写真:Shibayama Shiho
地図を見るボローニャ県の小さな町ドッツァはイタリアの多くの町がそうであるように、小高い丘の上にある、中世のたたずまいを残した歴史ある町です。高い城壁と城塞の残るこの中世の町で、他の町では見ることのできない風景を見ることができます。それは、門をくぐり、城壁の内側へ入るとすぐ目に飛び込んできます。なぜなら、城壁の中、旧市街の建物の壁に、多くのモダンな壁画が描かれているのです。それはまるで、建物の壁がキャンバスであるかのようです。
中世の道、中世の建物の中に現れる色鮮やかなモダンな壁画の数々。その不釣り合いのようにも思えるギャップが更にお互いを引き立てているようにも見えます。ただ道を歩いているだけなのに、まるで美術館の中にいるよう。ドッツァの町そのものが天井のない美術館のようです。
壁画が描かれている建物はもちろん民家として、お店として、オフィスとして使われています。芸術作品の中に、美術館のような美しい町の中に、ドッツァの人々の日常生活があるというのもまた、芸術と日常との境界線がなくなったような不思議な印象を受けます。それもこの町の魅力の一つです。
写真:Shibayama Shiho
地図を見る“美術館のような町”とドッツァを例えましたが、もちろん、実際は美術館ではありません。描かれている絵も額に入って飾られている絵ではありません。しかし、だからこそ、普通の美術館ではできない芸術鑑賞ができる町なのです。
上の写真を見てください。ドッツァの町のある建物の2階に描かれた絵の写真です。絵の中の窓は建物の本当の窓だというのがお分かりいただけるでしょうか?また、窓の下に描かれている猫。猫のしっぽが絵の枠からはみ出して下に垂れています。こうした遊び心のある作品が見られるのもドッツァならでは。額に入った絵画では表現できないような作品を見ることができます。
写真:Shibayama Shiho
地図を見るドッツァの旧市街の建物の壁にはすでに多くの絵が描かれています。壁画が最初に描かれたのは1960年代のこと。それ以来、2年ごとに、イタリア国内はもちろん、多国籍のアーティストたちによってドッツァの旧市街の建物の壁は飾られます。よって、これからも2年ごとに壁画は増えていくのです。
一度訪れたとしても、数年後再びドッツァを訪れれば、前回は見なかった壁画を見ることができるのです。そんな再び訪れてみたくなるような町でもあります。
写真:Shibayama Shiho
地図を見るドッツァの見どころは旧市街の壁画だけではありません。この町のシンボルであるドッツァ城塞も必見です。この城塞の歴史は13世紀にまでさかのぼることができますが、驚きなのが1960年まで城塞の最後の持ち主であったマルヴェッツィ・カンペッジ家の子孫がそこに住んでいたことです。現在、城塞は博物館となっており、中を見学することができます。中世の貴族の城塞での暮らしを垣間見ることができるほか、城塞なだけあり眺めが良く、城塞の頂上からはドッツァの町を囲む葡萄畑の丘を眺めることができます(写真上)。
また、ワインでも有名なこの地域。城塞の地下にはエミリ=ロマーニャ州立のエノテカ(ワイン専門店)があり、エミリア=ロマーニャ州の主なワインを購入することも可能です。
中世の街並みと、モダンアートが共存する町ドッツァ。美術館や他の町ではできない芸術鑑賞をこの町はさせてくれます。イタリアの葡萄畑に囲まれた中世の町で、いつもと少し違った芸術鑑賞はいかがでしょうか?
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(2024/5/11更新)
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