太古の遺跡を巡る!北海道余市町「フゴッペ洞窟」と「環状列石」

太古の遺跡を巡る!北海道余市町「フゴッペ洞窟」と「環状列石」

更新日:2016/09/09 18:09

北海道余市町には縄文時代のものと思われる遺跡が多数残されています。国指定史跡にもなっている「フゴッペ洞窟」には200以上の壁画が残されており、羽や角の生えた不思議な人型の絵が彫られています。また、小高い山に残されている環状列石(ストーンサークル)も余市町周辺に複数残されています。特に「西崎山環状列石」は見学しやすく景色も美しいお勧めスポット!太古の時代に想いを馳せながら史跡巡りをしてみましょう。

世界的にも貴重な史跡!北海道余市町の「フゴッペ洞窟」

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北海道余市町とその近隣のエリアには、縄文時代のものと思われる壁画や環状列石(ストーンサークル)などの貴重な遺跡が数多く残されています。その中でも、学術的にとても興味深いと言われているのが、国指定史跡「フゴッペ洞窟」です。

「フゴッペ洞窟」は、小樽市から国道5号線を使うと、余市町に入ってすぐの場所にあります。海岸に近いこの洞窟は、約5000年前に起こった縄文海進と呼ばれる海面上昇で削られたできた洞窟だと言われています。今は国道5号線となり多くの車が行きかう場所。この場所が海底だったとは、何とも不思議な気分になります。ただ、この辺りの海岸線は断崖絶壁が多く、「フゴッペ洞窟」も施設の後ろは大きな岩肌となっています。そのような様子を見ると、この場所が波の浸食によってつくられた地形だというのも頷けます。

謎の多い壁画にロマンを感じて!200以上の壁画のメッセージ

謎の多い壁画にロマンを感じて!200以上の壁画のメッセージ
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「フゴッペ洞窟」はそれ程規模の大きい洞窟ではありませんが、その内側には何と200以上の壁画が残されています。壁画が描かれたのは縄文時代とされていますが、詳しいことはわかっていません。と言うのも、「フゴッペ洞窟」のような壁画が描かれているのは、似ているとされる北海道小樽市の「手宮洞窟」以外に国内には発見されていないからです。

この洞窟の壁画が多くの人を惹きつけるのは壁画の数だけではなく、描かれている内容に理由があります。壁画には、頭に角を持った人や背中に羽が生えている人など、太古の時代に実在したとは考えられないような人物画が描かれているのです!かつては、これは宇宙人ではないかという説を唱えたり、古代文字だと考えて解読しようとした人までいたそうで、謎の壁画としても注目されました。

様々な憶測があった「フゴッペ洞窟」ですが、現在ではシベリアの東側を流れるアムール川の近くの文化と関係があるのではないかというのが定説になっています。それにしても、どうしてそれ程離れた場所の民族と関係していたのか、アムール人が海を渡ってきたのか、それとも先住民族が描いたものなのかなど謎は深まるばかり。一体この壁画にはどのようなメッセージが隠されているのでしょうか。とてもロマンあふれる史跡です。

ちなみに、「フゴッペ洞窟」は大変貴重な史跡のため、館内での撮影は許可されていませんのでご注意ください。

森の中を抜けた先にある史跡「西崎山環状列石」

森の中を抜けた先にある史跡「西崎山環状列石」
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余市町にある史跡は「フゴッペ洞窟」だけではありません。余市町と一つ山を挟んだ先の小樽市忍路(おしょろ)エリアにはストーンサークルと呼ばれる環状列石が2つあり、余市町とあわせて3つのストーンサークルが残されています。その中でも、ぜひ訪問してほしいのが余市町にある「西崎山環状列石」です。

小樽市忍路エリアにある「地鎮山環状列石」や「忍路環状列石」と比べ、余市町の「西崎山環状列石」がお勧めの理由は、保存状態が非常に良いということです。広い駐車場やストーンサークルまでの遊歩道も整備され、丸太が埋められた森の中の遊歩道を進むと、先にある史跡への期待も高まります。見学無料なので史跡巡りをしたいという人はぜひ訪問してみてください。

古代人が残した石造遺構!ビュースポットとしても魅力的

古代人が残した石造遺構!ビュースポットとしても魅力的
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遊歩道を抜けると突然木々が無くなり、石が不自然に並べられた広場にたどりつきます。ここが「西崎山環状列石」で、縄文時代というはるか昔に古代人が残した石造遺構を間近に見れる大変興味深い史跡スポットです。現在までの研究で、忍路エリアのものも含めこれらの環状列石は集団墓地だったのではないかと考えられています。

また、「西崎山環状列石」は小高い山の尾根に位置しており、余市の町や海を見下ろすことができる絶景スポット!夕暮れ時は特に素晴らしく、余市町のサンセットダイヤモンドとも呼ばれるシリパ岬に沈む夕日を見ることができます。この風景を見て太古の人たちがここを故人を埋葬するような特別な場所に選んだのだとしたら、とても洗練された感性を持ち合わせていたのかもしれませんね。

フルーツ街道の謎の石造!不思議なオーラに立ち止まらずにはいられない

フルーツ街道の謎の石造!不思議なオーラに立ち止まらずにはいられない
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小樽市忍路(おしょろ)エリアにある2つの環状列石が、「忍路環状列石」と「地鎮山環状列石」です。この2つの環状列石へは、小樽市と余市町を結ぶフルーツ街道と呼ばれる山側の道路沿いにあるのですが、このフルーツ街道には不思議な像があります。

場所は「地鎮山環状列石」のすぐ近くの「地鎮社橋」。写真はその像のひとつで、橋の反対にある像は目を閉じています。台座や像の様子、その立地から、環状列石をイメージしてつくられた物なのかもしれませんが、詳細は不明。とても不思議なオーラを放つ石造なので、フルーツ街道をドライブする際はぜひ注目してみてください。

ちなみに、「忍路環状列石」と「地鎮山環状列石」は農地の間にあるため、見学には注意が必要です。看板などはありますが駐車場は整備されていません。見学の際には周囲に迷惑にならないように配慮しましょう。

ストーンサークルや「フゴッペ洞窟」に残されたメッセージを感じて

北海道余市町にある「フゴッペ洞窟」や「西崎山環状列石」など複数のストーンサークルは、現在までに様々な研究がされてきましたが、まだまだ謎も多い遺跡です。それぞれの遺跡が放つ不思議なオーラに、この場所をパワースポットとして訪問する人も少なくありません。

太古の人々はどのようなメッセージを洞窟の壁面に絵として刻んだのでしょうか。また、どのような目的で景色の美しい場所を選び石を並べたのでしょうか。点在する史跡を巡りながら、古代人が残したメッセージに想いを馳せれば、遠い昔の人々の存在を身近に感じることができるかもしれませんよ。

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