写真:ふるかわ かずみ
地図を見るもともとお茶屋さんからスタートしたという岩惣ですが、創業は1854年と160年近くも前に遡ります。そしてお店の歴史と共に驚くのは、その宿泊者名簿。大正天皇をはじめ、昭和天皇、伊藤博文、森鴎外、オノ・ヨーコ…etcと、誰でも耳にしたことのある文豪・著名人の名に圧倒されます。
そして今ではすっかり広島土産の代表となった「もみじ饅頭」は、実は岩惣初代の女将が考案したもの。そのきっかけは、かの伊藤博文が当時茶屋として営業していた岩惣で休んでいたとき、お茶を運んだ女の子の手をみて、「まるでもみじのような手だ」と言ったことからひらめいたとか。もちろん、お部屋に用意されているお茶菓子も、このもみじ饅頭です。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る岩惣は一番古い本館、離れ5棟、そして一番新しい新館で構成されています。
今回ご紹介するのは本館。全部で5部屋ありますが、どのお部屋の窓からも、もみじ谷の野趣あふれる森林が楽しめます。また視線を落とすと、紅葉谷川が静かに流れ、季節に応じた虫の声とせせらぎの静かな川音が相まり、癒しのBGMとなります。
建物自体は昭和初期のものなので古いですが、館内はもちろんお部屋も小奇麗に手入れされていて、いたってシンプル。掛け軸や壁に掲げられた額も、著名人の手書きのものだったりと、その空間はまさにプレミア感に浸れます。
何もせず、ただお部屋で静かに時を過ごす・・そんな贅沢な過ごし方もいいかもしれません。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る広島はもともと温泉自体が少ないのですが、宮島でもしかり。もともと井戸水として生活に利用していたところ、先々代の女将がお肌がツヤツヤする・・と言って調べると単純弱放射能冷鉱泉とわかったそう。
そんな希少な自家源泉を持つ岩惣の温泉は、残念ながら立ち寄りは利用不可ですが、宿泊者は男女毎日入替えによる露天風呂が楽しめます。
柵ごしに見える国立公園と、運がよければ小川沿いを歩く鹿を見ることもできます。朝風呂のとき親子鹿に会い、とっても得した気分になることも。
また、夜はライトアップされ、全く違う雰囲気が楽しめます。
世界遺産でもある宮島なので当然海外の宿泊者も多いため、お風呂でちょっとした国際交流ができたりもしますよ。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る岩惣のお品書きは1ヶ月ごとに変わります。その時期の旬の素材や料理を味わってほしいという季節感はもちろん、盛り付け、色合い、器など見た目にも繊細で鮮やかな京懐石が楽しめます。
取材日は8月下旬でしたが、すでに秋を先取りして器や盛り付けに紅葉をあしらったり、料理では秋刀魚や銀杏なども登場。また広島といえば、牡蠣や穴子が有名ですが、そういった素材も取り入れられたり。しっかり味わいたい方は別注も可能ですので、せっかくなら広島名物を味わってみてくださいね。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見るさて、紅葉谷公園の入口には岩惣直営の喫茶「楓泉(ふうせん)」があります。宿泊者で希望者には、朝食後ここでコーヒーのサービスがあります。夏場はオープンテラスになっており、景色を見ながらいただくコーヒーは贅沢な時間です。
もちろん、一般のお客としての喫茶利用も可能です。
また、夏場は「玉氷」と名付けられたかき氷も提供しており、中でも「瀬戸内レモンミルク」は、地元のレモンを使った酸味と、ミルクの甘味とのコラボが絶品!サッパリして、口どけもなめらかなかき氷は、やみつきになりそう。そのほか、ブルーベリーやイチゴなどもあるので要チェック。(夏場のみ営業。詳細はお店に要問合せ)
なかなか気軽に利用できる宿ではありませんが、結婚記念日や各種お祝いの記念に利用される方も多いようです。もっぱら世界遺産という場所がら、海外のお客様もかなり増えたそう。
夜の宮島をクルージングできる企画のプランもあったりと、せっかくなら特別な時間を過ごすには最適なお宿です。桟橋からの送迎もありますので、荷物の心配も無用。たまには心身ともに贅沢な時間もどうぞ・・
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(2024/4/18更新)
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