写真:Hiroko Oji
地図を見る白い石灰質の丘の頂上から町を見下ろすノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂がシンボルの南仏・マルセイユは、ロマン溢れる港町。そのマルセイユの旧港からほんの20分ほどボートに乗れば、訪れることができるのが今回ご紹介する「フリウル(Frioul)島」です。
マルセイユを出た船は、旧港をぐるりと取り囲む、博物館や市庁舎、サン・ローラン教会やサン・ヴィクトール修道院、サン・ニコラ要塞などの壮大な眺めを後に、10分ほどもすると、イフ島横を通り過ぎます。イフ島は、デュマの小説「モンテ・クリスト伯」で、主人公が無実の罪に問われて閉じ込められた島。16世紀に要塞が築かれて以来、死刑囚や受刑者、ペスト患者などが、この島に収容され、不幸な日々を過ごしたという歴史があり、岩には、囚人たちが刻み込んだ文字が今も残っています。
イフ島を通り過ぎて10分、クルーザーがたくさん浮かぶ港のあるフリウル島に到着です。
写真:Hiroko Oji
地図を見るマルセイユの陸地に住んでいる人で、中でもエコロジストたちは「船を買って、フリウル島に住むのが夢」なんだそうです。それほど憬れの的となるフリウル島では、出来るだけ自然の状態を残そうと、一生懸命に島をきれいにする呼びかけが行われてきました。
その成果でしょうか。白い石灰質の岩場が大半を占め、建物があるのは港周辺のみ。岩場の間から顔を出す小さな花々が愛おしくさえ思えるほど。遊歩道などもほとんどなく、人々が歩んできたところが踏み固められて道となり、絶景を見渡せるポイントへと導いてくれます。所によっては斜め断層が剥き出しになっている箇所もあり、手つかずの自然が見せる迫力のある風景が楽しめます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るフリウル島を取り囲むカランクと呼ばれる入り江は、白い岩場が続いて海に落ち、澄み切ったコバルトブルーの水が美しいばかり!カランクは、マルセイユからカシ(Cassis)を結ぶ海岸線で見られる独特の地形で、先史時代の氷河期とその後の地殻変動によってできたものですが、このフリウル島でも出会える美しい風景です。
島周辺で行うダイビングは格別だとのこと。近場の浅瀬では、少し潜っただけでたくさんの魚がまわりに寄って来るので、「遠くまで行かなくてもここで十分」というフリウル島です。
写真:Hiroko Oji
地図を見る切り立った入り江から続く白い岩場のてっぺんには、元はお城であったかのような廃墟が広がっています。石を積み上げただけの壁が残っている状態ですが、ここからの眺めがまた素晴らしい!カモメが自由に歩き回る廃墟の石積みの上に座り込んで、ひたすら地中海を眺めるひと時も、また格別な時間になることでしょう。
写真:Hiroko Oji
地図を見る写真は、フリウル島の港、奥にイフ島、その左奥にマルセイユのノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂の眺めです。が、角度を変えると、海を隔てた陸地には建物がぎっしり建ち並ぶマルセイユの町並み、カシ方面には、奥に山並みが続きます。反対側を振り返って見ると、ひたすら碧い海の続く地中海風景。どちらを見ても絶景だらけです。
マルセイユの旧港、ベルジュ(Berges)埠頭からは、ほぼ1時間毎にイフ島行きの船が出ています。と言っても、冬場は本数も減って月曜日はクローズされており、上陸できない日もあるのですが、こちらフリウル島は年中上陸可能で、イフ島がクローズの日でも、訪れることができます。なので、イフ島上陸可能日であれば、二つの島をセットで訪れることもできます。マルセイユに2日以上滞在できれば、一度足を延ばされてはいかがでしょうか。月曜日を避けて、お天気の良い日にトライしてみて下さいね。
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(2024/4/24更新)
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