奈良・路地裏の隠れ家カフェ「工場跡事務室」で大正ノスタルジーに浸る

奈良・路地裏の隠れ家カフェ「工場跡事務室」で大正ノスタルジーに浸る

更新日:2016/10/26 09:44

興福寺や東大寺といった世界遺産を擁する奈良市では、古都の観光の合間に、カフェ巡りを楽しむ人も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介する「工場跡事務室」は、大正時代に作られた建物を再利用したカフェ。
東大寺のすぐ裏手にあって観光客も多いエリアですが、路地を一本入るだけでまるで大正時代にタイムスリップしたような、素敵な空間に出会えます。奈良でゆったりとした時間を過ごしたい人にぴったりですよ。

コンセプトは「“時を超えて大切にしておきたい何か”を感じられる場所」

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「工場跡事務室」は東大寺戒壇院の裏手すぐ、近鉄奈良駅から徒歩15分程の場所にあります。
小さな看板が掲げられた入口をくぐると、まるで昔の校舎を思わせるような古い建物が並んでいます。この建物は大正14年(1925年)に宮大工・大木吉太郎氏によって設計・建築された「奈良食品工学研究所」のものでした。
世界遺産でもある東大寺のすぐ裏手にまさか工場を作るなんて…と意外に感じるかもしれませんが、実際に訪れてみると、景観を損ねないよう配慮・設計されているのがわかります。

工場では人々の健康長寿を願う乳酸菌飲料「フトルミン」を製造し、研究所では椎茸菌やイースト菌といった食用菌類の研究、販売もおこなっていましたが、昭和55年に休業。
その後20年以上眠っていた工場跡の建物を丁寧にリノベーションしたのが、孫である現在のオーナーさんです。祖父の代から使われていた工場跡が、2009年にカフェとして生まれ変わったのです。

工場跡というとなんだか無機質な印象を受けそうですが、ここは工場操業時の雰囲気を残しつつも、とても温かみのある寛ぎの空間です。
控えめに置かれた調度品、オーナーさんの優しい笑顔、ゆったりとしたBGM…観光地のすぐそばとは思えないほど静かで、なんだかタイムスリップしたような気分。ゆっくりと時を刻むのを感じながら、その雰囲気をじっくりと味わいましょう。

古いものを大事にしつつ、のんびりと過ごせるカフェ

古いものを大事にしつつ、のんびりと過ごせるカフェ
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店内は右手に和室タイプのテーブル席、左手には椅子席やカウンター席があります。
畳敷きの部屋は工業操業時に事務室として使用されていた部屋で、椅子席にある大きなテーブルは当時出荷作業が行われていたテーブルを再利用したものです。置かれた木棚は当時のままの姿で、レトロで可愛らしい色合いの「フトルミン」の瓶など、工場で使用していた備品がさりげなく並べられています。

操業当時の雰囲気をできるだけ壊さないよう、使えるものは丁寧に修復し、備品は再利用。ゆったり寛げるよう雑誌や書籍が置いてあったり、お手洗いにBGM代わりの壁掛けCDプレーヤーがあったり、昭和初期の「奈良観光市街地図」が飾られていたり…。
ノスタルジーに浸りながらも、カフェとしても快適に過ごせるような配慮がなされており、ついつい長居したくなってしまうことでしょう。

パンはどれもお墨付き!隠れたイチオシは「ピザトースト」

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数々のメディアで紹介されているカフェの名物、鹿の焼印でおなじみの「コロッケパン」も鉄板ですが、他の軽食メニューもどれも絶品です。
モーニングやランチタイム限定のメニューもありますが、おやつタイムにはサンドイッチやトーストのほか、みずみずしいフルーツをたっぷりと使ったスイーツや、季節限定のデザートもいただけます。

隠れたイチオシメニューが「ピザトースト」です。絶品な手ごねの天然酵母パンはふわっふわ。具はベーコン・スライストマト・玉ねぎ等のシンプルな具ですが、実はピザソースを使っていない、あっさり味のピザトーストなんです。
シンプルな味付けなので野菜の甘みが感じられ、とろとろのチーズとふわふわのパンという最高の組み合わせは、「また食べたい!」と思わせること間違いなし!軽食でも量は比較的控えめなので、観光の休憩タイムのおやつにもぴったりですよ。

コーヒーは地元奈良の豆屋「香豆舎」が焙煎した工場跡事務室オリジナルブレンド。たっぷりのミルクが優しいカフェオレ、和菓子に合うおうす(抹茶)やほうじ茶、夏はレモンスカッシュ、冬はホットワインといった季節限定のドリンクも必見です。

「レトロ可愛い」グッズでほっこり気分をおすそ分け♪

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店内の雰囲気につい目が行ってしまいがちですが、入口レジの前に並ぶ数々のレトロ可愛い商品も要チェック。遊び心が伝わってくる可愛らしいグッズは、お土産にもぴったりです。

ここで製造されていた乳酸菌飲料「フトルミン」の硝子瓶をモチーフにしたストラップは、全5色。奈良在住の作家さんがベネチアガラスを使って、ひとつひとつ丁寧に作っていらっしゃいます。商品ラベルや新聞のイラストなどを使った缶バッジはどこか懐かしさを感じさせるデザインで、自分用に、お土産用に…といくつも買いたくなってしまいます。

また、工場跡事務室の喫茶スペースで提供されている「香豆舎」のオリジナルブレンドコーヒーや、地元奈良産の「大和茶」も販売しています。自宅でも、カフェと同じ味が楽しめるかもしれませんよ。

喧騒を忘れられる、路地裏のとっておきカフェへ…

数々のガイドブック等で紹介されている人気のカフェですが、グループではもちろん、一人でふらっと立ち寄ってものんびりと寛ぐことができます。奈良関連の雑誌などを見つつ、ティータイムがてらお散歩コースを考えるのもいいですね。

店内は全席禁煙で、お客さんすべてに気兼ねなくゆったりと過ごしてもらうための配慮か、店内での写真撮影は手元のみという徹底っぷり。
すぐ目の前に東大寺という観光スポットがありながら、カフェのある裏手は人通りが少なく、緑も豊かで、都会の喧騒を忘れて一息つきたい…という人にはうってつけです。

隣接した「Warehouse工場跡倉庫」は不定期開催のイベントスペースとしても使用されており、展示会やトークショー、ライブイベントなどが開催されているので要チェック!詳しくは、公式ホームページの「INFORMATION」をチェックしてみてくださいね。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/09/03 訪問

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