富士山の原点!?五合目「冨士山小御嶽神社」からの眺望は頂上・裾野のダブル絶景

富士山の原点!?五合目「冨士山小御嶽神社」からの眺望は頂上・裾野のダブル絶景

更新日:2016/09/28 17:46

織笠 なゆきのプロフィール写真 織笠 なゆき トラベルライター、御朱印収集家、狛犬愛好家
富士山有料道路「富士スバルライン」の終点、吉田ルートの登山口でもある五合目の一角に、「冨士山小御嶽神社」はあります。駐車場に着くと、目の前の富士山の雄姿に心を奪われ、鳥居があるのに気づかない、気づいても素通りしてしまっている…という方も多いのではないでしょうか。でもそんなのもったいない!実はこここそが富士山の礎ともいうべき場所であり、隠れた絶景ポイントなんです。その縁起や眺望などをご紹介します。

富士山の基となったいにしえの山「小御岳」

富士山の基となったいにしえの山「小御岳」

写真:織笠 なゆき

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富士山は、長い年月をかけて噴火を繰り返し、溶岩と砕屑物の堆積によって高さを増してきた成層火山です。数十万年前、この地に「小御岳」という山があり、その中腹からの噴火によって「古富士」という山が、さらには「新富士」という山が覆いかぶさるように出来上がり、今日の富士山となりました。「小御岳」はいわば富士山の礎。そしてその「小御岳」、すっぽり隠れてしまったわけではなく、実は山頂部分だけが今でも顔を出しているのです。古くから山岳信仰の霊地であったそんな「小御岳」の火口部分に、承平7年(937)、「冨士山小御嶽神社」は創建されました。

※写真は、富士スバルライン五合目(標高2,305m)から富士山山頂(標高3,776m)を見上げたもの。

冨士山小御嶽神社の由緒・見どころ

冨士山小御嶽神社の由緒・見どころ

写真:織笠 なゆき

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「冨士山小御嶽神社」の御祭神は、長寿の神・縁結びの神として知られる磐長姫命(イワナガヒメノミコト)。また、富士山五合目のあたりに天狗が住んでいたという言い伝えから、天狗様もお祀りしています。毎年7月1日に行われる富士山の開山祭では、大天狗と小天狗が吉田口の“お道開き”をします。

富士登拝者やお中道などを巡る行者の安全、家運隆昌や延命長寿、富士山の平静を祈る神社として、広く崇敬を集めています。

拝殿前の鳥居には神々しい「冨士山大社」という扁額が掲げられています。他にも、縁結びなどの御利益がある「勝男木くぐり」、天狗が使っていたという百貫(375kg)の大斧など、見どころがいくつもあります。

神社の境内に展望台!ご来光や紅葉を拝もう

神社の境内に展望台!ご来光や紅葉を拝もう

写真:織笠 なゆき

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本殿に向かって右奥には展望台があり、晴れた日には正面の山々や山中湖を一望することができます。もちろんいつの季節にも眺めは美しいのですが、夏の朝はここからさらにご来光が拝めます。

(※一年中拝める位置なのですが、夏以外は「富士スバルライン」が夜間閉鎖となりますので、「富士スバルライン」の営業時間と日の出時刻との兼ね合いをご確認ください。また、夕日は境内の一角から拝せます)

秋には、裾野の樹海を順に染めていく落葉松の黄葉と、手前のナナカマドの赤が雄大な眺めに彩りを添えます。秋の澄んだ空気と相まって、より広がりを感じる景色となります。

特におすすめなのは、カラマツの黄葉が輝く秋

特におすすめなのは、カラマツの黄葉が輝く秋

写真:織笠 なゆき

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秋は富士山の中腹でたくさんのカラマツが黄葉しますが、「冨士山小御嶽神社」の境内も例外ではありません。黄金色に輝くカラマツに囲まれた朱色の鳥居は、何とも絵になる風情。雪景色の冬や、登山客でにぎわう夏もいいけれど、この光景を求めて秋に参拝するのもまたおすすめです。

富士山五合目の紅葉の見ごろは10月上旬から下旬。色づき具合は、紅葉情報のサイトを検索すると調べることができます。

「冨士山小御嶽神社」の御朱印

「冨士山小御嶽神社」の御朱印

写真:織笠 なゆき

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「冨士山小御嶽神社」の御朱印には、シンプルに「富士山」の文字が記されています。雄大で美しい山容を思い起こさせる、なんとも堂々とした筆致。富士山や天狗様のお顔が織り込まれた御朱印帳や、富士山の形のお守りも頒布されていますので、参拝の証と記念にいかがでしょう。

(※御朱印が拝受できるのは午前9時〜午後4時です)

「冨士山小御嶽神社」へのアクセス方法

車利用の場合は、夏は登山客で混みあうことから「富士スバルライン」にマイカー制限があり、麓の駐車場に車を止めてバスで五合目まで移動することになります。期間などの詳細は「富士スバルライン」公式サイトでご確認ください。

バス利用の場合は、富士急行線の冨士山駅や河口湖駅から「富士山五合目」を終点とするバスが出ています。また、新宿駅や横浜駅などからは、期間限定の高速バスもありますので、詳細は富士急行バスの公式サイトでご確認ください。行先を「富士宮口五合目」(静岡県側)とお間違いのないようにご注意を。

富士山五合目、そして富士山を支える小御岳に鎮座し、間近に山頂を仰ぎ見ることができる神社「冨士山小御嶽神社」。「立ち寄って登山の安全を祈願しよう」という方だけでなく「山頂までは難しいけれど、ここまでは行ってみたい!」という方もいらっしゃるかと思います。車やバスの利用で気軽に訪れることができますが、平地に比べるとぐっと冷え込みますので、上着を持ってお出かけくださいね。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/10/26−2015/10/18 訪問

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