勇壮な騎馬武者姿を堪能!京都・世界遺産上賀茂神社「笠懸神事」

勇壮な騎馬武者姿を堪能!京都・世界遺産上賀茂神社「笠懸神事」

更新日:2016/08/20 09:57

世界遺産上賀茂神社では、さまざまな行事が年間を通じて実施されています。その中でも、5月連休に広い境内の緑の草地の上を人馬が一体となって疾走する、葵祭の行事「競馬(くらべうま)」は多くの観光客を集めますが、2005年秋から、日本古来の弓馬術で、疾走する馬上から的をねらう「笠懸神事」が約800年ぶりに復活して人気を集めています。

今回は勇壮な笠懸神事の見どころを紹介します。

上賀茂神社

上賀茂神社
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世界遺産に登録されている上賀茂神社は、飛鳥時代(678年)現在の地に社殿が造営されました。御祭神は賀茂別雷神で、厄除、八方除、電気の守り神、必勝の神として信仰を集めています。社殿の本殿・権殿は共に流造の典型として国宝に指定され、他34棟が重要文化財に指定されています。

また、史跡に指定されている境内は、緑あふれた広大な敷地で、5月に行われる競馬(くらべうま)など年間を通じて五穀豊穣の神事が執り行われています。

京都三大祭(葵祭、祇園祭、時代祭)の中で最古の歴史を持つ「葵祭(賀茂祭)」は、上賀茂神社、下鴨神社の例祭として、今から約1500年ほど前に「鴨の神」の祭礼を行ったことが起源とされています。

笠懸神事

笠懸神事
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上賀茂神社の笠懸神事は、2005年に約800年ぶりに復活した、疾走する馬上から的を射る奉納行事。10月第三日曜日に、広い境内の芝生に設けられた約180mの馬場で行われます。武者装束姿の騎手が順番に馬場の南端から出発し、左手側に設けた的に向けて矢を放ち、北端でUターンして、今度は右手側に設けた的に向けて矢を放ちながら馬とともに駆け抜ける行事です。

13時からまず予選が行われます、5名が一組となり、各組ごと順番に疾走する馬上から的を弓で狙います。各組2回ずつ走り、的を射抜いた数の多い上位5名が、決戦で2回ずつ走り、射抜いた的の数で優劣が決します。

秋の快晴の日にうまく重なると、秋の青空の下、芝の緑の上で、色鮮やかな騎手の衣装が映える風景を見ることができます。

迫力満点の馬術

迫力満点の馬術
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笠懸は日本書紀にも登場する日本古来の弓馬術で、関西地区で行われるのは上賀茂神社だけです。しかも神社奉納として行われるのは全国でも上賀茂神社だけ。広い境内に観客席が設けられ、地響きをあげながら馬が疾走するのを目の前で見ることができるので、迫力満点です。

見事な弓術

見事な弓術
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疾走する馬上から約5メートル離れた40センチの四方の的を射る遠笠懸(とうかさがけ)と、地面低くに立てられた10数センチ四方の的を射る小笠懸(こかさがけ)とがあり、見事に的に矢が当たると観客の大歓声が起こります。笠懸としては珍しく、上賀茂神社では女性の射手も騎乗します。

上賀茂神社付近

上賀茂神社付近
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笠懸神事の行われる秋の一日は、観光地巡りにちょうど良い気候の一日です。上賀茂神社まで足を向けたなら、近くの太田神社、深泥池、賀茂川、府立植物園などに立ち寄ってみましょう。

上賀茂神社の東方向には、太田神社、深泥池があります、かきつばた群落が咲くことで有名な大田神社(東約500m)と上賀茂神社の間には、「上賀茂伝統的建造物群保存地区」として指定されている街並みがあり、古都の静かな散策を楽しむことができます。また、西から南の方向には、賀茂川、府立植物園があり、古都の散歩を楽しみながら、季節の花を愛でることもできます。

四季折々楽しめる上賀茂神社

広い境内の上賀茂神社の四季は、桜、新緑、紅葉、雪景色で彩られるので、一年を通して自然を楽しむことができ、また、1月の武射神事、4月の賀茂曲水宴、5月の競馬(くらべうま)会神事、葵祭、6月の夏越大祓式、9月の賀茂観月祭、12月の除夜祭など、いろいろな祭事も通年で執り行われているので、古都の情緒を味わうことができます。

勇壮な「笠懸神事」で古都の秋を満喫したら、次は四季折々の上賀茂神社を楽しんでみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/10/18 訪問

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