写真:猫田 しげる
地図を見るまず迎えるのは、約16万粒のクリスタル・ガラスがゆらめく高さ約9mのアーチ「光の回廊」。光が当たるとレインボーの輝きがシャワーのように降り注ぎます。池には現代作家のデイル・チフーリによるガラスのシャンデリアが浮かんでいます。
ほかにもガラスのススキ、ガラスの噴水などどこもかしこもキラキラまみれ。一瞬、現実世界にいることを忘れさせてくれる幻想的な風景です。
そして正面に見えるのは煙をもうもうと上げる大涌谷! 箱根で屋外から大涌谷を一望できるのはここだけなのだとか。温泉地ならではの光景も楽しめます。
写真:猫田 しげる
地図を見るメインとなるヴェネチアン・グラス美術館には、15世紀から18世紀にかけてヨーロッパ貴族を熱狂させたヴェネチアン・グラス約100点が展示されています。
まず驚くのは内装の豪華さ。応接間のようなエントランスに入ると暖炉や細やかな装飾の長椅子、翼のあるライオンの絵画などが配され、中世ヨーロッパの貴族の家に招かれたような気分にさせてくれます。ホールの天井画もダイナミックです。
進むと、ミルキーブルーが美しい19世紀頃の「龍装飾水差」、その後に1500年頃の「点彩花文蓋付ゴブレット」、16世紀に登場したレース・グラスの技術を集結した「レース・グラス蓋付ゴブレット」など時代ごとに様相が変わる作品で、ヴェネチアン・ガラスの技術の変遷を辿ることができます。
写真:猫田 しげる
地図を見る異色なのは「風にそよぐグラス」(1895)。なんと細い針金のような脚で杯部分を支えている、まさにわずかな風にゆらゆらとそよぐ繊細なガラス作品です。その技術にも圧倒されますが、この作品が120年以上にわたって壊れずに保存されていることにも驚きます。
続いて現代ガラス美術館。ここには19世紀以降のヴェネチアン・グラスの現代作品が展示されています。アメリカのデイル・チフーリによるイソギンチャクのような「マキア」や「ペルシャン」は、色とりどりのイタリアガラスらしい特徴が凝縮され、思わず「かわいい!」と歓声を上げてしまいそうです。
すごいのは、この美術館は館内すべて撮影自由ということ。海外では画家や美大生の技術向上のため撮影や模写を自由としている美術館がほとんどですが、日本では珍しいですね。芸術を大事にするからこそ、出し惜しみせず、名品を記録に残してくださいという姿勢が好ましいです。
写真:猫田 しげる
地図を見るガラスだけではなく名物がまだまだあるんです。それがこのパワースポット「大王松」。よく見ると葉が2本ではなく3本になっていて、この落ち葉を結んで持ち帰ると「幸運を授かることができる」というジンクスがあります。
松の木のそばにちゃんと落ち葉を結んで持ち帰る台紙が設置されているので、肌身離さず身につけておきましょう。この松のおかげ?で結ばれたカップルが、ここに松葉を納めに来ることもあるのだそう。
写真:猫田 しげる
地図を見るもちろんグルメにも手抜かりはありません。園内にある「カフェ&リストランテ ラ・カンツォーネ」では、生パスタを使った「箱根西麓産プチトマトのタリオリーニ」「イベリコ豚ベーコンのアマトリチャーナ」(各1300円)など9種のスパゲッティ―を用意しています。
特に、11時〜14時半までのランチタイムは「ラ・カンツォーネランチ」2000円がお得。前菜盛り合わせ、パスタ、ドルチェの盛り合わせ、ドリンクが付いています。この日は「駿河湾産桜海老のクリームソース(+200円)」。内容は季節によって変わり、その時の旬の地元食材を使ったメニューが楽しめます。
そしてここの名物が、日替わりで登場するイタリア人歌手によるカンツォ−ネ。毎日11時〜16時の毎時15分間、イタリア本国から呼んでいる歌手が、生のカンツォーネを披露してくれます。「イタリアで聴いたカンツォーネが忘れられなくて」と、歌だけを聞きに来るご近所の大ファンもいらっしゃいます。
さらに園内には、手作りジャムやメープルシロップなどを販売するショップ「水車小屋アチェロ」があり、カナダ産メープル、ジャム、クッキー、チョコレートなど可愛くて美味しいお土産を販売しています。
中でも伝統的な直火釜製法でじっくりじっくり時間をかけて煮詰めたシロップで作られた、ゴマたっぷりのコク深いメープルセサミ1000円は止まらなくなるおいしさです。店内ではジャムなどの試食ができるので、あれもこれも味見をしてから買うのもいいですね。
ミュージアムショップも女性に人気で、地下1〜3階のフロアにアクセサリーから食器、文房具まで、イタリアはじめ世界各国のガラス製品が所狭しと並べられています。
イタリア直輸入が多く、日本ではここでしか買えないヴェネチアン・グラスのアクセサリーなど、わざわざ買いに来たくなるものがいっぱい。「実はイタリアに行ってきて……」なんてイタズラもできそうです。
まだまだ紹介したい施設がたくさんある『箱根ガラスの森美術館』。この原稿を書いている間も、キラキラがまぶたの裏によみがえって、また行きたくなってしまいました。
特にミュージアムショップの品揃えも秀逸です。イタリアでしか買えないグッズがたくさんあるんです。
初夏には新緑、秋には紅葉で覆われ、冬にはガラスのクリスマスツリーで彩られることから、春夏秋冬の景色が楽しめることでも、リピーター率が50%というのもうなずけます。
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(2024/3/19更新)
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