ここは見ておくべき!フィレンツェ必見の教会4選

ここは見ておくべき!フィレンツェ必見の教会4選

更新日:2018/07/25 15:49

Shibayama Shihoのプロフィール写真 Shibayama Shiho イタリアブロガー
ルネッサンス発祥の地フィレンツェの観光で外せないのは、美しく、歴史のある教会巡り。しかし、フィレンツェには星の数ほどの教会があります。「数多くある教会の中で、どこを見るべき?」と迷っている方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回はフィレンツェ在住の筆者が、フィレンツェで必見の教会4つをご紹介します。

フィレンツェのシンボル花の聖母寺 ドゥオモ

フィレンツェのシンボル花の聖母寺 ドゥオモ

写真:Shibayama Shiho

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やはり、ここは外せません!フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)です。ブルネレスキの造った赤茶色のクーポラ(円蓋)が印象的です。フィレンツェのドゥオモは“花の聖母寺”とも呼ばれ、色大理石で造られたファザードも実に美しく、初めて見る人はその壮大さと美しさに声をあげます。

大聖堂の中は広く、夏でもひんやりした空気には神聖さや歴史の重みを感じるはずです。中に入ったら主祭壇の上、クーポラを見上げてみてください。ヴァザーリらによる「最後の審判」を目にすることができます。500年以上も昔に、人はこんなにも美しい物を創造することができたのかと感動すること間違いなしです。

また、ドゥオモのクーポラには登ることができます(日本の映画の舞台にもなったので、ご存知の方も多いかもしれませんね)。クーポラへの入り口は、ドゥオモ正面向かって左側(外)にあります。エレベーターはなく、約500段の階段を登ることになりますが、途中間近に見えるフレスコ画や、クーポラの頂上から眺めるフィレンツェの街並みは一見の価値ありです。

歴史ある薬局は日本でもお馴染み サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

歴史ある薬局は日本でもお馴染み サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

写真:Shibayama Shiho

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フィレンツェの中央駅の側にあるサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。その歴史はフィレンツェのドゥオモより古いです。中世イタリア、フィレンツェの詩人であり散文家であるボッカッチョが書いた「デカメロン」は、このサンタ・マリア・ノヴェッラ教会のミサで出会った男女10人がペストから逃れるために郊外の邸宅に避難する…というストーリーで始まります。また日本でも有名なサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局はこの教会の修道士たちが1600年代に始めたものです。

教会内は大理石の白と黒の縞模様が美しく、中央には天井からジョット作の大きな十字架像が神々しく掛かっているのが印象的。その他、マサッチョ作の「三位一体」、ブルネレスキの十字架像、教会内にある豪華なストロッツィ礼拝堂のフィリッピーノ・リッピ作の壁画などなど、美術館にも劣らない素晴らしい芸術作品の数々があります。

また、この教会を訪れた際は、主祭壇の後ろ側に是非まわってみてください。ギルランダイオの描いたフレスコ画に囲まれた光輝くステンドグラスを見られます。教会から回廊へと出ればそこには緑の中庭があり、そこから聖具や祭服が展示されているサンタ・マリア・ノヴェッラ教会美術館へと行くことができます。芸術や歴史が好きな方には特におすすめの教会です。

*サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局はサンタ・マリア・ノヴェッラ教会から徒歩3分ほど。教会とは別の建物です。

祖国の父コジモ・イル・ヴェッキオの眠る場所 サン・ロレンツォ教会

祖国の父コジモ・イル・ヴェッキオの眠る場所 サン・ロレンツォ教会

写真:Shibayama Shiho

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粗い石がむき出しになった未完のファザードが印象的なサン・ロレンツォ教会。ブルネレスキによって設計されたこの教会はミケランジェロのファザードによって美しく飾られる予定でした。荒々しさを残した教会の外観とは打って変わって、教会内は両サイドに礼拝堂が並び、円柱とアーチで3廊に仕切られ、均衡と洗練さを帯びた美を見せてくれます。

この教会にもまた数々の芸術作品がありますが、特に注目してもらいたいのは、主祭壇の下に眠るコジモ・イル・ヴェッキオの墓です。「メディチ家」という名前は世界史の授業で習った人も多いはず。メディチ家のフィレンツェの支配を確立し、ルネッサンス期の重要なパトロンでもあったコジモ。彼が眠る墓の上、教会の主祭壇の前には“Pater Patriae(祖国の父)”と刻まれています。

教会を一旦出て、回廊のほうへとまわると、付属の美術館がありますす。美術館には豪華な聖具が展示されており、その片隅にはコジモ・イル・ヴェッキオの墓(主祭壇の下)を見ることができます。回廊には、ミケランジェロが設計したラウレンツィアーナ図書館への入り口もあります。

また、教会とは入り口もチケットも異なりますが、サン・ロレンツォ教会裏手にあるメディチ家礼拝堂も必見です。フィレンツェを、ルネッサンスを支えてきたメディチ家の眠る教会。メディチ家の歴史はこの教会無しには語れません。

ルネッサンス期の著名人たちが数多く眠る サンタ・クローチェ教会

ルネッサンス期の著名人たちが数多く眠る サンタ・クローチェ教会

写真:Shibayama Shiho

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サンタ・クローチェ教会には歴史に名を残した人物たちの墓や記念碑が多くあります。偉大な芸術家であり建築家でもあるミケランジェロ、「神曲」のダンテ、「君主論」のマキャベリ、天文学者のガリレオ・ガリレイなど…歴史の授業で習った文化人たちの墓や記念碑がずらり!それは多くの文化人たちがサンタ・クローチェ教会に埋葬されるのを望んだためでした。お墓一つ一つが立派な彫刻で飾られ、墓そのものが芸術作品でもあります。

もちろん、著名人の墓だけではありません。サンタ・クローチェ教会にも美術館顔負けの芸術作品の数々があります。ジョットとジョット派の画家が描いたフレスコ画、チマブーエ作の「キリスト磔刑」など、どこに目をやってもそこにあるのはルネッサンス期の偉大な芸術家による作品。主回廊にあるパッツィ家礼拝堂、付属美術館も必見です。

また、この教会前の広場は毎年6月になると、現在のサッカーの起源になったという古式サッカー(カルチョ・ストーリコ)の試合、クリスマスシーズンにはクリスマスマーケット(写真)が開かれます。昔からフィレンツェの人々に親しまれてきた教会なのです。

ぜひ訪れておきたい!フィレンツェの教会4つ

ドゥオモ、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会、サン・ロレンツォ教会、サンタ・クローチェ教会とフィレンツェの重要な教会4つを紹介しました。ルネッサンス発祥の町フィレンツェ。どれもその歴史と芸術に触れることのできる教会です。その見応えは有名美術館にも引けを取りません。

フィレンツェ観光のプランに加えてみてはいかがでしょうか?中世の歴史とルネッサンス芸術にどっぷり浸れるはずです。

掲載内容は執筆時点のものです。

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