ドイツ世界遺産アイゼナハ・ヴァルトブルク城の見どころ3選

ドイツ世界遺産アイゼナハ・ヴァルトブルク城の見どころ3選

更新日:2016/08/31 20:38

ドイツ中部のアイゼナハ。ここから少し東にあるエアフルト・ワイマールといった街は、中世から近代にかけドイツにおける哲学の中心でした。
アイゼナハ近郊の山の上にそびえるヴァルトブルク城。ここは聖女エリザベート妃の婚礼や、オペラ・タンホイザーの歌合戦、またルターの聖書ドイツ語訳など、ドイツの歴史に深くかかわっています。そんなドイツ人の哲学や言語のふるさとともいえるヴァルトブルク城の見所を紹介します。

山の上にそびえるヴァルトブルク城

山の上にそびえるヴァルトブルク城
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お城自体は、アイゼナハ市中心部から少し離れたところにあります。とはいえ、それほど高さのある山ではないので30分から40分ほどで登ることが可能。防寒着などは必須ですが、ハイキングの要領で訪れることができます。

中世の建築様式が色濃く残る城内。ユネスコの世界遺産に指定されていることもあって外壁や内部の装飾も丁寧に保存されています。ドイツ人の精神や哲学の故郷へ、いざタイムスリップしてみましょう。

見どころ その1、聖女エリザベート妃を記念するモザイク壁画

見どころ その1、聖女エリザベート妃を記念するモザイク壁画
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エリザベート妃は、病気の治療で奇跡を起こしたとして聖女に列せられ、またヘッセン州のマールブルクの大聖堂に彼女の名がつけられた有名な人物です。

妃は4歳の時にハンガリーからこの地に嫁いできました。ヴァルトブルク城には彼女の生涯について、広間の一つがガラスのモザイクで壁画としておおわれています。誕生・このお城にやってきたシーン・婚姻の情景・悲しくも追放されたこと・聖女として列せられた場面などが広間の4面に渡って、さながら絵本のように繰り広げられます。

ガラスや金箔で覆われた壁面は、とても豪華な印象を受け当時の栄えていた様子が偲ばれます。

見どころ その2、オペラ「タンホイザー」に出てくる歌合戦

見どころ その2、オペラ「タンホイザー」に出てくる歌合戦
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12世紀の領主ヘルマン1世の時代に、このお城では歌の優劣を競う催しが盛んにおこなわれました。その模様は、ワーグナーの「タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦」で有名です。中には命を懸けて催しに挑んだものもあり、当時はとても白熱したものでした。前述のエリザベート妃も催しの際の歌に詠まれています。

その様子が、壁画となり今に残されています。いきいきとした登場人物の表情からは、当時の白熱した様子が伝わってくるよう。

城内にはたくさんの石柱があるのですが、こちらの広間の石柱の装飾は大変凝って作られています。ぜひお見逃しなく。

見どころ その3、ルターが生活していた部屋

見どころ その3、ルターが生活していた部屋
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そしてハイライトは、マルティン・ルターが生活していた部屋です。この机と戸棚、暖炉がしつらえられた簡素な部屋で、ルターはラテン語聖書のドイツ語訳に取り組みました。この事が、のちのプロテスタントの成立と文語としてのドイツ語の発展に寄与していくこととなります。

当時、ルターは教皇によって破門に付され、命の危機に直面していました。ザクセン選帝侯フリードリヒ3世の庇護の下、このちで生活することとなりました。

併設されている博物館ではドイツ語訳の聖書、今日のドイツ語がどのように成立・波及していったかを見学することができます。また当時の活版印刷機の復元模型も設置されていて、希望者は印刷を体験することができます。

マルティン・ルターが、ヴィッテンブルクの教会に「95か条の論題」を掲げたのが1517年。2017年は宗教改革が始まってから500年という節目の年でもあります。

その他の見どころ

その他の見どころ
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見どころは他にも。ドイツ近代史が気になっている方には、この舞踏場も必見です。近代化にともない、分散していた諸邦の中では統一ドイツを模索する動きが活発になってきます。政治面での議論・経済面でのつながり、また戦争を経て最終的にはプロイセンの宰相ビスマルクによって、ドイツ統一は成し遂げられました。

この地アイゼナハも、統一運動の初期には重要なプレイヤーでした。将来のドイツの在り方議論するため、イエナ大学の学生たちがヴァルトブルク城の舞踏場に集まります。
所説はありますが、この団体が掲げた赤と黒そして金の月桂樹の旗は、今日のドイツ連邦共和国の旗の由来ともされています。

また城の内部には上部まで登ることができる塔もあり、ここから周囲の山々を眺めることができます。見渡す限りの青々とした大自然に一息つけること間違いなしです。

さて、今回は中世から近代にかけて歴史の表舞台に登場してきた、ヴァルトブルク城をご紹介してきました。

エリザベート妃の列聖、オペラ・タンホイザーの歌合戦、ルターによるラテン語聖書のドイツ語訳とそこから派生する現代ドイツ語の確立、諸邦の連合体から国家統一への萌芽。こういったイベントと密接に関係していることから、今日、ヴァルトブルク城はドイツ人の精神的・哲学的なシンボルになっています。

街中の博物館などでは、なかなか見ることのできない「国全体で大切にしている部分」。こちらで見つけてみてはいかがでしょうか。

アイゼナハ・ヴァルトブルク城へのアクセス

アイゼナハ中央駅から10番のバス(Wartburg行)で訪問することができます。距離にして2.5kmですので、ハイキングしてみるのもおすすめです。山登りもありますので、1時間ほどかかりますが、遊歩道も整備されているので、リフレッシュするにはいい道です。

城内の見学には、ぜひガイドツアーがセットになったチケット(9ユーロ、2016年8月現在)をおすすめします。ガイドの方につれられて、お城の由来から収蔵されているお宝まで、たくさんの事項を解説してくれます。日本語のパンフレットと、英語でのガイドが用意されています。

テューリンゲン州をはじめ、ルターにゆかりの都市では2017年の宗教改革500周年に向け、様々な催しが企画されています。今、中部ドイツはホットな観光スポットです。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/13 訪問

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