石灯籠に火がともされ、木々がそよぎ、人気の無い夜の境内は、まるで異界。気持ちをしっかり持ってないと、どこかに連れ去られそう・・・
そんな信貴山へ、いざ入山!
おすすめはタクシー。王寺駅から約20分。車体が後ろにひっくり返りそうな程の急な坂道をウネウネと上って宿坊前へ。その細く過酷な急坂に、まずびびってください。簡単には下山できないぞという、下界との断絶感が味わえます。(タクシー2000〜2500円くらい)
下山はバスがお得ですが、1時間に1本なので、要チェック。
まずはチェックイン。タクシーは宿泊施設である玉蔵院富貴閣の前で降ろされるので、大きな荷物はこちらの玄関に置かせていただいてから、赤い鳥居を下り、石の鳥居を過ぎた左側の玉蔵院へ。
お坊さんが出迎えてくれ、普通のホテルなどと同様、チェックインの手続きを行います。次いで宿坊ならではの部屋に鍵が無いなどの説明がされ、お抹茶とお菓子をいただきながら、翌朝の護摩炊きとご祈祷のご案内もしていただけます。願掛け・ご祈祷は5千円からですが、宿坊利用者は、祈祷を申し込まなくても本堂に入れる場合もあるようなので相談してみましょう。
お部屋は畳敷きの15畳。テレビ・バス・トイレ無し。
トイレ・洗面所は各階で共同、大浴場が地下にあります。トイレは洋式で水洗、ろうかの洗面所には蛇口が4基。どこも、ピカピカきれいです。
大浴場は、ちょっとした温泉旅館並み。いっきに20人は軽く入れる広さで、新しくキレイです。水が良いのか、翌朝のしっとりお肌を実感できます。
さて、まずは着いたその日のうちに、ご本尊に到着のご挨拶。広大な境内を、案内図片手に本堂まで歩いてみましょう。
信貴山は、仏教四天王の一尊で七福神としても広く信仰されている毘沙門天が日本で最初に出現したとされる聖地で、毘沙門天王の総本山。毘沙門天を感得した聖徳太子が自ら尊像を彫刻してまつり、この山を信貴山と名付けました。
石畳、石階段、そして至る所にある鳥居。お寺なのに何故?と思われると思いますが、神仏習合のなごりだそう。ご本尊の毘沙門天は七福神の一柱でもありますから不思議はないんですが、この為か独特の雰囲気を醸し出しています。
夕食は、精進料理と普通の懐石が選べますが、せっかくなら精進料理。日本酒やビールが追加でき、お酒のお供にも物足りなくない、しっかり出汁の味がきいたおいしいお料理が楽しめます。
食事は別部屋で、数組が一緒。最近は日本文化体験を目的とした外国人観光客の宿泊も多く、ちょっとした国際交流を体験することもできます。ちなみに筆者が宿泊した日は、オランダ、ノルウェー、アメリカ、ボリビアなどからの観光客が宿泊されていました。
早朝5時から浴油堂で護摩炊き。参加は自由で、途中入場も退出もOK。椅子の用意もあります。
続いて、お坊さんに先導されご祈祷場の本堂へ。道中、質問や立ち止まっての説明を受けられます。6時15分より、ご祈祷。その後、ご本尊の下界を巡る真っ暗闇の戒壇めぐりを終えて完了。
お帰りの際は、お札を忘れずに。ちょっとしたお土産もいただけます。
運が良ければ、闇夜で黒猫に出会えます。人なつっこく足にすりすり。
知らないとぞぞっとしますが、実はこの黒猫は、御利益猫として有名なのだそうで、わざわざ黒猫に逢うために登拝する人もいるとか。虎の置物がある所にいることが多いようです。
宗教観に触れ、和を満喫しつつ、グローバルな体験もできてしまう信貴山の宿坊。宗教の修行のみならず、国際社会での修行もさせてもらえます。(特に英会話)
「僧尼僧一泊二日修行」というコースもあります。僧衣を借りて輪袈裟とお念珠をまとって、般若心経を読み写経すれば、もう少しだけ仏の心に近づけるような気がします。
合掌。
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(2024/4/20更新)
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