修善寺温泉「菊飾り」菊で彩られた"伊豆の小京都"を散策しよう

修善寺温泉「菊飾り」菊で彩られた"伊豆の小京都"を散策しよう

更新日:2021/09/22 09:12

波奈 美月のプロフィール写真 波奈 美月 伊豆地元案内人、絶景ドライブ探求家
"伊豆の小京都"と呼ばれ、弘法大師ゆかりの伊豆最古の温泉として知られる修善寺温泉。
毎年、紅葉が色づくひと足前の10月〜11月中旬頃、温泉街の各所に菊の花が飾られ、情緒ある街が華やぎます。最も混雑する紅葉シーズンの前に、菊の香りが漂う中、修禅寺や指月殿などの古刹を巡り、温泉・グルメ・パワースポットを楽しんでみませんか?
令和3年の修善寺温泉「菊飾り」は、10月2日〜11月15日の開催予定です。

修善寺温泉の中心!弘法大師創建の名刹「修禅寺」

修善寺温泉の中心!弘法大師創建の名刹「修禅寺」

写真:波奈 美月

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秋の爽やかな空気の中、菊の花に彩られた「修善寺温泉」を散策するのは、とても気持ちが良いものです。温泉街・修禅寺・竹林の小径・指月殿は"ミシュラングリーンガイドジャポン"で2つ星を獲得、風情ある観光地として今まで以上にその名を知られるようになりました。

基本的な散策コースは、「修善寺→日枝神社→指月殿→竹林の小径→楓橋→河原湯→独鈷の湯」というところ。所要時間は1時間半〜2時間ほどです。
詳しくは、記事下の「この記事の関連MEMO」のリンク「修善寺温泉マップ」よりご覧いただけますよ。

修善寺温泉の中心!弘法大師創建の名刹「修禅寺」

写真:波奈 美月

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温泉街の中心にあり、ひときわ目を引くのが名刹「修禅寺」(しゅぜんじ)。山門の階段には、毎年たくさんの色鮮やかな菊の鉢が飾られます。
807年(大同2年)、弘法大師空海によって創建され、修善寺の地名の由来になりました。鎌倉幕府二代将軍 源頼家公が幽閉された寺であることは、岡本綺堂(おかもと きどう)氏の代表作『修禅寺物語』などで知られています。

山門は、2014年に150年ぶりに修復され、その際に仁王堂が新設されました。平安時代後期の名作である金剛力士像が収められており、一見の価値がありますよ。

子授けのパワースポット!木のパワーがいっぱい「日枝神社」

子授けのパワースポット!木のパワーがいっぱい「日枝神社」

写真:波奈 美月

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修禅寺の東隣にあり、静かな佇まいを見せているのが「日枝神社」(ひえじんじゃ)。弘法大師の建立といわれ、元は修禅寺の鬼門の鎮守でしたが、明治の神仏分離令によって分離されました。境内には、源頼朝公の弟、源範頼公が幽閉されていた信功院跡もあります。

社の右後方にある大木は、県の天然記念物になっている「一位樫」(いちいがし)。伊豆では珍しい種類の木で、根周り5.5m・高さ25mあります。

子授けのパワースポット!木のパワーがいっぱい「日枝神社」

写真:波奈 美月

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実は、「子授けパワースポット」として有名な所。全国から良縁や子宝を願う人々が訪れます。「子宝の杉」は、樹齢800年といわれる大杉。2本の杉の根本が接合しており、その間を通ると子宝に恵まれると伝えられています。

杉の間を通れるように設置されていた階段は、現在は杉の保護のため取り外されています。それでも訪れる人は絶えず、掛所には、願い事を書いた「玉依の花」や「丹塗り矢」が沢山結ばれています(玉依の花と丹塗り矢は「ジオカフェGAIA」と「街ナビゆるり」にて販売)。
天に向かってまっすぐ伸びる2本の大杉の姿は、美しくも壮観!木に宿るパワーを感じますよ。

北条政子が寄進!修禅寺の経堂「指月殿」

北条政子が寄進!修禅寺の経堂「指月殿」

写真:波奈 美月

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「指月殿」(しげつでん)は、鎌倉幕府二代将軍頼家の冥福のため、母北条政子が修禅寺に寄進した経堂。修禅寺の桂川を挟んだ対岸にあります。
伊豆最古の木造建築だけあり、風格のある佇まいですが、この時期は、参道の階段と堂前に菊の花鉢が飾られ、華やかさが加わります。

ひときわ目を引くのは、本堂に掛けられた扁額。元から渡来した高僧・一山一寧(いっさんいちねい)によるものといわれ、実物は修禅寺本堂に保存されています。本尊の丈六釈迦如来座像は、寄木造りで高さ203cm。持ち物は無いはずですが、右手にハスの花を持っているのが特徴です。
かつては5〜6千巻にも及ぶ経典が収められていましたが、残ったのはわずか8巻のみ。現在、修禅寺の宝物館に保管されています。

境内にある頼家公の墓の近くには、「お伺い石」と呼ばれる蓮の花の形をした石があります。心中で願い事をしながら石を持ち上げ、軽いと感じれば願いが叶うとのこと。ぜひ試してみてくださいね。

「独鈷の湯」を眺めながら「恋の橋めぐり」で恋愛成就祈願 !

「独鈷の湯」を眺めながら「恋の橋めぐり」で恋愛成就祈願 !

写真:波奈 美月

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修善寺温泉の起源である「独鈷の湯」(とっこのゆ)は、修禅寺の前を流れる桂川(修善寺川)の川中にあります。周囲の橋や川沿いの欄干は菊の花鉢で飾られ、この付近は温泉街の中で最も華やかですよ。

「独鈷の湯」は、平安時代、弘法大師空海が、親孝行の少年のため、独鈷杵(とっこしょ)で川中の岩を打ち砕き湧出させたと伝わります。現在は見学のみで、足湯としても利用できないのでご注意を!すぐ近くの「河原湯」や、対岸にある「リバーテラス・杉の湯」なら、独鈷の湯を眺めながら、足湯を楽しめます。

「独鈷の湯」を眺めながら「恋の橋めぐり」で恋愛成就祈願 !

写真:波奈 美月

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桂川に架かる5つの橋は、"恋愛成就パワースポット"として有名!川下から、渡月橋(とげつばし)・虎渓橋(こけいばし)・桂橋(かつらばし)・楓橋(かえでばし)・滝下橋(たきしたばし)です。願いを込めながら渡ると恋が成就するといわれ、カップルには見逃せない散策ルート。

橋の別名は、「渡月橋=みそめ橋」「虎渓橋=あこがれ橋」「桂橋=結ばれ橋」「楓橋=寄り添い橋」「滝下橋=安らぎ橋」で、まさに恋愛成就のプロセス。ぜひ全部の橋を渡りましょう。これで修禅寺にお参りすれば、願いはきっと叶うはず!

<修善寺温泉 基本情報>
住所:静岡県伊豆市修善寺
電話番号:伊豆市観光協会修善寺支部 0558-72-2501
駐車場:周辺の有料駐車場を利用
アクセス:
・伊豆箱根鉄道修善寺駅より、伊豆箱根バス・東海バスで約7分、「修善寺温泉」下車、徒歩3分
・東名沼津IC・新東名長泉沼津ICから伊豆縦貫道、伊豆中央道、修善寺道路経由で約30分
・東名沼津IC・新東名長泉沼津ICから国道1号線、国道136号線経由で約50分

ちょっと一服!名物の「黒米餅」はいかが?

ちょっと一服!名物の「黒米餅」はいかが?

写真:波奈 美月

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温泉街には、ちょっと一服したくなるような魅力的な店がたくさん!できれば修善寺の名物を食べたいものです。生わさび・椎茸などが有名ですが、日頃の疲れをいやし、健康増進に良いものを選ぶなら「黒米」。健康米と言われ、ピタミンB1・B2などが豊富に含まれ、中国では薬膳に使用されてきたほどです。

写真は茶処「一石庵」(いっせきあん)の"黒米餅"。シンプルに醤油をつけていただきます。軽くあぶった香ばしさと弾力のある食感がくせになりそうで、人気のメニューです。

ちょっと一服!名物の「黒米餅」はいかが?

写真:波奈 美月

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「一石庵」は、修禅寺門前の虎渓橋のたもとにあり、店の中から修禅寺山門を眺められるロケーションが魅力。店を利用すると、屋外に併設されている足湯「知足(ちそく)の湯」に無料で浸かることができます。黒米餅の他、抹茶やクリームあんみつ・かき氷などのメニューもありますよ。

「食堂ゆかわ」(修善寺953-1)の"黒米炒飯"、「cafe 弘乃」(修善寺971-1)の"黒米もち入りぜんざい"などもお薦め!

<一石庵 基本情報>
住所:〒650-0003 静岡県伊豆市修善寺950-1
電話番号:0558-72-2063
定休日:火曜日(変更の場合あり)
営業時間:AM10:00〜PM16:00
(※2021年は「知足の湯」が利用できません)

「修善寺菊飾り」の次は「修善寺もみじ散策」で楽しもう!

毎年、11月中旬頃になると、「菊飾り」とバトンタッチする形で、伊豆随一のもみじ群生地「修善寺自然公園もみじ林」の紅葉が見頃になります。同じ時期、「修善寺 虹の郷」では「もみじライトアップ」、「修禅寺」では「修禅寺庭園秋の特別公開」を開催!「菊飾り」とは違う修善寺の美しさを堪能できますよ。

上記については、別記事で紹介しています。ご旅行の参考に、記事下の「この記事の関連MEMO」よりぜひご覧くださいね。
(※2021年の「修禅寺庭園秋の特別公開」は中止となりました)

2021年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/10−2020/10/26 訪問

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