紅葉とのコラボで美しさ倍増!福島「二本松の菊人形」は日本最大級の菊の祭典

紅葉とのコラボで美しさ倍増!福島「二本松の菊人形」は日本最大級の菊の祭典

更新日:2016/09/14 14:55

彰 伴治のプロフィール写真 彰 伴治 温泉ソムリエマスター、平泉世界遺産ネット検定1級、三陸鉄道ネット検定1級、岩手おもてなしネット検定1級
日本百名城の一つである福島県の二本松城。霞ヶ城の愛称で親しまれ、城内一帯が公園として整備されています。その霞ヶ城公園で毎年10月1日から11月23日までの開催される「日本松の菊人形」は日本最大級の菊の祭典。紅葉の時期と重なるため、色とりどりの菊で飾られた人形と丹精込めて育てられた素晴らしい菊が、紅葉を背景に一段とその美しさを増します。紅葉とのコラボがとても美しい「二本松の菊人形」をご紹介します。

日本百名城の二本松城は「霞ヶ城公園」として復活

日本百名城の二本松城は「霞ヶ城公園」として復活

写真:彰 伴治

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JR二本松駅から車で約5分、白幡が峰と呼ばれる山に築かれた名城二本松城。現在は石垣と再建された箕輪門(みのわもん)と附櫓(つけやぐら)が残るのみですが、戊辰戦争における二本松少年隊の悲しい歴史とともに、春には日本のさくら名所百選に選定された桜、夏には山頂に残る天守や本丸の石垣から眺める名峰安達太良山(あだたらやま)などの素晴らしい景色、そして秋には紅葉と菊人形に多くの観光客が訪れます。

白く美しい箕輪門の前に並ぶ銅像は二本松少年隊群像。二本松には戊辰戦争で悪化する一方の戦況に、やむなく会津の白虎隊より更に若い12歳から17歳の少年たちを戦地へ送り出し、その多くが戦場に散るという悲しい歴史があります。その少年たちを後に少年隊と名付け、決して忘れることの無いように作られた銅像です。

明治5年の廃城令によりすべての建物が取り壊されますが、その後昭和57年に箕輪門が再建されるなど霞ヶ城公園として整備された城内には、二本松少年隊の勇気を称える顕彰碑や、二本松で生まれ日本を代表する詩人で彫刻家である高村光太郎の妻となった千恵子の詩碑、日本三名井の一つ日陰の井戸、江戸時代に建てられた茅葺き屋根の茶亭洗心亭など、二本松の歴史と文化を肌で感じることのできる多くの石碑や建物が残っています。

60年以上の歴史を誇る「二本松の菊人形」は日本最大級

60年以上の歴史を誇る「二本松の菊人形」は日本最大級

写真:彰 伴治

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昭和30年に始まり、毎年10月1日から11月23日まで開催される「二本松の菊人形」。60年以上の歴史を誇る菊の祭典は、前年に話題となった時代劇や二本松ゆかりの人物の菊人形や、動物の形をしたり建物を飾り付けた菊の展示と、愛好家が一年間手塩にかけて育てた素晴らしい菊の品評会が行われ、菊の美しさとその作品の素晴らしさに感動の連続です。

展示される菊人形は約130体で菊は3万株以上とその規模は日本最大級。藩政時代から愛好家の多い二本松ならではお祭りです。

写真は会場の中心となる舞台に、長い歴史を持ち福島県を代表する祭りである二本松の提灯祭りの昔の様子を再現した展示。たくさんの色鮮やかな菊と紅葉に囲まれた舞台は、みごと!の一言に尽きます。

時代劇の再現はリアルそのもの!

時代劇の再現はリアルそのもの!

写真:彰 伴治

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二本松の菊人形はしばしば時代劇や、二本松にゆかりの人物を題材として製作されます。

写真は清州会議。安土桃山時代の天正10年(1582年)6月27日、織田信長が本能寺の変で討たれた後、織田家家臣の柴田勝家、丹羽長秀、羽柴秀吉、池田恒興が尾張国の清洲城で織田家の後継者を決定する会議で、後に豊臣秀吉となる羽柴秀吉が、信長の嫡孫である三法師を抱きかかえて「長子相続の筋目論」(正室の長男が跡を継ぐのが正しいという考え)を主張している場面。

華やかな菊やふすまに描かれた絵とは対照的に人形の形相はリアルそのもの。にらみを利かせた強烈な目線に思わず背筋がぞっとするほどです。

世界にも例を見ない圧倒的な「千輪咲」

世界にも例を見ない圧倒的な「千輪咲」

写真:彰 伴治

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菊人形と合わせて開催される菊の品評会には、愛好家がその素晴らしい技術と執念で育て上げたとても素晴らしい菊が出展されます。菊は一枝に一輪だけ残した大菊(一輪菊)も素晴らしいのですが、二本松の菊人形で特に目を奪われるのが「千輪咲」。

写真は花の数がなんと1434輪!。一年半以上の歳月をかけて育て上げたその姿にはただただ圧倒されます。

また世界初といわれる三色の千輪咲など、他では絶対に見ることのできない素晴らしい菊に出会うことができ、菊愛好家でなくても十分に楽しめ、ひたすら感心すること間違いありません。

静かな茶室で一休みして絶景の天守へ

静かな茶室で一休みして絶景の天守へ

写真:彰 伴治

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菊人形会場会場を抜け水面に蓮の葉が揺れる池を眺めながら、素晴らしい紅葉の坂道を少し上ったところにある茶亭「洗心亭」。江戸時代そのままの姿で残る茶室からは眼下の池や山の紅葉、そして菊人形の会場が一望できます。

洗心亭では抹茶とお菓子のセットが頂けるのでここで一息つきましょう。その後は更に坂を上って少年隊や千恵子の石碑、日陰の井戸などを見て周り、天守の石垣からの絶景を眺めて菊人形会場へ戻るルートがお勧めです。坂を上るのは少ししんどいですが、菊人形でも度々題材となる伝説が数多く残る安達太良山を眺め、二本松の歴史を知ることで菊人形が一段と楽しくなるに違いありません。

「二本松の菊人形」で菊と紅葉を堪能しよう!

いかがでしたか?
「二本松の菊人形」は毎年10月1日から11月23日までで、第62回となる2016年のテーマは『あっぱれ!ニッポン!世界に誇れる日本人』。国内外を舞台に活躍してきた日本人を菊人形で表現します。霞ヶ城公園を舞台にどんなドラマが繰り広げられるのか、期待に胸が膨らみます。

かつては日本各地で行われた菊人形祭りですが、昨今は廃止や規模縮小するところが多くなっていますが、二本松の菊人形は年々パワーアップしその素晴らしさを増しています。是非、紅葉とのコラボが楽しめる「二本松の菊人形」へお越しください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/16 訪問

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