後楽園北西には、もみじと楓で構成された約300年前の人工の森があります。その名「千入」は、幾度も染め付けられたという意味を込めて、藩主の綱雅が名づけました。園内名勝の1つに数えられており、100本に及ぶもみじと楓の落葉が、辺り一帯を埋め尽くします。森の東には、弁財天堂と稲荷宮が佇んでいます。千入の眺望を楽しみながらお茶をするなら、森から離れて東に位置する「福田茶屋」が最寄です。
この福田茶屋では、きびだんご付のお抹茶(300円)、同じくきびだんご付の甘酒(500円)をはじめ、白桃ソフト(300円)といった岡山ならではの味を楽しむことが出来ます。
中でもおすすめなのは岡山名物ままかり寿司(700円)。燃えるような紅葉を愛でながら食べる名物の味は最高です。
●紅葉のシーズン:11月中旬〜12月上旬
真っ赤に色づく築山・唯心山の麓にあるさざなみ茶屋では、お茶屋定番の季節の抹茶セット(500円)、上品な甘さの梅ジャムソフト(500円)が一押しで、お土産は茶屋団子15個入り(650円)です。抹茶よりコーヒー派のニーズもあります。
唯心山の頂上に登ると園内全体をほぼ見渡すことができます。11月中旬〜12月上旬にかけて、唯心山のもみじは赤く、眼下の芝は茶色く色づき、落ち着いた雰囲気になります。太鼓橋で渡してある小島に建つのは「島茶屋」で、お茶席用に予約をとることができます。島茶屋の利用料については、関連MEMOをご確認下さい。11月中旬〜下旬にかけては「秋の幻想庭園」が開園され、夜の8時30分までロウソクや照明のライトアップによって照らし出されます。
藩主が居間として使ったのが「延養亭」で、庭園が最も美しく見えるよう設計にこだわったといいます。遠くの山も庭の一部に見える借景の技法が取り入れられており、後楽園から東に約2キロ離れた操山、南の小山に鎮座する岡山城も景色の一部になっています。
山の合間から顔を出す岡山城天守を間近で見られるのは「城見茶屋」のテラス席。ランチやディナーにぴったりの瀬戸内アナゴ丼(750円)、郷土料理のふなめし(750苑)、地物を使った岡山大根と梅しそぶっかけうどん(550円)など、ここでしか味わえない一品を堪能しましょう。
延養亭は、隣接する臨二軒の天井画に竜が描かれていることから「竜の間」とも呼ばれています。一般公開は不定期で新緑のシーズンに1回、紅葉のシーズンに2回催されます。2016年秋の開催予定は10月24日(月)〜30日(日)の6日間。人数制限があるので予約はお早めに!
●延養亭一般公開 ※要予約
・日時:2016年10月24日(月)〜2016年10月30日(日)09:00〜17:00
・定員:20人
・参加料:200円
・見学時間:ガイド解説10分/自由見学10分
唯心山を降りて北に歩くと、川の飛び石の向こうに流店が見えてきます。流点の北から南にかけて水路が通り、自由に見学することができます。水のせせらぎに耳を傾けながら、後楽園名物・お庭そだちはいかがでしょうか。彩り豊かな会席風のお弁当は自然と食欲をそそり、甘さ控えめでコクのある梅酒とよく合います。
11月中旬〜12月上旬はもみじ、楓、サザンカ、ツバキが見ごろを迎え、年間イベントに合わせて訪れるとより一層思い出に残ることでしょう。2016年は武家らしい豪快で飾り気のない芸風で知られる喜多流の後楽能が披露されます。
9月に入れば、紅葉が美しい千入の森が色づき始め、唯心山はかすかにグラデーションがかります。園内で飼育されるタンチョウはこの時期から庭園に放たれ、絵になること間違いなし。日常から離れて、幻想的な日本庭園でお茶をするなら、秋の後楽園が一押しです。
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