伊・フィレンツェ「ヴェッキオ宮殿」で映画『インフェルノ』を体感できるスポット4選

伊・フィレンツェ「ヴェッキオ宮殿」で映画『インフェルノ』を体感できるスポット4選

更新日:2018/07/25 15:49

藤谷 愛のプロフィール写真 藤谷 愛 地方移住ブロガー
イタリアの世界遺産「フィレンツェ歴史地区」にある「ヴェッキオ宮殿」は、1314年の完成当初は政庁舎として、またメディチ家の住居に使用されるなど、フィレンツェの歴史には欠かせない建築物の一つです。加えて、2016年10月公開の映画『インフェルノ』のロケ地にもなり、観光客の数も増すばかり。

今回は、宮殿に眠る500年超えの謎や、特別ガイドツアーなどを大解剖。映画張りのミステリーを体感してみましょう!

数々の映画に登場する「ヴェッキオ宮殿」とは?

数々の映画に登場する「ヴェッキオ宮殿」とは?

写真:藤谷 愛

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ヴェッキオ宮殿は、当時のフィレンツェ共和国の政庁舎でしたが、その外観はまさに要塞。都市国家が複数あったイタリアで、万全の防衛体制を敷いていたことが分かります。また、ここはアンソニー・ホプキンス主演の映画『ハンニバル』で、殺人鬼ハンニバルを追う刑事が彼に殺される場所。2016年10月に公開される映画『インフェルノ』以前にも、多くの映画で登場する、ミステリアス且つ画になる宮殿なのです。

一方、この厳つい外見に比べ、内部は驚くほど豪華。ルネッサンスの芸術が溢れる内装に圧倒されますよ!

2007年に、500年の時を超えて発見された幻の名画

2007年に、500年の時を超えて発見された幻の名画

写真:藤谷 愛

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映画『インフェルノ』でもたくさんの謎が描かれている宮殿内ですが、現実世界でも大きな謎が隠されていたのが、写真の「五百人大広間」。写真右側、一番手前のジョルジョ・ヴァザーリによるフレスコ画「マルチャーノ・デッラ・キアーナの戦い」には、小さく「CERCA TROVA(チェルカ・トローヴァ)」=(「探せ、真実は見つかる」の意)というメッセージが書かれています。この絵画のメッセージは長く謎でしたが、2007年に驚きの事実がイタリア文化庁によって発表されました。

ヴァザーリによってこの作品が描かれる約60年前、レオナルド・ダ・ヴィンチは、1504年に同じ場所で「アンギアーリの戦い」という絵を描き始めましたが、未完のまま。その壁画を覆うかのように数センチの隙間の上に描かれたのが、今に残るヴァザーリのフレスコ画なのです。ヴァザーリの「真実を探せ」という言葉と共に眠っていた巨匠の未完の画。隠すように遺した理由には諸説ありますが、未だ明らかにはされていません。

『インフェルノ』の物語の謎と、現実のルネッサンスの謎が交差する、「五百人大広間」は必見ですよ!

「インフェルノ」にも登場するダンテのデスマスク

「インフェルノ」にも登場するダンテのデスマスク

写真:藤谷 愛

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「五百人大広間」の上階にあるダンテのデスマスク。それと知らなければそのまま素通りしてしまいそうな通路にあります。

ダンテは当時の政変に巻き込まれ、フィレンツェを追放となり、一生フィレンツェに戻ることはできませんでした。「神曲」の中でもその恨みつらみは表現され、彼がいかにフィレンツェを愛していたのか、戻りたかったのかを知ることができます。1911年にデスマスクがヴェッキオ宮殿に寄贈され、長年このフィレンツェの中心地で保存されていることは、せめてもの鎮魂になっているのではないでしょうか。ちなみに、『インフェルノ』でもこのデスマスクには大きな謎が隠されています。でも主人公のラングドン教授のように、デスマスクには触れないでくださいね!

「秘密の通路ツアー」で宮殿の裏側へ

「秘密の通路ツアー」で宮殿の裏側へ

写真:藤谷 愛

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ヴェッキオ宮殿にはたくさんの隠し扉や、その裏にある秘密の通路と部屋があります。それは『インフェルノ』にも描かれているのですが、実際にこの秘密のエリアを巡ることのできるガイドツアーがあります。『インフェルノ』にも登場する「地図の間」には、巨大な地球儀が鎮座し、16世紀当時に描かれた世界地図が部屋中を覆っています。その一角には外からは全くそれと分からない隠し扉が(写真)。ガイドツアーではこの内部を巡っていきます。

特に面白いのは、五百人大広間の天井裏となる梁の部分。ヴァザーリと弟子たちが製作した巨大なフレスコ画の天井を吊り上げて支える16世紀の建築技術と共に、『インフェルノ』で描かれているアクションシーンが、現実ではあり得ない、という矛盾も発見することができますよ。

「アルノルフォの塔」から眺めるフィレンツェの景色

「アルノルフォの塔」から眺めるフィレンツェの景色

写真:藤谷 愛

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アルノルフォ・ディ・カンビオによって建設されたヴェッキオ宮殿。その象徴ともいえる94メートルの塔が「アルフォルノの塔」です。

展望台になっている塔からの眺めは格別で、バディア・フィオレンティーナ教会、サンタ・マリア・デル・フィオーレや、ピッティ宮殿など、インフェルノに登場するスポットが一望できます。途中には休憩できる広いエリアもあるので、高さに臆することなく頑張って登ってみましょう。

フィレンツェの歴史には欠かせない、だから面白い

中世からイタリアの歴史には欠かせないフィレンツェと、その中心建築であったヴェッキオ宮殿。多くの逸話や文化財を含んでいるので、一日ゆっくり見学しても飽きることはありません。特に映画『インフェルノ』が公開される2016年の秋以降は、観光客が大幅に増加すると予想されています。「秘密の通路ツアー」など人気のガイドツアーも、早めの予約をお勧めします。

*日本語のガイドツアーは、現地の日系旅行会社などが催行していますので、旅行前にお問い合わせください。その他、フィレンツェ観光で役立つ情報を、記事下の「関連MEMO」でご紹介しています。参考にどうぞ。

掲載内容は執筆時点のものです。

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