世界遺産登録から2周年。まだまだ見どころが絶えない富岡製糸場!

世界遺産登録から2周年。まだまだ見どころが絶えない富岡製糸場!

更新日:2018/10/19 11:26

2014年6月に世界遺産登録から2周年を迎えた群馬の富岡製糸場。登録当初は大勢の人でごった返し状態でしたが、今ならじっくり見学するにはちょうど良い時期を迎えています。富岡製糸場の最新情報をお伝えいたします。

電車で行くのがお得でストレスフリー!

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富岡製糸場は世界遺産登録のあった当初から比べて少なくなったとはいえ、平日でも1,500人前後、週末には3〜4,000人もの見学者が訪れます。そのため、周辺道路や駐車場の混雑が予想されます。

この「LINEトラベルjp 旅行ガイド」でこれまでにも自動車でのお出かけよりも電車でのお出かけをオススメする記事がありましたように、富岡製糸場へは渋滞によるストレスのない電車で行くのがオススメです。

電車で行く場合は、上州電鉄「高崎」駅から上信電鉄で13駅目の「上州富岡」で下車します。長閑な風景を見ながらレトロな電車に揺られて38分という距離です。
上信電鉄では、往復運賃と富岡製糸場見学料がセットになったお得な割引乗車券が販売されていますのでぜひ、割引乗車券を利用しましょう。

通常なら…高崎⇔上州富岡(往復電車賃 1,580円)、富岡製糸場見学料(1,000円)の合計 2,580円かかるところを、なんと2,140円(大人料金、440円もお得)で販売されています。

上信電鉄「高崎」駅では券売機でも購入が可能で見学記念に持ち帰ることも可能です。ご見学の思い出に残しておきたい方は券売機ではなく窓口でお買い求めされることをオススメします。

電車で行くもう一つの楽しみ・・・無料レンタサイクル

電車で行くもう一つの楽しみ・・・無料レンタサイクル

提供元:富岡市

http://www.tomioka-silk.jp/spot/freedownload/地図を見る

このお得な割引乗車券には、ほかにもお得な使い方があります。それは「高崎」駅〜「上州富岡」駅の区間内であれば、往路、復路でそれぞれ1回に限り途中下車ができるのです。途中駅の「吉井」駅や「上州福島」駅などには無料レンタサイクルがあり、途中下車が充実したものになりますよ。

例えば、これまで自動車でしか行けないと思っていた場所にも行けます。「上州福島」駅から自転車でなら「こんにゃくパーク」(約10分)、「道の駅 甘楽」(約16分)と移動がとても楽なのです。

「上州富岡」駅でも無料レンタサイクルが用意されていますので、あえてその先への遠出もいいかもしれません。「一之宮貫前神社」は3駅先の「上州一ノ宮」駅が最寄り(徒歩で15分)ですが、「上州富岡」駅から自転車でなら約19分ほどの距離です。

「一之宮貫前神社」は西暦531年の創建といわれ、その名の通り上野国の一の宮として古来より多くの人々から信仰篤く、特に平安時代より源氏など武家の崇敬を集めてきました。戦国時代になると上杉、武田、北条といった各戦国大名家の庇護を受け、江戸時代に入ると徳川家が庇護して現在の社殿が整えられました。

境内入口から下り参道といわれる階段を降りて重要文化財の壮麗な本殿へお参りをするのが大きな特徴で、全国でも珍しい構造になっています。

非公開施設が一般公開に向けて進化中!

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さて、世界遺産登録から2周年が経過した富岡製糸場ですが、当初より非公開となっている国宝の「西置繭所」が2015年より5年計画で保存修理工事が行われています。その工事現場に組まれた足場を利用して、保存修理中の工事現場を見学できる施設が設置されています。

この「西置繭所」は明治5年(1872年)に建築され、昭和62年(1987年)まで蒸気機関の燃料用の石炭を置いたり、繭を貯蔵する建物として使用されてきました。高さは14.8m、奥行き12.3m、そして長さはなんと104.4mもある大きな建物です。骨組みは木造、壁はフランス積みと呼ばれるレンガを構造とし、屋根は日本式の瓦、レンガ積みの目地は漆喰を使用するなど、当時の最新の西洋技術と日本古来の伝統技術がミックスされた貴重な建築物です。

「西置繭所」の保存修理工事の見学施設では、「西置繭所」の歴史や保存修理計画についてパネルで閲覧できるほか、日々進む保存修理の様子がガラス越しに見学ができるようになっています。2019年12月には保存修理工事の完了を予定しており、東京オリンピックが行われる2020年には内部公開が行われるようですよ。

なお、保存修理工事の見学施設は足場が組まれている状態(2019年6月解体予定)までの限定公開となっていますので、ぜひこの機会にご見学されることをオススメします。
※見学にあたってはヘルメットの貸出料(大人:200円、中学生以下100円)が必要となります。

非公開だった重要文化財も公開中!

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「西置繭所」の保存修理工事の見学施設の公開に伴い、これまで非公開であった重要文化財の「鉄水溜」も併せて公開されています。この「鉄水溜」は繭から生糸を作るのに大量の水を必要としたため、明治8年(1875年)に作られました。

当初はレンガ積みで造られた大きな水槽を利用していましたが、水漏れに大いに悩まされたそうです。その水漏れ対策として採用されたのが、この鉄製の水槽である「鉄水溜」です。横須賀造船所の関連施設である横浜製造所で基本的な造作が行われ、組み立ては富岡製糸場で行われました。組み立てにも造船技術のリベット止めといわれる接合方法が用いられました。

当時の最先端技術で製造されたこの「鉄水溜」は日本で最古級の鉄製構造物といわれ、直径15.2m、深さ2.4m、貯水量は約400t。まだポンプのなかった時代ですので、その下には人が下に潜り込めるくらい石をいくつも組んで積み上げた構造になっており、その高低差を利用して配水をしていたようです。この大きさは圧巻ですよ!

なお、鉄水溜の見学は「西置繭所」の保存修理工事の見学施設とセットになっています。

富岡製糸場だけではない絹産業の名残と地元の市場

富岡製糸場だけではない絹産業の名残と地元の市場
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この富岡やその周辺には、世界遺産となった富岡製糸場以外にも絹産業の名残が所々にあります。そのうちの一つが富岡市役所のお向かいにある富岡倉庫さんに現存する乾繭倉庫です。3つの乾繭倉庫跡(いずれも非公開)はそれぞれ明治から大正期にかけて煉瓦、大谷石、土蔵で造られた貴重な建築物であるといわれています。

その同じ敷地の中には大正時代の建築といわれている木造の繭の乾燥場があり、この建物を改修して「おかって市場」という総合食料品店が開かれています。この「おかって市場」は富岡市の「中心市街地の活性化、生活基盤の整備、地産池消の推進」をテーマに地元の有志の方々が立ち上げたお店だとか。

地元農家より毎日届けられる新鮮な野菜や周辺地域から厳選した食材や調味料、そして工芸品や雑貨などをお手頃な価格で販売しており、お土産にもオススメです。

また、月に1度開催される「つきいちマルシェ」や年に2度開催される「パンまつり」のほか、「動楽市」など楽しいイベントが目白押し。地元の方々だけでなくイベントを楽しみに周辺地域や群馬県外からも大勢の方々もいらっしゃいます。

富岡製糸場だけの見学ではなく、「おかって市場」で開催されるイベントとセットで伺うと楽しみはより広がるでしょう。

おかって市場(9時〜19時営業 日曜日は17時で閉店 正月3が日のみお休み)
住所 群馬県富岡市富岡1450
電話 0274-67-5373

落ち着いて見学したい方には今がオススメ

世界遺産に登録された直後は、その過熱ぶりからゆっくり落ち着いて見学ができなかった富岡製糸場ですが、2周年を迎えた今ようやく落ち着いて見学ができます。
また、非公開だった重要文化財の「鉄水溜」の見学が可能となったり、2020年の公開に向けて保存修理が進む国宝の「西繭置所」の工事見学施設など、当初にはなかった見どころがあることも今オススメする理由です。

2014年2月の大雪で半壊し、撤去された繭の「乾燥場」もこれから再建を行う予定ですので、富岡製糸場からまだまだ目が離せません。

レトロな電車に揺られながら長閑な風景を楽しみ、途中下車をして無料レンタサイクルを利用してぶらぶら街を散策するのもいいですよ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/13 訪問

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