写真:浦賀 太一郎
地図を見る福山城といえば、旧城域が国指定史跡で、日本百名城にも選定されている、中国地方きっての名城!・・・なのですが、その城郭は本丸部分を残して、ほぼ都市部に埋没しています。福山駅も、旧三の丸に駅舎を構え、お堀の跡に線路を敷き、「城が近い」というよりも、むしろ「城の中」に電車が乗り入れているといった方が正しいとすらいえます。
そのため、新幹線の上りホームからは、福山城の主要部分を正面から見据えることができます。上りホームの中央付近で見える櫓(写真)は、京都の伏見城から移築された、その名もそのまま「伏見櫓」。初層と二層が同じ平面で、小さめの三層が乗った珍しい形状で、国の重要文化財に指定されています。また伏見櫓の先にある「筋金御門」も同様に伏見城からの移築で、こちらも貴重な現存遺構として重要文化財に指定されています。
天守閣は写真の奥に頭だけ見えていますが、ホームをずっと上り方面に歩いて行くと、天守閣も、赤い欄干がポップな月見櫓も一望することができるんですよ!新幹線で福山に来たら、下り方面から来た方も、ぜひ上りホームへ移り、福山城の眺望を楽しんでくださいね!
写真:浦賀 太一郎
地図を見る福山駅の構内からは、福山城の石垣の遺構を見ることができます。福山城の石垣は、多くは隙間を少なく加工した「打込接(うちこみはぎ・写真)」がメインですが、よくよく探してみると、更に高度に隙間なく加工された「切込接(きりこみはぎ)」や、荒々しい戦国の名残を伝える「野面積(のづらづみ)」、石垣の隅には石垣の強度を飛躍的に高めた「算木積(さんぎづみ)」などなど、「石垣のお手本」と言えるほど、豊富な石垣を誇ります。
マニアックすぎて「そこまで細かくわからないよ」という方には、石垣ビギナーでも、家族でも楽しめる「刻印石垣探し」がおすすめです!
福山城は、徳川家康の従兄弟・水野勝成が築いた城なので、いわゆる「天下普請」で、多くの業者や大名が携わっています。石垣の刻印は、担当した職人や大名たちの仕事の証なのです。刻印は、「○」のようなものが多いですが、中には「十」や人の顔(?)のようなものもあり、結構楽しいですよ。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る駅周辺には多くのホテルが建ち、ビジネスや観光拠点として発展しています。駅前!ということは、そうです!駅近のホテルは=城近でもあり、福山城を展望できるホテルもあるんです!
夕焼けが綺麗な城の東側(駅北口)を狙うなら、宿泊料金がリーズナブルな「丸之内ホテル」、広々としたクイーンサイズのベッドが自慢の「ベッセルイン福山駅北口」を。
正面から天守閣、伏見櫓、月見櫓を見据えたければ(駅南口)、駅から最も近く、マッサージチェアー付きの部屋もある「福山と〜ぶホテル(写真)」、レストランやバーも豊富なシティホテル「福山ニューキャッスルホテル」。などがあります。
お城を展望できない部屋もあるので、事前に問い合わせてみて下さいね。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る福山城の本丸(天守閣前広場)は6:00〜22:00まで開門されています。朝食前のお城散歩も楽しいですし、本丸から見る、ぼんやりとライトアップ(日暮れ〜22:00)される天守閣は、町の喧騒の中から眺めた時とはうってかわって幻想的!明るい駅前が嘘のような史跡公園の静けさは、心が安らぎますよ!
市街地化が進み、城域のほとんどが破却されてしまった福山城ですが、本丸付近だけでも、現存の櫓をはじめ、渇水時にも枯れることのなかったと伝わる「黄金水」、旧天守閣の礎石など、そこここに、さすが国史跡!百名城!と、讃えたくなる巨城の痕跡が残されています。
写真:浦賀 太一郎
地図を見る福山城に来たからには、せっかくなので眺めるだけではなく、天守閣に登ってみましょう!福山城の天守閣は、江戸から明治という時代を乗り越え、国宝に指定されていた立派な文化財でしたが、昭和20(1945)年のアメリカの空襲によってに焼失してしまいました。現在本丸にそびえ立っているのは、昭和41(1966)年に再建された、五重六階地下一階の鉄筋コンクリート構造の再建天守です。
忠実に復元された天守ではありませんが、「福山城博物館」として、古代から現代にいたるまでの、福山の歴史や文化を伝えています。
最上階からは、サーっと走り抜けていく新幹線、ホテルやビルの立ち並ぶ駅周辺や、郊外の小高い丘や背後の山々などを一望でき、なかなか壮観です!
広島県の東の玄関口に位置する福山市。明治維新以降は、城郭保護よりも、むしろ経済発展に重きを置いた開発がすすめられ、福山城は荒廃の一途を辿ります。昭和に入り、地元有志の思いによってようやく整備され始めたころに、福山大空襲によって当時国宝であった天守閣をはじめ、破却を免れていた多くの文化財が焼失してしまいました。
そして、いま改めて城下町・福山の歴史を辿る再開発の議論が、市内では胎動を始めているのです。
山陽道の要衝・福山城の景観を、新幹線で見過ごすだけではなく、ちょっと一息。町からお城を眺めて、お城から町を眺める、駅近の歴史旅はいかがでしょうか。
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(2024/4/23更新)
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