砂湯だけじゃない!岡山県「湯原温泉」で自然と文化の香りに癒されよう!

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砂湯だけじゃない!岡山県「湯原温泉」で自然と文化の香りに癒されよう!

砂湯だけじゃない!岡山県「湯原温泉」で自然と文化の香りに癒されよう!

更新日:2016/09/29 11:25

菊池 模糊のプロフィール写真 菊池 模糊 旅ライター、旅ブロガー、写真家

岡山県の北部、中国山脈の山懐に抱かれた旭川沿いに湯原温泉があります。美作三湯のひとつとして親しまれてきた名湯で、近年では露天風呂番付で西の横綱に選定され、人気を集めています。有名な砂湯以外にも、自然と文化の見どころが沢山ありますので、ぜひゆっくりされ癒されてください。

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和風旅館に宿泊し温泉情緒を味わう

和風旅館に宿泊し温泉情緒を味わう

写真:菊池 模糊

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湯原温泉郷は、美作三湯のひとつとして親しまれてきた名湯で、無色透明のアルカリ性単純温泉で、神経痛や冷え症に効果的とされています。近年では露天風呂番付で西の横綱に選定され、人気を集めています。ダムの下の露天風呂は「砂湯」といい有名ですが、それだけでなく多くの見どころがありますので、今回は砂湯以外のスポットを紹介させていただきます。

湯原温泉には多くの宿があり、巨大ホテルから小さな旅館までいろいろありますが、歴史のある温泉地ですので、やはり和風旅館が情緒がありおすすめです。ホテルに宿泊された場合も、川沿いに広がる温泉街をじっくりと散策してみてください。

砂湯付近には「寄りそい橋」という吊り橋がありカップルの記念撮影スポットです。また温泉街の中央には「湯原温泉薬師堂」があって、失くしたものが帰ってくるお薬師様として信仰を集めています。「湯原温泉ミュージアム」は、一階は温泉関連売店と多目的ホールで、二階は野口冬人記念館となっています。「ドラゴン遊技場」という昔なつかしい射的店もあります。「街かど物語」と名づけられた大きな壁画があり、町のお年寄りからこどもまでが集って仕上げた作品で必見です。

温泉街から南へ河川敷にも遊歩道が整備されており、足湯が四か所もあり散策するのに最適です。湯原大橋を渡った「独楽(こま)の博物館」では大独楽回し体験ができます。さらに南へ歩くと「真庭市役所湯原振興局」がありますが、この建物は元・湯原町役場であった古い木造庁舎で雰囲気があります。

三国一の美女「おふくの方」の像を見て歴史ロマンにひたる

三国一の美女「おふくの方」の像を見て歴史ロマンにひたる

写真:菊池 模糊

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湯原温泉街を散策していると、菊之湯の前に、おふくの方湯治邸跡があり、印象的な像が立っています。(写真参照)

おふくの方は、才色兼備の女性で、その波乱に満ちた生涯は、戦国のクレオパトラともいうべき存在です。美作に生まれ、勝山高田城主である三浦貞勝に嫁ぎましたが、高田城は落城の憂き目にあい、夫の貞勝は自害します。その後、おふくは、乱世の梟雄・宇喜多直家の妻となり子(後の宇喜多秀家)をもうけますが、直家は病死します。

おふくは未亡人城主となりましたが、羽柴秀吉に接近し、その側室となることでわが子・宇喜多秀家の将来を託します。秀家は秀吉の養子として重用され、秀吉晩年には五大老の一人となります。秀吉の死後、秀家は関ヶ原の戦いで西軍の主力として戦い、敗戦後は八丈島に流されて、おふくと二度と会えなかったそうです。

宇喜多秀家が豊臣秀吉政権下で岡山城主であった当時、病を得た母おふくのために、湯原に湯治場を開設しました。大きな湯屋のほかに寄宿10余棟を造営したと伝えられ、おふくの方は長期間、湯治療養したとのことです。これが、湯原温泉が本格的な大温泉地として利用された最初です。

おふくの方の像の前に立って、戦国時代に自己の美貌と知略で生き抜いた女性の生涯を思い起こし、歴史のロマンにひたってみるのも一興です。

与謝野晶子歌碑で文学の世界を逍遥する

与謝野晶子歌碑で文学の世界を逍遥する

写真:菊池 模糊

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湯原温泉には偉大な歌人・与謝野晶子関連の歌碑が二か所あります。夫の鉄幹が少年期を岡山で過ごしたことから、与謝野鉄幹、晶子夫妻は、しばしば岡山県を訪れました。夫妻はこのあたりがお気に入りだったようです。

まず、砂湯の近くに与謝野晶子の単独の歌碑があります(写真参照)。

かじか鳴き夕月映りいくたりが岩湯にあるもみな高田川

高田川(現在の旭川)の清流に月影が揺れ、かじかが鳴く様を情緒たっぷりに詠んでいますね。現在も清流は美しく、かじかの鳴き声も健在です。なお、かじか蛙は、湯原温泉一帯が特別繁殖地で、春から夏にかけてコロコロと涼やかな声を響かせます。

湯原温泉の中心地の写真スポットでもある鼓橋(つづみばし)のたもとには、夫妻の歌碑があります。

鼓橋をわがのる乗合自動車(くるま)渡りゆけば礼する娘ありいで湯の街に 寛
鼓橋湯山の橋を渡るなり奥美作の夏の夕ぐれ 晶子

寛(鉄幹)の歌は乗合自動車に礼をする人を詠んでおり、晶子の歌は奥美作の夕刻に橋を渡る情景をさらりと詠んでいます。

こうして、温泉街を散策しながら、湯原の美しさを象徴する歌碑を訪ねると、しみじみとした気分になります。まさに文学散歩です。

はんざきセンターを見学し野生動物の驚異を体感する

はんざきセンターを見学し野生動物の驚異を体感する

写真:菊池 模糊

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湯原温泉の中心街から南へ少し歩いて湯原大橋を渡った先に「はんざきセンター」があります。
「はんざき」とは、世界最大の両生類オオサンショウウオのことで、半分裂かれても死なないという伝説から名づけられたようです。河川の上流域に生息しますが、国の特別天然記念物で、捕獲して食利用することは禁じられています。その昔は、山間部における貴重な蛋白源として食用にされてきた歴史を持ち、その際、身をさばくと山椒の香りがすることから「山椒魚」とも名づけられたようです。

はんざきセンターは、正式名を「湯原オオサンショウウオ保護センター」といい、湯原温泉近辺に棲息するオオサンショウウオを調査研究し、多くの個体を大型水槽で飼育しています。中には体長140cmを超えるものもいて、推定年齢100歳くらいではないかと思われます。複数の標本展示もあり、驚かされます。大きいので少々グロテスクですが、とても貴重な体験ができる場所です。

センターに隣接して、「はんざき大明神」が祀られています。これは、戦国時代に大はんざきを退治した一族に災厄があったため、祟りを恐れた村人たちが、祠を作りそれを大明神として丁重に祀ったことに由来します。今では、毎年8月8日に「はんざき祭り」が催行され、湯原温泉の夏の風物詩となっています。この祭りの大はんざきの山車が、センターの北側広場に格納されており、見学することができます。異様な迫力のある山車ですので、ぜひご覧ください。

神庭の滝を仰いで雄大な自然に癒される

神庭の滝を仰いで雄大な自然に癒される

写真:菊池 模糊

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湯原温泉郷から南へ車で30分ほど走ると、西日本随一の迫力を誇る「神庭の滝(かんばのたき)」の入り口に至ります。駐車場にクルマを止め、ひのきチップを含んだ舗装で整備された遊歩道を15分ほど登ると、その雄大な滝が姿を現します(写真参照)。滝の中央には大きく黒い岩が突起し、落下する滝の流れに逆らってのぼるように見えることから「鯉岩」と呼ばれています。

神庭の滝は「日本の滝百選」にも選ばれた、高さ110m、幅20mの西日本最大級の名瀑です。この水系は、中国山地を南流し、岡山市を流れ瀬戸内海に注ぐ旭川の支流神庭川の源流地帯にあたります。神庭の滝の付近は深い中国山地のど真ん中で、深山幽谷の雰囲気があり、水量が豊富で迫力があります。

神庭の滝の下流には、雨のしずくが落ちるような「玉垂の滝」や「鬼の穴」と呼ばれる石灰岩の洞窟もあります。また、時期によっては野生の猿に遭遇することもあります。この一帯は、国指定の名勝、県立自然公園に指定されており、四季折々の美しい渓谷の姿を楽しむことができます。滝のマイナスイオンを浴びて心を落ち着け、渓谷の水と緑の美しい景観をゆっくりと探勝してください。

最後に

岡山県北部の美作地方は山深く風光明媚な地域です。中でも湯原温泉は、米子自動車道が通じ交通も至便で、温泉情緒をたっぷりと味わえる場所です。町全体が協力して温泉地の振興に力を入れており、好感が持てます。砂湯以外もたくさんの見どころがありますので、ぜひ訪問され、日がな一日を楽しんでください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/06/29 訪問

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