増田の町の起こりは南北朝期に城が築かれたことにありますが、江戸時代に物資の集配地となったことで発展しました。皆瀬川と成瀬川が合流するところなので、物流の拠点として適していたんです。重伝建となるのは中七日町通の周辺です。この通りの周辺の約10ヘクタールに歴史的建造物が140棟以上確認されています。
通りの両側には大きな木造家屋が並びます。その多くは切妻造・妻入で、せまい間口に対して奥行がある構造です。さて、この写真の建物では窓の中に蔵が見えます。これが特徴的な点で、増田では建物の中に「内蔵」とよばれる蔵を備えているんです。外に出ずに蔵に行けるので、雪国にはもってこいです。生活スペースのすぐ近くに家財をおけるので、盗難からも守れて安心です。とはいえこの建物は特別な例で、内蔵は通常敷地の奥におかれます。したがって、通りを歩いて外観を眺めるだけでは町の特徴を十分に感じることはできないんです。
内蔵の町に行って内蔵が見られないのではおもしろくないですよね。現在も多くの家屋は住居や店舗として利用されており、少し前までは内蔵も一般公開はされていませんでした。ところが、最近は観光で訪れる人も増えてきて見学できる内蔵も増えてきました。施設の見学には予約が必要なところもあるので、あらかじめ下記の観光協会のウェブサイトなどで確認しておいて下さい。公開情報などは「観光物産センター蔵の駅」でも得られます。「蔵の駅」はもともとは石平金物店の建物だったのですが、所有者の石田家から市に寄贈され、案内所兼物産販売所として利用されています。もちろん昔の建物のままなので、内蔵の見学もできます(写真)。この内蔵は明治中期のものです。屋内の蔵で風雨による劣化がない上に、座敷として使用することが多いので、高度な漆喰仕上げとし、豪華な造りにします。古いものほど簡素な造りなので、他の内蔵と比較して建築年代による違いを感じてみて下さい。
保存地区内にはこんな異色の建築もあります。昭和12年上棟の三階建の建物です。もともとは酒造業を営んでいた家ですが、現在では公共施設となっているので見学できます。奥には土蔵もつながっていて、これも必見です。
新しく重要伝統的建造物群保存地区となる増田の町の紹介でした。この町では内蔵が特徴なので、ぜひいろんな内蔵を見学してみて下さい。まずは「観光物産センター蔵の駅」で内蔵1つ目の見学と情報収集を。他の施設でも内蔵の見学はできますが、予約が必要なところもあります。公開情報は下記リンクの観光協会や市のウェブサイトで確認できます。新しく保存地区になったことで、見学できるところが増えるかも。国の保存地区になったことで、環境整備もすすむと思います。これからどうなっていくか要チェックですよ。
見学できる施設は所有者が住居や店舗として使用しているものがほとんどで、これらは所有者の厚意による公開です。見学の際は迷惑にならないように気をつけて下さい。
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(2024/4/23更新)
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