と紅葉のコラボレーションほど鮮やかなものはない!

縁結びの松と紅葉のコラボレーションほど鮮やかなものはない!

写真:木村 優光

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山門をくぐり、真っ先にに目に飛び込むものとしては、立派な松の木です。この松の木は、樹齢300年の百日紅の木の割れ目に、松の種が落ちて、そのまま成長したとされている非常に珍しいものです。松の木と百日紅が仲良く一体化していることから、『縁結びの松』と呼ばれています。

松の木は樹齢100年といわれ、本堂前の参道を覆いかぶさるような立派な枝振りには目を見張るものがあります。そしてその奥には真っ赤に染め上がる紅葉の木!色彩コントラストが非常に綺麗です。すべてが紅葉で真っ赤ではないところが、見る者を魅了するのでしょうね。

縁結びの松と紅葉のコラボレーションほど鮮やかなものはない!

写真:木村 優光

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そして本堂の中には、福徳円満大黒天と払災殖福不動尊が安置されています。その関係で、本堂の賽銭箱の上には「駒大僧正」と書かれた額が設置されています。残念なことに本堂内部は拝観ができませんが、「最勝院高徳庵」を訪問したからには手をあわせるようにしましょう。

本堂裏手の真っ赤な紅葉を見ながら奥の院へと足を運んでみる

本堂で参拝し終えたらここで引き返すのではなく、さらに奥の方まで足を運んでみましょう。境内の表玄関だけで満足していたら、「最勝院高徳庵」の魅力は見つからないまま!そこで、境内の右脇の古道を少し上って奥の院まで足を伸ばすことをオススメします。

途中、本堂の裏手には素晴らしい紅葉庭園があり、奥の院へアクセスする古道沿いから眺めることができます。紅葉の本数も多く、真っ赤な紅葉のみならず橙色の紅葉も植えられているため、本堂の建物とのコラボレーションは息を呑むほどの素晴らしさ!残念なことに、この紅葉庭園へ立ち入ることはできませんが、沿道からでもその魅力は十分伝わってくるので、一見の価値あり!

本堂裏手の真っ赤な紅葉を見ながら奥の院へと足を運んでみる

写真:木村 優光

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そんな本堂裏の紅葉を見ながら、奥の院を目指してみましょう。奥の院は約200mほど古道を上った山中のため、薄暗く少々不気味なイメージですが、ここまで訪問してこそ、「最勝院高徳庵」の魅力がわかるもの!奥の院には滝があり、僧正の駒大僧正にちなんで「駒ヶ滝」という名称がつけられています。

写真のように日中でも太陽が当たらない部分があるため、岩肌のみならず階段、古道は苔などにとって住み心地の良い場所。そのため、足元が滑ることがありますので十分に気をつけましょう。湿気が多く、ジメジメした古道沿いは徐々にパワースポットであることを気づかせてくれます。

本堂裏手の真っ赤な紅葉を見ながら奥の院へと足を運んでみる

写真:木村 優光

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本堂裏手の真っ赤な紅葉を見ながら奥の院へと足を運んでみる

写真:木村 優光

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やがて奥の院の建物があり、さらに先には滝があります。これこそが「駒ヶ滝」で駒大僧正が祀られているとされています。滝の前に立って見ているだけでもどことなくパワーを感じるのは、ここがパワースポットであるから!その昔、白装束でこの滝に打たれる人が後を絶たなかったのですが、現在では滝に打たれる方は滅多にいないようです。

奥の院はこの「駒ヶ滝」までですが、実はこの滝の上を通って若王子山の山頂経由で哲学の道へ出る登山道が整備されています。難易度はそれほど高くはありませんが、体力に自身のある方はチャレンジしてみると良いでしょう。

境内の目の前を通る水路閣へ寄り道

境内の目の前を通る水路閣へ寄り道

写真:木村 優光

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「最勝院高徳庵」の参道横には、南禅寺の境内の真上を通り過ぎ、蹴上駅付近まで続く水路閣があります。「最勝院高徳庵」の境内入口付近は南禅寺の境内と比較すると、若干高度があるため、水路閣との高低差がほとんどなく、水路閣の内部を見ることができる貴重なスポットです。水路閣の内部を覗いてみると、速い水の流れにビックリします。

境内の目の前を通る水路閣へ寄り道

写真:木村 優光

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この水路閣は琵琶湖からの水路橋で、完成は明治21年と歴史があります。レンガで盛られたアーチ形状の構造は、和一色の南禅寺境内に洋をミックスさせた上で、周りの景観との調和を大切にして造られました。いざ目の前にしてみると、その風格ある水路閣に圧倒されること間違いなし!

境内の目の前を通る水路閣へ寄り道

写真:木村 優光

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そして、南禅寺境内の南禅院山門の西側、頭上を走る水路閣に近づいていく階段があるので、上ってみましょう。すると水路閣沿いに歩くことができるではありませんか?!水路閣といってもレンガ造りの箇所ではなく、ごく普通の大きいサイズの水路ですが、水路沿いを散策できるため、非常に貴重な体験となるはずです。なお、水路上には蓋がありませんので、中へ転落しないように十分注意し、フェンスで覆われた立ち入り禁止場所へは入らないようにしましょう。

南禅寺境内も最勝院高徳庵も拝観料が無料!

南禅寺境内は、一部の施設を除き基本的には拝観料が不要の寺院ですが、最勝院高徳庵も拝観無料です。綺麗に整備された参道に古色蒼然とした静かな雰囲気が非常に良く、さらにほとんど観光客が訪問しないため、穴場スポットとなっています。特に晩秋の時期はオススメ!

なお、最勝院高徳庵周辺はちょうど東山区と左京区の区界周辺のエリアにも関わらず、観光スポットは山ほど!徒歩圏内には青蓮院門跡や知恩院、永観堂なども控える立地のため、晩秋の紅葉の季節ははしごも可能です。

<基本情報>
住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町86-2
電話番号:075-771-1891
アクセス:京都市営地下鉄蹴上駅より徒歩約13分

2017年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/23−2017/01/09 訪問

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