「立佞武多の館」は、五所川原市の中心部に建てられた地上6階建ての建物。館内には、立佞武多燈籠の製作体験ができる遊楽工房「かわらひら」、立佞武多の製作作業が行われている「立佞武多製作所」、立佞武多が展示されている「立佞武多展示室」などがあり、ここは立佞武多の製作を実際に手掛ける現場でもあります。祭りの当時は、ここから立佞武多が出陣するなど格納施設も兼ねた見学施設です。
立佞武多展示室では、祭りで実際に使われた歴代の立佞武多を見ることができます。1階にある展示室の入口をくぐると現れるのは、こちらの立佞武多達。突如、暗闇に浮かび上がる立佞武多の姿は、見た人すべてが「おぉ〜」と声を漏らしてしまう圧巻のデカサっ! 勇ましく上から睨みつけるような迫力があり、人々を魅了させる色使いも芸術的。たちまち、立佞武多の魅力に引き込まれてしまいます。
立佞武多の高さは約23m、幅6m、重量は約19t。かなりの高さがあるので、展示室は佞武多を取り囲むように、4階から1階まで、らせん状の見学通路が設けられています。通路は、車椅子の方でも見学ができるようにバリアフリーのスロープになっているのも特徴的。最初に、エレベータ―で4階まで行って、見学しながら1階まで降りてくるので、佞武多の裏まで余すことなく見られるのがポイント。4階に来ると、普段見上げるように見ていた佞武多の顔を、今度は見下すように真近で見られるのも貴重な体験です。
この立佞武多は、日本各地に伝わる「眠け払い」の習慣「眠り流し」として、収穫期の睡魔を追い払うのが起源とされています。ここで言う佞武多(ねぷた)とは、津軽弁で(弘前など、場所によって多少の違いはありますが)「眠たい」と言う意味。佞武多の顔を見ると、険しく勇ましい表情をしています。
通路を歩いて佞武多の裏側へ回ると、それまで見えていなかった絵やデザインが見られます。見る場所によって違った表情の佞武多が見られるのも魅力一つ。一体につき、約600個〜800個の電球と約40個〜60個の蛍光灯が使われていて、艶やかに浮かび上がる可憐で美しい佞武多を鑑賞できるものここならでは!
立佞武多は、歌舞伎などテーマが決められていて、毎年一年かけて一体ずつ作られています。ここでは、今年製作された作品と去年・一昨年に製作された作品の計3体が展示されていて、祭りが終わった8月は、新作の佞武多を見ることができます。その年のテーマを考えながら見れるのが、鑑賞のポイントかも知れません。また、見学通路には、歴代の佞武多の図案や歴史などのパネルが展示されているので、立佞武多について詳しく知ることができますよ。
館内では、時間によって「お囃子の生演奏のショー」が行われます。大太鼓に中小の担ぎ太鼓、横笛、手振鉦などで演奏が行われます。演奏が行われると同時に「ヤッテマレ〜ヤッテマレ〜」と独特の掛け声をする演奏の仕方。「ヤッテマレ〜」とは「やってしまえ」との意味で、別名「喧嘩ねぷた」とも言われているそうです。この催しは、観光客の飛び入り参加大歓迎!なので、機会があれば、是非参加してみては如何でしょうか?
立佞武多の他に、ここでは金魚の形をした「金魚ねぷた」も展示されています。この佞武多は、江戸時代に津軽藩で飼育されていた幻の金魚「津軽錦」をイメージしたもの。津軽錦は、高価な金魚だったため、庶民が「形だけでも」と作り出したご当地佞武多です。
赤と白の紅白で見た目も縁起が良く、福を招くとして今も人気な佞武多。売店コーナーでは「金魚ねぷた」のストラップなど、オリジナル商品が売られているので、お土産に一押しです。
ご紹介した「立佞武多の館」の前にある「立佞武多広場」は、イタリアのローマと同じ北緯。そのことから、イタリアの名映画「ローマの休日」に登場する「真実の口」のモニュメントが置かれていて、告白に相応しいところとされる「恋人の聖地」があるので、カップルで訪れてみても良いかもしれませんね。
「立佞武多まつり」は、伝統ある日本の祭り。立佞武多は、ダイナミックで世界に通ずるような美しさで、「クールジャパン」を体感できる粋なスポットなので、日本人のみならず、海外の方にもお勧めなスポットです。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索