英国ストラトフォード・アポン・エイボン「メアリー・アーデンの家」シェイクスピアの母を育んだ農場

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英国ストラトフォード・アポン・エイボン「メアリー・アーデンの家」シェイクスピアの母を育んだ農場

英国ストラトフォード・アポン・エイボン「メアリー・アーデンの家」シェイクスピアの母を育んだ農場

更新日:2017/06/02 16:11

Lady Masalaのプロフィール写真 Lady Masala 学芸員資格

裕福な農家に生まれたシェイクスピアの母メアリー。ストラトフォード・アポン・エイボンの隣村ウィルムコートにある「メアリー・アーデンの家」は、彼女が結婚するまで住んでいたとされる農場とコテージです。テューダー式オーガニック(有機)農場と当時の暮らしの様子が再現されている広大な敷地には、馬や羊、豚などの家畜が飼育されています。緑豊かな農場でテューダー朝の歴史を振り返ってみましょう。

シェイクスピアの両親が初めて出会った「アーデンの森」

写真:Lady Masala

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「Mary Arden’s Farm(メアリー・アーデンの家)」として一般に公開されているのは、メアリーの父であり、シェイクスピアの母方の祖父にあたるロバート・アーデンによって16世紀前半に建てられた広大な農場とコテージ、そして、彼の隣人で友人でもあったアダム・パーマーが住んでいたとされるコテージです。

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メアリーとシェイクスピアの父ジョンが出会ったのは、この農場であったといいます。シェイクスピアの父方の祖父がアーデン家から土地を借りていたため、年に一度幼いジョンを連れてこの農場を訪れていました。2人はそこで出会い、恋に落ちたのでしょう。

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メアリーは8人姉妹の末娘でしたが、父ロバートのお気に入りであったため、遺言によりこの広い農場を相続しました。シェイクスピアの戯曲「お気に召すまま」には、「アーデンの森」として登場するこの農場。シェイクスピア自身も幼い頃、祖父母に会うために何度もここに足を運んだことでしょう。

愛らしい動物たちとふれ合える「テューダー農場」

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広大な敷地内には、さまざまな家畜が飼育されています。シェイクスピアの時代に一般的であった品種が多く、現在では珍しい種類の生き物も見られるのだとか。売店で買うことのできるエサで餌付けしたり、実際に動物たちにふれたりすることもできます。

羊飼いが羊を連れて歩く姿を追っていくと、そこには放牧された羊の群れが。囲いの中には真っ赤に熟れた宝石のような実をつけるリンゴの木があり、辺りは甘い香りに包まれます。

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動物たちが登場するショーもまた興味深いものです。機嫌が良くないとあまり乳を出してくれないという、牝牛の乳しぼりの様子は必見。お母さん牛について離れようとしない子牛の愛らしい姿も見られます。

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野菜畑には、放し飼いの鶏が自由に歩きまわっています。そこへテューダー朝のコスチュームに身を包んだガイドがやって来て、畑を荒らす鶏に苦言を呈す場面も。
ガイドたちは、どんな質問にも丁寧にわかりやすく答えてくれるほか、記念撮影にも気軽に応じてくれます。

シェイクスピアの時代を垣間見る「テューダー・ディナー」

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ここ「メアリー・アーデンの家」は、オーガニック(有機)農法で作物を栽培している実際の農場です。ここでつくられる無農薬野菜は、カフェで味わうことができるほか、午後1時から行われる「Tudor dinner(テューダー・ディナー)」でも使用されます。
このショーでは、シェイクスピアの時代の食卓風景を見ながら、当時の生活習慣やテーブルマナーについての興味深い話を聞くことができます。

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テューダー朝の人々は、スプーンを肌身離さず持ち歩いていました。衛生状態がよくなかった時代のこと、口に入れるスプーンは、ほかの誰とも共有しないのが一般的だったのだとか。
また、スプーンは財産でもありました。一握りの金持ちは銀のスプーンを、生活に余裕がある人はピューター(スズを主成分とする合金)、大部分の貧乏人は、木製のスプーンを持っていたといいます。

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スプーンが自分の持ちうる全財産という人も少なくなかった時代。銀やピューターのスプーンが盗まれないよう、袋に鈴をつけて腰からぶら下げる人もいたほど。現在では考えられないような習慣が根づいていたテューダー朝。知れば知るほどに興味深い時代だったといえます。

「パーマーの農場」で知るテューダー寝室事情

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アーデン家の隣人であったパーマー家が所有していたというコテージ「Palmer’s Farmhouse(パーマーの農場)」には、シェイクスピアの時代の暮らしの様子が再現されています。

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室内にはいくつかの寝室がありますが、ベッドがなく、布団がしいてある部屋があることに驚かされます。テューダー朝では、家長とその妻がいちばん良いベッドで眠ることができました。その次に良いベッドは来客用で、子どもたちや使用人は、床に雑魚寝をしていたといいます。

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また、コテージの屋根は茅葺でしたが、むき出しの茅を内側から覆うものがなかったため、室内には天井から茅が絶え間なく落ちてきたといいます。そのため、この時代の人々は、顎の下でひもを結ぶことのできるナイトキャップをかぶり、しっかりと口を閉じて眠りました。
天蓋つきのベッドは、この茅を避けるためにつくられましたが、そこに眠ることができたのは、金持ちの家長やその妻など、ごく一部の人たちであったことは想像に難くありません。

広大な敷地内で終日楽しめる「メアリー・アーデンの家」

「メアリー・アーデンの家」は、ストラトフォード・アポン・エイボンの中心街から4キロほど離れた「Wilmcote(ウィルムコート)」にあります。電車も利用できますが、乗り降り自由な「City Sightseeing(シティー・サイトシーイング)」の観光バスで行くのがお勧め。「シェイクスピアの生家」や「アン・ハサウェイの家」など、主な観光施設を経由するのでとても便利です。

シェイクスピアの母が生まれたテューダー農場と、当時の暮らしが再現された「メアリー・アーデンの家」。かわいらしい動物たちとふれ合うことのできる農場は広大で、終日行われているショーと併せて1日中楽しめる場所です。朝早くから出かけて、生い茂る緑とテューダー朝の世界を満喫しましょう。

インフォメーション:3月中旬より10月末日まで開園

※関連MEMOには、「ストラトフォード・アポン・エイボン」で訪れることのできる施設を紹介した記事を掲載しています。よろしければ、そちらもご覧ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/15−2016/08/16 訪問

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