写真:よしおか
地図を見る能登町真脇(まわき)地区は、石川県金沢市から車で約2時間の奥能登に位置し、波穏やかな富山湾に面しています。真脇遺跡公園からは美しい富山湾を望み、三方を丘陵に囲まれた自然豊かな心安らぐ場所です。
そんな静かな公園の入り口に突如現れる巨大な土面。一度見ると忘れられない土面は、高さ3.9mもある縄文後期の日本最古の仮面のレプリカであり、真脇遺跡公園のモニュメントとしてお出迎えしてくれます。
写真:よしおか
地図を見る真脇遺跡は昭和57年から始まった発掘調査によって発見され、縄文時代の前期(約6,000年前)から晩期終末(約2,300年前)までの約4,000年の間に繁栄し続けた集落であったことがわかっています。これらの事実は、食糧を求めて移動していた縄文期において非常に珍しい長期定住型であったことから、縄文文化に新しい風を吹き込みました。
さらに、遺跡からは通常は残りにくい遺跡が次々と良好な状態で出土され、特に中期初頭(約5,000年前)の層からは、大漁のイルカの骨が出土していることから、「イルカ漁」が行われていたことが明らかになり、縄文時代の食生活を知るうえで大きな手かがりとなりました。
こういったことから、真脇遺跡は全国でも比類のない貴重な遺跡とされ、平成元年には国指定史跡に指定、平成3年には出土品219点が国の重要文化財に指定されました。
写真:よしおか
地図を見る広大な真脇遺跡公園内には、縄文文化をテーマにしたユニークな土偶や灯籠などモニュメントがところどころに配置され、まるで縄文時代の世界に来たかのよう。
特に目を引くのは、晩期の円形に並べて立てられた巨大な「環状木柱列(かんじょうもくちゅうれつ)」と、中期の「板敷き土壙墓(どこうぼ)」が出土した場所に復元されているオブジェです。
「環状木柱列」は、石川県金沢市や富山県小矢部市などでも見つかっており、北陸地方特有の縄文期を象徴する遺構となっています。「環状木柱列」の特徴は、クリの木が使用され、どの木柱もかまぼこ状に割られ、6本〜10本が環状になって並べられているというもの。真脇遺跡の「環状木柱列」は、高さ約8m、直径約7mの環状といった巨大なものであり、間近で見ると迫力満点!壁・屋根の有無や、どのような目的で使われていたのかは詳細な事実はまだわかっていませんが、この木柱が建てられていた場所は、縄文人にとって「聖なる場所」だったに違いありません。
「環状木柱列」を見たならば、次は円の真ん中に立ってみてください。大きな木柱に囲まれた空間に立つと、まるで縄文時代にタイムスリップしたかのような不思議な感覚になりますよ!今ではパワースポットとして人気な場所になっています♪
写真:よしおか
地図を見る真脇遺跡公園周辺には、縄文文化を知る施設が隣接しています。「真脇遺跡縄文館」では、真脇遺跡出土品から、国の重要文化財に指定された219点の遺物を展示し、真脇遺跡と縄文時代の生活などについて分かりやすく紹介しています。
さらに、縄文館に併設して設けられた「真脇遺跡体験村」では、縄文文化をテーマに土器づくりや仮面づくり、古代米を使用したパンケーキづくりなど、お子様も喜ぶさまざまな体験を行うことができるんです!
写真:よしおか
地図を見る真脇遺跡公園内には、レストラン併設の宿泊施設「真脇ポーレポーレ」があり、公園で遊んだあとは温泉でゆっくり疲れを癒すこともできます。
竪穴式住居をイメージして設計されたという温泉宿は、地中に埋まっているかのように入り口が低くなっており、遠くからみると丘のように見え、上から見るとゆったりと曲線を描いています。2014年4月には、温泉浴場がリニューアルオープンし、露天風呂付き温泉浴場には縄文真脇温泉が引かれています。宿泊はもちろん日帰り入浴も楽しむことができますよ♪
運がよければ高台から立山連峰を眺めることができます。
今もなお発掘調査が続く真脇遺跡。今後も縄文期の生活を知るうえで貴重な遺物が発見されることでしょう。
全国でも比類のない貴重な遺跡がある真脇遺跡公園は、古代史ファンはもちろん、家族連れや友人同士が縄文文化に気軽に触れることができるスポットです。穏やかな富山湾と緑豊かな場所に囲まれた能登町の真脇遺跡に足を運んでみませんか。
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(2024/4/25更新)
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