「京の飴には夢があるッ!」お土産にもピッタリ、古都・京都ならではの”京あめ”ベスト5!

「京の飴には夢があるッ!」お土産にもピッタリ、古都・京都ならではの”京あめ”ベスト5!

更新日:2016/09/21 16:09

bowのプロフィール写真 bow トラベルライター
千年の都・京都は、茶道や華道文化と共にお菓子の文化も発達しました。数多い京菓子の中でも、「京あめ」は脈々と受け継がれてきた京都のお菓子文化の一つ。旅人の目を奪うその美しさや味はさることながら、近年では伝統と現代の融合すらも見られます。今回はちょっと自慢して持って帰りたくなる、「京あめ」をご紹介します。

食べる芸術品!「緑寿庵清水」の金平糖

食べる芸術品!「緑寿庵清水」の金平糖

写真:bow

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京都で飴と言えば、やはり金平糖が一番に思いつく人も多い事でしょう。日本でただ一軒しかない、創業1847年の金平糖の専門店が「緑寿庵清水」です。当然ですが金平糖は今も手作りで、伝統を守りつづけた本当の色・形・風味を味わう事が出来ます。

小さなお菓子の金平糖ですが実に16〜20日もかけて丁寧に作られます。そして、作れるようになるまではなんと20年もかかるとも言われています。更に驚いたことに、金平糖にはそもそもレシピがないんだそうです。その日の気温や天候によって、蜜の濃度や釜の角度と温度、釜で転がる金平糖の音を聞き、状態を見極めて五感を使いながら身体で覚えていくという「一子相伝の奥義」なんだそうですッ、オワッタァァ!

そんな緑寿庵清水の金平糖の中でも「究極の金平糖」シリーズはごく少量しか生産できない為、毎年キャンセル待ちの出るという人気商品。フランス製ガラスに入れられたその姿は何か別次元のお菓子に見える程です。まさにこれは芸術品の域!!いつか食べてみたいものです。

とにかく、一度お店に足を運んで欲しい「緑寿庵清水」。甘い香りに包まれたお店では気軽に試食もさせてくれます。そして、金平糖の深い世界にはまるかもしれないですよ!

★緑寿庵清水
画像は 金平糖 小袋(苺・パイン・林檎) 各525円

命をつないだ”幽霊子育飴”「みなとや幽霊子育飴本舗」

命をつないだ”幽霊子育飴”「みなとや幽霊子育飴本舗」

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幽霊飴とも言われる飴が京都に存在する・・・。んなアホな!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にあるのです。東山に店を構えるのは創業450年以上、その名も「みなとや幽霊子育飴本舗」。

黄泉の国の入り口がある六堂珍皇寺が近くにあり、ミステリアスムードが漂うエリアにお店があります。余談ではありますが、このお店の住所は京都市東山区轆轤(ろくろ)町。ここは古来から京都の埋葬地でもあった鳥辺野の入口付近にあたり、死骸だらけの不気味な場所だった為にかつては髑髏(どくろ)町と呼ばれていたそうです。その後、「そりゃあまりにも不吉すぎるわ!」とのことで改名されたといういわく付のミステリーゾーンです・・・。

さて、「幽霊子育飴」ですが、その名前の由来は本当に幽霊が子育ての為に買いに来た飴だったとされています。その幽霊の正体は赤ん坊をみごもっている時に亡くなり、土葬された女性だったのです。その女性が亡くなったあとに、なんとお墓の中で赤ん坊が誕生!母親は自分が母乳を与えることができない為、幽霊となって毎晩飴を買い、その飴を子供に与えていたとされているのです。毎日来る女性を不審に思った店主が後をつけて行った所、お墓の前でその女性はスゥーっと消え、そのお墓の中から赤ん坊の泣き声が聞こえてきたそうです。そして掘り返してみると中から飴をくわえた赤ん坊が出てきた・・・。という、なかなか心温まるも背筋は寒い、寒暖入り混じったお話です。

そんな伝説を今に伝える、「幽霊子育飴」は麦芽糖と砂糖のみを使い、添加物等が入っていない昔ながらの製法で作られたシンプルな飴。子育ての逸話がある為、妊婦や授乳中の女性、子供のおやつにと買われていく人も多いんだそうですよ。

★みなとや幽霊子育飴本舗
画像は 幽霊子育飴  170g 500円

「たんきり飴本舗」のたんきり飴

「たんきり飴本舗」のたんきり飴

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「たんきり飴本舗」は京都でも珍しい、のど飴の専門店。名前の通り、たんきり飴はせきやのどの痛みにもよく効くとされる人気の商品なのです。香料は一切使用せずにショウガ汁だけを加えて作った飴で、秘伝の製法で作られているそうです。天然の土ショウガが配合されていて、いかにも身体に良さそうな少し辛めの独特の味わいがあります。飴の表面の白い線、ここにショウガのエキスがギュッと凝縮されているようです。もう、これはお菓子ではなく風邪薬のようです!

さて、この「たんきり飴本舗」のお店は西陣と呼ばれるかつて織物産業で栄えたエリアにあります。このたんきり飴は、細かい織物の糸の埃が舞っている中での作業を強いられている織物職人たちが、喉を守るために愛用していたという逸話も残っています。そういう意味でもこの”たんきり飴”は京都らしい飴なのかもしれませんね。

★たんきり飴本舗
画像は たんきり飴 大 500円

飴とは本来、これなんや!「豊松堂」の是何也(これなんや)

飴とは本来、これなんや!「豊松堂」の是何也(これなんや)

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創業は明治30年、京都だけでなく全国の神社御用達の千歳飴も手掛けるという、京あめの老舗が豊松堂(ほうしょうどう)です。ねじりのある千歳飴は、実はここ豊松堂でしか作れない飴なんだそうです。煉瓦で組まれた窯で銅鍋を直火にかけるという、創業当時から変わらぬ製法で今も手作りの京あめを手掛けています。

人気商品はさながら工芸品のような飴細工を楽しめる「京てまり」と花の模様や色んな顔の絵柄が詰まった「はなこよみ」。見ているだけでも自然と和んでしまうような京都らしい、美しい商品ばかりが揃っています。しかし、豊松堂の商品はそういった伝統・格式美ばかりだけでなく、ちょっとおふざけな商品も多数・・・。パッケージに力士が描かれたのどあめ「せきとり」(せきを取るからせきとりというシャレ)や、「近所のおっさんおばさん飴」といったひどいネーミングの商品まであります(笑)

そんな一風変わったネーミングの商品たちの中でも人気なのが「是何也(これなんや)」。パッケージには「これなんや?これぞ飴の中の飴、本手造りの餅米飴。無添加無着色、飴とは本来これなんや!」と店主の思い入れを込めて力強く書かれています。砂糖ではなく、餅米のでんぷんからできた水飴を原料に作られたもので、コクのある味わいが特徴的。そして懐かしいと感じる、不思議な飴はファンも多いのです。

★豊松堂
画像は 是何也(これなんや)赤・白 各380円

老舗が手掛けるモダンな飴「CroChet(クロッシェ)Kyoto」の京あめ

老舗が手掛けるモダンな飴「CroChet(クロッシェ)Kyoto」の京あめ

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2013年2月にオープンした「CroChet(クロッシェ)Kyoto」。オープンするやたちまち各方面で話題になり、メディア掲載も相次いでおり、新たな京みやげの一つとして地位を得ようとしています。その正体とは、創業130年を誇る「今西製菓」が持つ伝統的な技術と、ヨーロッパのアートのような色彩がコラボレーションした、新たなブランド。それが「CroChet」なのです。

商品ラインナップは16種類、そのうちの8種類は古来から伝わる着物の色目や京都の風景・文化などをモチーフに”京都”を表現。ネーミングも和にちなんだものにされています。他方もう8種類は、ヨーロッパ文化の中心、パリの服装や絵画の色目などををモチーフに”パリ”を表現、全く違うアプローチの飴作りを展開しています。クロッシェの飴は京都とパリという、二つの世界的な文化の中心地を表現している、まさにアートな飴なのです。味だけでなく、その”色”を目で楽しみましょう。

店舗も白を基調とした印象的な造りになっていて、飴屋さんというよりはジュエリーショップにいるような雰囲気に浸れます。そして、商品のパッケージは着物の衿をイメージして作られていて、細かい部分にまでこだわりを感じます。同じ飴でも見せ方でこれほど違うモノになるなんて、本当に凄いなぁと感心します。京都の飴は伝統を守るだけではなく、こういった新たな風も吹き始めているのです!

★クロッシェ
画像は 白絹手鞠・源氏絵巻・花浅葱 各525円

京あめの深ーーーーい世界をご堪能下さい。

いかがでしょうか、食べるのが勿体無いと思える程に愛おしい飴たちや、長い歴史を重ねてきた飴たちの数々。ひとつまみの薀蓄をスパイスに、ぜひ京都のお土産にセレクトしてみてください。これであなたもちょっとした京都通!?

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/10/08 訪問

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